マイルス・デイヴィスのグループに在籍中のエムトゥーメとレジー・ルーカスの課外活動 は、カルロス・ガーネットやノーマン・コナーズのアルバムへの参加だけではなかった。 エムトゥーメは、サックス奏者のソニー・ロリンズやピアノ奏者のマッコイ・タイナーと いった、ジャズ界の大物のレコーディングにも参加。ロリンズとは、来日までしている。 タイナーの『サマ・ラユカ』というアルバムには、ゲイリー・バーツ、ビリー・ハート、 バスター・ウィリアムズなどウモジャ人脈を引き連れて参加。彼らの他にも、コナーズの アルバムで一緒だったパーカッション奏者のギレルミ・フランコや、デイヴィスの《カリ プソ・フレリモ》に参加していたリード奏者のジョン・スタブルフィールドなど、これま でにエムトゥーメが一緒に演奏してきた人達が脈々と連なっていくところが面白い。おそ らくエムトゥーメは、自然とまわりに人が集まってくるような性格の人だったのだろう。
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■Mtume / Rebirth Cycle エムトゥーメの3作目にあたるリーダー・アルバム。 日本制作のアルバムだが録音されたのはニューヨーク。 当時のマイルス・デイヴィス・グループのメンバーが 揃って参加している。 |
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■Mtume / Rebirth Cycle 日本で発売された際のジャケット。 『回天』という、驚きの邦題がつけられていた。 音楽とは直接関係ないが、黒人女性の美しい脚が 写っている、このジャケットの魅力も捨てがたい。 |
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■Reggie Lucus / Survival Themes 全曲オリジナル作品の、ルーカスの初リーダー作。 マイケル・ヘンダーソンのほか、ヒューバート・ イーヴス、ハワード・キングなど「エムトゥーメ」 の初期メンバーが顔を揃えている。 |
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■Miles Davis / Pangaea ルーカスとピート・コージーのツィン・ギター編成 完成期のデイヴィスのライヴ。コージーの演奏も デイヴィスに肉迫するようになり、場面によって ルーカスがソロをとったり表現が多様になっている。 |
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■大野俊三 / Something's Coming ギル・エバンス・オーケストラへの参加などで知 られる大野俊三。急遽加えられたというルーカス のギターは、音楽に見事な彩りを加える。 この作品がリーダー作のきっかけかもしれない。 |