ファンクの視点から『キリマンジャロの娘』以降のマイルス・デイヴィスの音楽を聴きな おしていたわけだが、いろいろと目移りがして困ってしまう。どういうことかというと、 デイヴィスの音楽を注意深く聴いていると、次々と疑問に思うことがでてきてしまうので ある。だからこそ魅力的な音楽であることは重々承知しているが、やはり回答(というも のがあるのであれば)を知りたくなってしまう。しかし、その回答は、ぼくの知る限りの 国内・海外の関連書籍・資料には示されていない。全世界にある全ての関連書籍・資料を 読んでいるわけではないので、もしかするとどこかにあるのかも知れないが、正規・発掘 音源の双方をふくめて、欠けているピースはまだまだ確実にある。それらのピースは、デ イヴィス自身の音源(これから発掘されるものを含む)と同時代のデイヴィスに関係する あらゆるジャンルの音源を確認することによって、補われていく類ものであろう。
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■Filles De Kilimanjaro / Miles Davis デイヴィスが、収録曲の《ブラウン・ホーネット》で ベース・ラインを強調するというファンク的な手法を 、明確にうちだした作品。 |
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■Mils Davis / The Complete Bitches Brew Sessions インドやブラジルの民族楽器導入、およびザヴィヌル とのコラボレーションを含むボックス・セット。 1970年2月前半で、ザヴィヌルとのコラボは途絶える。 |
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■Miles Davis / The Complete Jack Johnson Sessions ギターを中心としたリズム・セクションで録音した曲が 収録されたボックス・セット。デイヴィスがロック的な 方向にむかっていたことがわかる。 |
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■Sly & The Family Stone / Stand! 《シング・ア・シンプル・ソング》を収録した、スライ& ザ・ファミリー・ストーンのアルバム。 デイヴィスは 聴きすぎて擦り減らしたと自伝で語っている。 |
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■James Brown / Star Time 上記の2曲を含む、ジェームス・ブラウンのベスト盤。 歌、ホーン、ギター、ベースと、全てが印象的な楽曲の 構成要素となっているブラウンのファンクがよくわかる |