70年代に、様々なシンガーやグループに対して、プロデュースや楽曲制作・提供を行った ギタリストのレジー・ルーカスとパーカッション奏者のエムトゥーメ。彼らの原点とは、 はたしてなんなのであろうか。彼らが共に参加していた、マイルス・デイヴィスのグルー プがやっていたような音楽なのだろうか。しかし、ルーカスとエムトゥーメのコラボレー ション・チームが創りだした都会的で洗練されたダンサンブルなサウンドは、デイヴィス のグループがやっていた音楽とはかなり異なる。少なくとも聴感上は、両者を容易に結び つけることはできない。そもそも彼らが気になるようになったきっかけは、デイヴィスと 一緒にアヴァンギャルドなエレクトリック・ミュージックをやっていた頃のイメージと、 デイヴィスのグループを離れたあとに創りだしたポップなサウンドとのギャップにある。 彼らをもっと深く知るために、彼らのやったことを再度よく聴いてみる必要がある。
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■パーカッション奏者のエムトゥーメ |
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■Miles Davis / In Concert ルーカスとエムトゥーメが一緒になってまもなくの頃の、 デイヴィスのグループのニュー・ヨークにおけるライヴ。 世評は芳しくないが、バンドが猛然とグルーヴする《テ ーマ・フロム・ジャック・ジョンソン》はカッコイイ。 |
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■Kuumba-Toodie(Albert) Heath / Kawaida エムトゥーメの1974年のリーダー作に連なる流れをもつ アフロ・アメリカンな香りでいっぱいの音楽が収録され たアルバム。日本ではハンコックとチェリー名義で発売 されたこともある。5曲目は《処女航海》を連想させる。 |
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■McCoy Tyner / Expansions エムトゥーメ達と同時期にアフリカ志向を強めていた、 ピアノ奏者のマッコイ・タイナーの1968年のアルバム。 ウェイン・ショーター、ロン・カーター、ゲイリー・バ ーツの参加が眼をひく。エムトゥーメも後に共演する。 |