No.102

            トランプ大統領と民間牢


アメリカ合衆国には、囚人を収容する施設として、
合衆国が所有するものより民間が所有するものの方が、遙かに多く存在する
(収容者の70%は、いわゆる民間牢に収容されている)。

トランプ大統領も、選挙運動中の2016年春、
演説中で、「ところで牢については、もっと民活の余地があると思っている
…その方が、ずっと良い」
式のことを言っていた。

彼の場合、ずっと多くの不法移民を捉えることが考えられるから、
彼が、この問題に言及する十分な理由があった
(2,3百万人を国外退去させると言っていたが、
そのためにはまず捕えて収用しなければならない)。

NPRが伝える所では、オバマ大統領時代のこの点での政策は分れていたという(1月3日)。
国土安全省(DHS)が民間牢に力を入れていた一方、
司法省(DOJ)は、昨年8月「すべての民間牢を、phase outしたい…」
と声明していた。

その理由として担当官は、民間牢は合衆国の牢に比べ、
囚人の安全度が低い
(less safe and less secure)と述べていた。

トランプ大統領の下で、これが大きく変わることは、略間違いないと言う。

次いでNPRは、業界トップと第2位の民間牢会社のことに触れている。

その2社は、
「合衆国政府が余り牢を作りたがらないことから、民間の業界がここまで来た…」
と言うものの、多くを語ろうとしない。

それと言うのも、かなり厳しい批判、非難を浴びせられていることがある。
NPRは、「2つだけだが…」と断りつつ、記している。

1つは、ミシシッピ州ウォルナット・グルーヴでの民間牢の閉鎖事件である。
閉鎖は、連邦の判事が「地獄絵…」に近いことを言ったことを機に、生じた。

もう1つは、テキサス州でのレイモンドヴィル町の移民収容所である。
やはり「酷い運営」が表面化し、合衆国の移民局が契約を打ち切った
(その前の2015年に、内部では暴動も起きていた)。


                                       2017年3月14日