No.4
                   
黒人が大統領


自民党の某議員が、

「日本も、アメリカの第51州として合衆国に加盟すればいい。
黒人が大統領になるなんて、独立当時は誰も考えられなかったろうに…
今やそれが現実。このように弾力的な国だから、日本人でも、そのうち大統領になれる」

と言った要旨の発言をしたとして、国会で問題になっています。

NPRは、そのオバマ氏について本を著したMichael Eric Dysonを招いた対談を報じています。
第一のテーマは、Scalia判事後任問題ですが、オバマ氏自身に関する部分をお伝えします。

記者の質問:「あなたは、『オバマ氏が人種ルネッサンスをもたらした。
       今までになく、自信をもって人種について語ることを可能にした…』、
       式のことを述べられましたネ。これが単なる言葉の上だけの変化なのか、
       それ以上の変化をもたらすものなのか、
       今回の最高裁判事の人選が、示すことになりますね」

Dyson氏:「オバマ氏は、これまでも人種につき寡黙でしたが、
      今回も行動を持ってルネッサンスを示すべきだし、そうするでしょう。
      最高裁の陣容を、(人種的に)多様にしてきた実績を、黒人の女性などを持ってくることにより、
      より一段と先へ進めるべきです」

記者の質問:「ヒラリー・クリントンは、初めての黒人大統領以上に、
       この点を前へ進めるかもしれないとも言っておられますね」

Dyson氏:「2人の間には立場の差があります。オバマ氏は、自身が黒人であることにより、
      この点(最も弱い(vulnerable)黒人の側に立った人事)を
      自ら余り強く打出すことが出来ませんでした。
      だが、クリントン氏の場合、誰も
     『あんたは自身が黒人だから、そんな人事をするんだろう』
      なんて言う訳がありませんから…オバマ氏の場合は、そう言われるだけでなく、
      それにより大統領としての立場が批判に晒されることになります。

      あのハーバードの教授Henry Louis Gatesが、北京からCambridgeの自宅に帰った時、
      ドアが壊されていて入れなかったところ、近所の人が泥棒と間違えて警察を呼び、
      教授が逮捕されるというケースがあった(2009年7月16日)。
     (オバマ氏は、その際の警察の行動を軽率(間が抜けている)と評して、攻撃されていた)
      これは、肌が黒であることによる、それだけの理由による、
      この世界での立場の差を切実に物語っています。」


                                     2016年2月18日