No.22

                  
政治家と言葉

巨体のニューヨーク市長De Blasio氏と、ヒラリー・クリントン氏の2人がともに舞台に上った。
4月11日のニューヨークでのガラ資金募集大会の席上のことである。
そこで2人が交した次の短い会話が、メディアの顰蹙を買い、批判されている。

まず、クリントン氏が、遂に(やっと)De Blasio氏が公けに、
「クリントン氏支持」と表明してくれたことのお礼とともに、

「それにしても、時間がかかったわネ!」(
Took you long enough)と述べると、
De Blasio氏が

「ヒラリー、ごめん、黒人時間でやってしまった(
I was running CP time)」

と言ったからである
(なお、2000年にクリントン氏が、ニューヨーク州から連邦上院議員選挙に
出馬するのに、De Blasio氏は、お先棒を担いでいた)。

忽ち、その場に居た黒人の出演者が、「その冗談は気にいらないな!」と横槍を入れた。

クリントンは、すかさず
「慎重政治家時間
(cautious politician time)の積りなのよ」
と取り繕った上で話題を変え、市長に言った

(なお、De Blasio夫人は、やはり黒人(
African-American)であり、
彼は折に触れ、そのことを口にしている)。

「それにしても、地下鉄の駅のカード券売機、あれは直さなきゃ」
(彼女は前週、地下鉄に乗ろうとしていた)。


この逸話を紹介しながらNPRは、
「政治家たるもの心せよ!」として、

(@) カメラの前でものを食べるな!
(A) 変な帽子をかぶるな!(これは、誰のことなのか)
(B) 唱ったり、怒鳴ったりするな!

…などと警告している。

                              2016年4月14日