ノーマン・コナーズや、コナーズがプロデュースしたアクエリアン・ドリームなどのアル バムへの参加によって、ソウル・ミュージックに接近していったエムトゥーメとレジー・ ルーカス。やがて彼らは、”エムトゥーメ&ルーカス”のクレジットのもとに共同で楽曲 制作を行っていくようになる。では、彼らが一緒に作った最初の曲は何という曲なのか。 ロバータ・フラックがダニー・ハサウェイと歌ってヒットした《ザ・クローザー・アイ・ ゲット・トゥ・ユー》(1977年)ではないかと長年思っていたのだが、どうやらトランペ ット奏者のエディ・ヘンダーソンの《セイ・ユー・ウィル》(1977年)という曲らしい。 《セイ・ユー・ウィル》は、『カミン・スルー』というヘンダーソンのアルバムに収録さ れていた曲。ディスコの時代をモロに感じさせるノリの良いリズムの曲であり、その後の ”エムトゥーメ&ルーカス”も連想させる。ちなみにシングル・カットもされている。
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■Eddie Henderson / Comin' Through ハービー・ハンコックのグループでの活動が、比較的知 られているヘンダーソンの5作目のスタジオ・アルバム。 若き日のダイアン・リーヴス、EW&Fのアル・マッケイと フィリップ・ベイリーなどが参加している。 |
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■Lee Ritenour / Captain Fingers リトナーというギター奏者が只者ではないことを 音楽業界に知らしめた、クロスオーヴァーを代表 する名盤。スキップ・ドリンクウォーターのプロ デュースの代表作でもある。 |
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■John Lee & Gerry Brown / Still Can't Say Enough イレヴン・ハウスのリズム・セクションだったジョン ・リーとジェリー・ブラウンの双頭リーダー作。 西海岸のクロスオーヴァー勢との交流は、ルーカスの 楽曲制作に多少の影響を与えたように思う。 |
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■Miles Davis / Doo-Bop ヘンダーソンが70年代にやっていた音楽は、 デイヴィスの最後のスタジオ作(未完)となった 『ドゥー・バップ』にも繋がるように思える。 デイヴィスの晩年の音楽も再検証が必須だ。 |