No.40
増加する殺人事件
フロリダ州、オーランド(昔はインディアンのセミノール族(Seminole)が暮らしていた)
のゲイ・バーでの集団銃殺事件は、アメリカを、世界を、震撼させた。
犯人は、親がアフガン出身者のイスラム教徒とされる。
これを受けて6月15日のNPRは、ミズーリ・セントルイス大学の
刑事学の先生Richard Rosenfeldの話を載せている。
「このところ、アメリカでの犯罪が急増している。
特に殺人事件の増加が著しい。」
(昨年は、56の大都市統計で人殺し(homicides)の件数が17%アップしたという)。
教授は犯罪学の考え方の1つに、
こうした件数の変化を説明するのに、今まで2つの係数が挙げられてきたという。
いわゆる麻薬(illegal drug)取引件数と、収監者の解放係数の増加である。
しかし、それらとの相関がない訳ではないが、必ずしも綺麗にマッチしない
(don’t quite sync up with…)。
もう1つの考え方として教授らが最近考えているのが、
いわゆる「ファーガソン効果」(Ferguson effect)である
(2014年8月、ミズーリ州ファーガソンで起きた18歳の黒人青年を白人の警察官が銃殺した事件)。
これは、事件を受けて、警察当局の銃の使用などの行為規範に対し、
アメリカで全国的に大変な非難を呼ぶことになり、
警察が、犯罪の抑止などで、その後多少びっくり腰になったことを指している。
反対に人々の間では、
「地元で何かあっても、警察は当てにできない」との態度になり、
自力救済的行動に出ることが多くなったとする見方であるというのである。
2016年6月22日