No.18

                    
復活祭


キリスト教で最大の祭り(祝日)とされる復活祭は、今年は3月26日(日)であった。

その2日前の金曜日は、Good Friday(キリスト受難の日)と呼ばれる
(世界の多くのキリスト教国で、公休日である)。

NPRは、その日のフィリピンの首都Manilaの北、
Pampanga県での「受難の日の行事」を伝えている。
つまり、Golgothaの丘とされる場所での処刑の再演である。

イエスの場合は、2人の盗賊が隣の十字架にかけられていたが、
ここでは15人が、十字架にかけられる再演行事である。

うち1人のRuben Enajeは、もう30回目の年中行事だということで、
毎年、両掌と両足の同じ箇所に4インチのステンレスの釘を打つ穴がもう開いてるからよいが、
他の人の中には痛みで、大きな叫び声を上げる者もいる
(そこにはフィリピン国内外から大勢の見物人が、
そしてAssociated Pressなどの報道陣も、来ている)。

手足を打ち付けた後の十字架は、
古代ローマ兵士の服装をした人々によって立てかけられる。

行事を見たAssociated Pressの記者は、こう解説している。

「フィリピンのカトリック信仰は特殊である*。
そこには、キリスト教の信仰とともに、土着の迷信のようなものも混っている。
悔悟をする貧しい人たちは、神の奇跡を信じて
「罪の償いの儀式」を実行しているかのようだ。」

「Ruben Enajeは55歳のペンキ塗りであるが、
彼がこうした行事を始めるきっかけとなったのは、1985年のことである。
3階建ての高所の梯子から転落したが、かすり傷程度で、命に別条がなかった事件からである…」


*フィリピンのカソリシズムは、スペイン船が侵攻した1521年以来であるから、もう5世紀近い。


                                 2016年3月29日