No.100

         トランプ大統領の50日間(その評価)


ノースカロライナ州、シャーロット市。
そこは、政治色と言う点では、
青(民主党)の海の中に浮かぶ小さな赤い点(共和党)と称されたものだ。

今回は、そんなところでも無論、
アメリカらしい変化が、例外なく休みなく起こっている
周辺に拡がるメクレンブルグ郡全体を通して見ると、
1990年代からの人口構成の変化は一層はっきりする。
中でもヒスパニックだけをとると、その間に400%の増加を示していると言う点だ。

NPRは、その中でも比較的変化の少ないシャーロット市内の、
昔からの住人らが自発的に集って行なわれている
朝食会(すべて白人)にあるレストランに行って取材している(3月10日)。

9ヶ月ほど前、つまり大統領選挙戦闌の頃にも一度行っていて、
2度目となる今回は、既に顔なじみの数人のインタビューを載せている。


先ず、選挙前のインタビューでは、その20人余りのグループの中で、
かなりの人が、同じ共和党でも、テッド・クルスへの支持表明があった
(一方で、「ジェフ・ブッシュは嫌だ」、とする声も記録されていた)。

トランプ氏の名も序でに挙っていたが、ある声は、
「彼がプライマリで選ばれ出てきても、(本選挙では)35州で負けるだろうよ…」
と言っていた*。

さて、9カ月ぶりに再びそのレストランを訪ねたNPRの記者は、
その中の別室に収まった朝食会の連中に尋ねている
(20人余りで、女性数人を含み、すべて白人で引退した60歳以上の人達)。

返ってきた答えは、次のようであった。

1人、「プライマリではジョン・カシイッシュに投じていたが、
総選挙ではトランプ氏に投票した…ヒラリーよりは良いだろうからだ
…今はしかし、大統領をサポートする
…少しばかり転びやすいところがあり、思いがけないこと、変なことを喋ったりするが
…そのうち落ち着くだろう。とに角前に進んでいる…」。


グループのまとめ役の男は言う。

「これまでの大統領の中では、この期間内で誰よりも多くをやった人じゃないか
 …それも、物によっては、党内の反対を押し切って、全メディアが反対する中で…」


プライマリではクルス氏に入れたという別の男は、

「クルス氏の方が、あの個性剥き出し
(brash)な不動産王よりは、
 少なくとも如才なく
(tactful)、巧くやれると思った…」、とした。

第3の男は言った。
「もうそこら中で、彼のtweetingのことでゴチャゴチャ言うのを聞き飽きたよ!
 トランプは、この半世紀以上もの間で、本当のリーダーらしく自分の思うことを喋っている。
 この半世紀間、世間はリベラル、進歩派と称する空気で充満していて、
 まるで後ろ指を指されるのを恐れているみたいに、皆がコチョコチョコとしか喋らなかった…」、
「この半世紀余り、シャーロット市では、余り保守的なことは、口にすることも憚られた
 …レッテルを貼られるからだ…」、
「その点トランプ氏は、約束したことをやろうとしている…」。


NPRは、更に人々からの聞き取りを、まとめて次のように言う。

「ロシア云々の問題は、人々は本当の意味で問題にしていない。
 メディアが大袈裟に伝えているだけだ…」、

もう1つの問題、イスラム国からの入国制限についても
「イスラムすべてが問題だとは言わないが、
 シャリア法典は、この国の基礎に合わないというじゃないか…」
「多様さを追求するのは、いいとしても…今のアメリカには統一が必要だ」。


*レストランにいる全員60人ほどをとると、20人余りが「彼を好きじゃない!」と言っていた。
 その理由として付加していたのは、「彼は、本当の保守じゃない!」、「あれじゃ勝てない!」などであった



                                        2017年3月13日