ステファニー・ミルズ、フィリス・ハイマン、レナ・スコットと、続けざまに女性シンガ ーに対するプロデュースを行ってきたエムトゥーメとレジー・ルーカス。1979年頃から新 しいサウンドの方向性を模索していたと思われる彼らの目は、1980年頃から男性グループ やシンガーに向いていたように思う。一緒にグラミー賞の栄冠を手にしたミルズを除くと、 以降の彼らがプロデュースするのは、男性グループあるいは男性シンガーばかりとなる。 エムトゥーメとルーカスが初めてアルバム全体をプロデュースした男性は、サックス奏者 のゲイリー・バーツ。バーツの場合は、エムトゥーメ一派の準メンバー的な位置づけの人 物と考えることができるため、それまでにレコード制作の現場で係わりがなかったという 意味では、リアル・シングというソウル・グループが、エムトゥーメとルーカスが初めて プロデュースした男性グループのようである。
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■The Real Thing / She's A Groovy Freak 新レコード会社の移籍第一弾となった1980年のシングル。 A面の《シーズ・ア・グルーヴィ・フリーク》およびB面 の《イッツ・ア・リアル・シング》とも、エムトゥーメ& ルーカスによるプロデュース。 |
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■The Real Thing / I Belive In You 1981年の移籍第二弾シングル。B面の《ユーア・マイ・ナ ンバー・ワン》のみエムトゥーメ&ルーカスによるプロデ ュース。この曲が、一番リアル・シングのよさがでている ように思える。サックスはゲイリー・バーツか? |
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■Michael Jackson / Off The Wall 《ドント・ストップ・ティル・ユー・ゲット・イナフ》で 音楽クリエイターとしての資質も披露した傑作アルバム。 現在のジャケットの”光る靴下”の意味を調べてみると、 黒人エンターテイメントの歴史もみえてくる。 |