ステファニー・ミルズが歌った《ネヴァー・ニュー・ラヴ・ライク・ディス・ビフォア》 により、グラミー賞のベストR&Bソングを受賞したエムトゥーメとレジー・ルーカス。 グラミー賞の受賞によって女性シンガーに対するプロデュースは一区切りついたと思った のか、以降はミルズを例外として、男性シンガーや男性ヴォーカル・グループのプロデュ ースにシフトしていくようになる。その兆候は、サックス奏者のゲイリー・バーツのアル バム、および結果的にはシングル曲のみのプロデュースとなったイギリスのソウル・グル ープのリアル・シングのプロデュースに見ることができた。しかし、エムトゥーメとルー カスが、アルバム全体を含んだ男性シンガーあるいは男性ヴォーカル・グループのプロデ ュースに本格的に取り組んだのは、ベテラン・ヴォーカル・グループのスピナーズが最初 のケースだったと言ってよいように思う。
![]() |
■The Spinners / The Very Best Of Spinners シングル・ヒットの多いスピナーズの魅力を堪能するには シングル曲を集めたベスト盤が最適である。スティーヴィ ー・ワンダーが全面的にバックアップしたモータウン時代 の傑作《イッツ・ア・シェイム》も収録のベスト盤がお得。 |
![]() |
■The Delfonics / Definitive Collection フィリー・ソウルの重要人物トム・ベルが、スピナーズの 黄金時代を支える前に手掛けたデルフォニクス。エムトゥ ーメ&ルーカスは、彼らの代表曲《ディドント・アイ(ブ ロウ・ユア・マインド・ディス・タイム)》のカヴァーを スピナーズのアルバムに収録。先輩達への敬意を感じる。 |