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■Kuumba-Toodie(Albert) Heath / Maulana
『カワイダ』というアルバムの名義は叔父のアルバート・
ヒースだが、収録曲は1曲を除き全てエムトゥーメの作曲。
その中の1曲の《マウラナ》は、エイト・ビートのファン
キー・ジャズとブラック・スプロイテーションのサントラ
を合わせたような曲調がイイ。
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■Buddy Terry / Kamili
サックス奏者のバディー・テリーの『アウエイクネス』に
収録されたエムトゥーメの作による《カミリ》は、上記の
『カワイダ』にも収録されていた曲。スタンリー・カウエ
ルの弾くエレクトリック・ピアノのサウンドが、後の《ジ
ューシー・フルーツ》を連想させるところが面白い。
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■Mtume Umoja Emsemble / Alkebu-Lan
1971年8月にライヴ録音されたウモジャ・アンサンブルの
『アルケブ・ラン』。エムトゥーメが提供したタイトル曲
は、黒人についてかたる(というより殆ど叫ぶ)詩の朗読
、切々と歌われる詠唱、演奏が混然一体となった音楽絵巻。
黒人音楽が発展している最中の、ひとつの例だと思う。
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■Buddy Terry / Baba Hengates
スタンリー・クラーク、アイアート・モレイラの参加した
テリーの『ピュア・ダイナマイト』。ウモジャ・アンサン
ブルも演奏したエムトゥーメ作の《ババ・ヘンゲーツ》は、
フュージョンと呼ばれた音楽の一部が、ポスト・フリーで
はなくフリー系ジャズの延長線上にあったことを思わせる。
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■Sonny Rollins / Sais
マイルス・デイヴィスのグループと並行して、ソニー・ロ
リンズのグループにも在籍していたエムトゥーメ。当時の
ロリンズは、エムトゥーメ作の《サイス》をレパートリー
にしていた。エムトゥーメのアフリカ志向に感化されたの
か、民族楽器のようにサックスを鳴らすロリンズがイイ。
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■Mtume / Cabral
エムトゥーメのアルバム『リバース・サイクル』に収録さ
れた《カブラル》は、スピリチュアルな歌い方が、とても
印象に残るバラード。アフリカン・アメリカンとしてのア
フリカ志向的な音楽表現が、ゴスペル的なソウルの表現と
ほとんど大差ないことを実感させる。
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■Mtume / Juicy Fruit
ドラム・マシンのミニマルなグルーヴ感と、エロチック
な雰囲気が絶妙にマッチしたタイトル曲の《ジューシー
・フルーツ》。ブラック・ミュージックは、成立過程や
表現がセックスと密接な音楽だが、エムトゥーメのこの
曲も、黒人音楽の歴史に刻むべき傑作だと思う。
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■Mtume / To Be Or Not To Bop That Is The Question (Whether We Funk Or Not)
『ユー、ミー・アンド・ヒー』収録《トゥ・ビー・オア
・ノット・トゥ・バップ・ザット・イズ・ザ・クエッシ
ョン(ウェザー・ウィー・ファンク・オア・ノット)》
は、ミニマルなファンク・ビートにジャズ風サックス・
セクションやビ・バップ風のソロが入る面白い曲。
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■Mtume / Deep Freeze
『シアター・オブ・ザ・マインド』収録の《ディープ・フリ
ーズ》は、ドクター・ジキル&ミスター・ハイド(メアリー
・J・ブライジを見出すアンドレ・ハレルを含むユニット)
のラップをフィーチャー。時代のストリート感覚を、巧みに
取り入れている。
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■Tawatha / Did I Dream Of You
エムトゥーメの紅一点、タワサの唯一のソロ・アルバム。
エレクトロなサウンドのセクシーな《タイ・ライド》も
捨てがたいが、曲の良さとキーボードの印象的なリフの
良さで《ディド・アイ・ドリーム・ユー》が勝る。
タワサのヴォーカルも素晴らしいパフォーマンス。
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