70年代のはじめから80年代初頭にかけてのエムトゥーメとレジー・ルーカスは、自分達の グループ活動と並行しての女性シンガーを中心とする楽曲提供およびプロデュースの方向 を、グループのメンバーによる楽曲提供を含んだ男性グループおよび男性シンガーのプロ デュースへと転換することにより、音楽的にマンネリズムに陥ることを未然に防ぐことが できたように思う。そのような状況においても、彼らが唯一プロデュースを継続した女性 シンガーが、ステファニー・ミルズであった。自分達の新しいサウンドの模索するなかで ミルズに提供した《ネヴァー・ニュー・ラヴ・ライク・ディス・ビフォア》は、グラミー 賞のベストR&Bソングという栄冠に輝いた。エムトゥーメとルーカスは、ミルズとなら ば、まだまだ新しいサウンドを追求できると思っていたのかもしれない。レコード会社か らの次回作への大きな期待も、当然あったことと思われる。
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■Stephanie Mills / Sweet Sensation 《ネヴァー・ニュー・ラヴ・ライク・ディス・ビフォア (邦題:燃える恋心)》が収録された、エムトゥーメ& ルーカスのプロデュースによるミルズのアルバム。 エムトゥーメ&ルーカスは、全8曲中5曲を提供。 |
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■Stephanie Mills / Stephanie ペンダーグラスとミルズのデュエット《トゥー・ハーツ》 を収録した、エムトゥーメ&ルーカスのプロデュースによ るミルズのアルバム。彼らがミルズのアルバム全体をプロ デュースするのは、このアルバムが最後となる。 |
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■Teddy Pendergrass / Tp テディ・ペンダーグラスの1980年のヒット・アルバム。 《テイク・ミー・イン・ユア・アームズ・トゥナイト》 と《フィール・ザ・ファイア》の2曲にミルズがゲスト 参加しており、熱いデュエットを聴かせる。 |
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■Stephanie Mills / Tantalizingly Hot 『ステファニー』を最後にレコード会社を移籍したミルズ の、新しいレコード会社での第一弾。 エムトゥーメ&ルーカスに加え、アシュフォード&シンプ ソンとミルズ自身がプロデュースに加わっている。 |