メンバー個人の活動が活発化して、初代のエムトゥーメ(グループ)は発展的な解散にい たった。エムトゥーメは、タワサを残してグループのメンバーを一新。エレクトロニクス の無機質なグルーヴをうまく活用して、アーバン・セクシー路線を前面に打ち出した音楽 を作るようになる。その路線での最初のシングル《ジューシー・フルーツ》は、全米ブラ ック・チャートで8週連続No.1という大ヒットを記録。新しい路線の音楽が成功を収めた ことにより、エムトゥーメの自信につながったのか、続く2枚目のアルバム『ユー、ミー ・アンド・ヒー』では、《ジューシー・フルーツ》のようなセクシーでアーバンな雰囲気 を、より徹底させている。三角関係を歌ったタイトル曲の《ユー、ミー・アンド・ヒー》 は、ブラック・チャートで2位の連続ヒットとなった。しかしエムトゥーメのクリエイテ ィヴな前進は、そこにとどまらなかった。
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■Mtume / You Me And He アーバン&セクシー路線がより徹底された印象を受ける、 新生エムトゥーメ(グループ)のセカンド。ファンクな リズムに、ジャズのサックス・ソロやサックス・セクシ ョンをかぶせたラストは、なかなか面白いタイトルの曲。 |
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■Mtume / Theater Of The Mind 新生エムトゥーメの3枚目にして最後になったアルバム。 アーバンでエロチックな雰囲気よりもファンクが前面に押し 出されている。アフリカン・アメリカンとして音楽を追求し てきたエムトゥーメの、ひとつの到達点のように思う。 |
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■Michael Jackson / Thriller 80年代を代表する、全世界で大ヒットしたマイケル・ジャク ソンのアルバム。MTV時代の代表的なビデオ作品となった タイトル曲の《スリラー》をはじめ、《ビリー・ジーン》や 《ビート・イット》などヒット曲を多数収録。 |
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■Herbie Hancock / Future Shock エムトゥーメと同じく、アフリカ志向の音楽からファンク 化したハンコックのヒット・アルバム。ミック・ジャガー のような大物から日本の歌謡曲にいたるまで、このアルバ ムの衝撃的なサウンドに影響を受けた同時代の楽曲は多い。 |