ヴォーカル・グループのスピナーズや新人シンガーのマーク・サダーンなど、男性中心に プロデュースを行うようになっていたエムトゥーメとレジー・ルーカスは、1982年にヴェ テラン・シンガーのルー・ロウルズのプロデュースを行っている。ロウルズは、R&B、 ソウル、ブルース、ジャズなど、あらゆるジャンルのブラック・ミュージックにおいて、 十分にその実力を認められているヴェテラン・シンガーである。初期のロウルズの忘れが たいパフォーマンスとして、サム・クックとデュエットした《ブリング・イット・オン・ ホーム・トゥ・ミー》がある。クックの歌うメイン・メロディに、ハーモニーをつけると いうよりも、もうひとつのヴォーカルとして絡んでいくロウルズのパフォーマンスはとて も印象に残るものである。ロウルズのバイオグラフィーによれば、クックとロウルズは古 くからの知り合いだったらしい。
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■Lou Rawls / All Things In Time ロウルズのフィラデルフィア・インターナショナルにおけ る初のアルバム。ャンブル&ハフの作詞・作曲、プロデュ ースによる、大ヒットした《ユー’ル・ネヴァー・ファイ ンド・アナザー・ラヴ・ライク・マイン》を収録。 |
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■Lou Rawls / Now Is The Time ベル対エムトゥーメ&ルーカスという、ふた組のプロデュ ース・チームがしのぎをけずる、ロウルズの80年代の傑作。 ゆったりとしたロウルズの声を活かした楽曲が、ワン・ア ンド・オンリーの大人の雰囲気を醸し出している。 |