●ロックへの旅(第二章):キャンディ・ガール
    (ザ・フォー・シーズンズ:1963)

ラリー・サントスというシンガー・ソング・ライターがいます。といっても、殆ど知って
いる人はいないのではないかと思います。サントスの歌でヒットした曲は、1976年に《ウ
ィ・キャント・ハイド・イット・エニィモア》という曲が全米トップ40に入ったくらい
です。要するに、俗に言うところの”1発屋”と呼ばれるような人です。なぜ、そんな無
名のシンガー・ソング・ライターのことを書いているかというと、このサントスの作った
曲で最も売れた曲が、フォー・シーズンズに提供した《キャンディ・ガール》だからなの
です。サントスは、いくつかのバンドに曲を提供していたとか、フォー・シーズンズのス
タッフ・ライターだったとか、いろいろな説があります。もしかするとサントスは、ニュ
ーヨークのブリル・ビルディングあたりをウロウロしていたライターの一人だったのかも
しれません。

いずれにしても、サントスが《キャンディ・ガール》という曲を作り、それをフォー・シ
ーズンズが歌って全米3位の大ヒットとなったことは事実です。なぜ、サントスの曲をフ
ォー・シーズンズが歌ったのかはわかりませんが、《キャンディ・ガール》はフォー・シ
ーズンズの黄金のソング・ライティング・コンビのゴーディオ&クルー作と言われても疑
問を全く感じないくらいフォー・シーズンズにフィットしている曲です。この1963年当時
のフォー・シーズンズは、もの凄いサイクル(早いときには1ヶ月に1枚)でシングル盤
が発売されているので、ゴーディオ&クルーのソング・ライティングが間に合っていなか
った可能性があります。この時期のフォー・シーズンズに、ファッツ・ドミノの《エイン
ト・ザット・シェイム》などの他のミュージシャンのカヴァーが多いのも、同じ理由によ
るものかもしれません。。

《キャンディ・ガール》は、全米3位のヒットになりましたが基本的には小品だと思いま
す。ビッグ・ヒットになるような、強烈な魅力は残念ながらありません。バラード形式の
イントロで始りますが、この形式は後の彼らのヒット《バイ・バイ・ベイビー》(日本で
はベイ・シティ・ローラーズや郷ひろみのカヴァーで有名)や《レッツ・ハング・オン》
で踏襲されていきます。その後「キャンディー・ガール」とティンパニが印象的なタイト
ル・コールが続きます。そして、お馴染みの「アイアイアイ」というフランキー・ヴァリ
のファルセット・ヴォーカルに入っていきます。ヴァリのヴォーカルとコーラスの掛け合
いになる「ハッギン(huggin) 」、「キッシン(kissin)」というところは魅力的です。こ
のリラックスしたようなサラリとした感触が《キャンディ・ガール》の魅力なのですが、
強烈な何かにかける分、1位をとれなかった理由でもあるような気がします。

《 Candy Girl 》( The 4 Seasons )
cover

The 4 Seasons : 
Frankie Valli(vo), Bob Gaudio(key,vo), Tommy DeVito(elg,vo), Nick Massi(elb,vo)

Arranged by Charles Calello

Written  by Larry Santos
Produced by Bob Crewe
Recorded  : 1963
Released  : June,1963
Charts    : POP#3,R&B#13(US)
Label     : Vee-Jay

Appears on :In Season : The Frankie Valli and the 4 Seasons Anthology

1.Sherry, 2.Big Girls Don't Cry, 3.Connie-O, 4.Peanuts,
5.Alone (Why Must I Be Alone), 6.Walk Like a Man, 7.Ain't That a Shame,
8.Candy Girl, 9.Marlena, 10.Stay, 11.Little Boy (In Grown Up Clothes),
12.Dawn (Go Away), 13.Silence Is Golden, 14.Ronnie, 15.Rag Doll, 
16.Save It for Me, 17.Big Man in Town, 18.Bye, Bye, Baby (Baby Goodbye),
19.Betrayed, 20.Toy Soldier, 21.Girl Come Running, 
22.Let's Hang On (To What We've Got) , 23.Don't Think Twice, It's All Right,
24.The Sun Ain't Gonna Shine (Anymore), 25.(You're Gonna) Hurt Yourself,
26.Working My Way Back to You, 27.You're Ready Now,
28.Opus 17 (Don't You Worry 'Bout Me), 29.I've Got You Under My Skin

1.Can't Take My Eyes off You, 2.C'mon Marianne, 3.Proud One, 
4.Tell It to the Rain, 5.Beggin', 6.Lonesome Rad, 7.I Make a Fool of Myself,
8.Watch the Flowers Grow, 9.To Give (The Reason I Life), 
10.Will You Love Me Tomorrow, 11.Idaho,
12.The Girl I'll Never Know (Angels Never Fly This Low),
13.And That Reminds Me (My Heart Reminds Me), 14.Patch Of Blue,
15.My Eyes Adored You, 16.Swearin' To God, 17.Who Loves You,
18.Our Day Will Come, 19.December, 1963 (Oh, What A Night), 20.Silver Star,
21.Fallen Angel, 22.Grease


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