●ロックへの旅(第二章):ビッグ・ガールズ・ドント・クライ
    (ザ・フォー・シーズンズ:1962)

さて今回は、再びフォー・シーズンズの登場です。ちょうどぼくの生まれた日の全米チャ
ートのNo.1が、彼らの代表曲《シェリー》だったという話しは以前にしましたよね。その
《シェリー》を皮切りに、フォー・シーズンズは次々とヒットを飛ばしていくことになり
ます。彼らの第2弾ヒット・シングルで、前回紹介したクリスタルズの《ヒーズ・ア・レ
ベル》を蹴落として再び全米No.1の座を射止めたのが、《ビッグ・ガールズ・ドント・ク
ライ(邦題:恋のやせがまん)》という曲です。この曲は、前作の《シェリー》と比べる
とR&B風のファンキーな味わいを持っています。フランキー・ヴァリのファルセットも
「アイアイアイ」と絶好調です。そのせいか、ポップ・チャートのみならず黒人音楽が、
メインのR&BチャートでもNo.1を獲得しています。サビの部分は当時流行していたツィ
ストのリズムになり、ダンスをするのにももってこいだったのではと想像されます。

《シェリー》はおそらくグループのメンバーだけで録音したものと思われますが、《ビッ
グ・ガールズ・ドント・クライ》は”テケテンテンテン”というドラムスのイントロや間
奏のトランペットなど、フォー・シーズンズのメンバー(ヴォーカル、ギター、オルガン
、ベースという編成)以外の外部のミュージシャンを導入したと思われます。おそらくは
出来上がった曲がR&B調だったことから、リズムを強調するためにドラムスを導入した
のではないかと想像します。では誰がそれを考え付いたのか。おそらくは、この曲の作者
かつプロデューサーのボブ・クリューと、同じく作者であるメンバー中最年少のボブ・ゴ
ーディオのどちらかではないかと思われます。早くから、”ドンドンドンドン”という足
踏みのようなストンピング・リズムと手拍子を自身のプロデュース作品に使用していたと
いうクリューの考えによるものかもしれません。

しかしゴーディオではないかという考えもまた捨て切れません。《シェリー》はゴーディ
オの単独作品でしたが、《シェリー》の成功によって”ヒット曲のコツ”のようなものを
ゴーディオは掴んだのではないでしょうか。ちなみに早熟なゴーディオは、フォー・シー
ズンズ加入前のロイヤル・ティーンズというグループ時代に、《ショート・ショーツ》の
ヒットを放っています。この曲は、わが日本では「タモリ倶楽部」のテーマ曲(あのお尻
フリフリのやつ)として、音楽に詳しくなくても知っている人は多いのではないかと思い
ます。想像ですが、曲のメインを考えついたゴーディオが「リズムを強調したい」とリク
エストして、それをプロデューサーのクリューが形にしてあげたのではないかという気が
します。ゴーディオはこの時点でまだ19歳でしたが、その若くて豊かな才能は、その後の
フォー・シーズンズの大躍進の大きな牽引力となっていくのです。

《 Big Girls Don't Cry 》( The 4 Seasons )
cover

The 4 Seasons : 
Frankie Valli(vo), Bob Gaudio(key,vo), Tommy DeVito(g,vo), Nick Massi(elb,vo)

Written  by: Bob Crewe/Bob Gaudio
Produced by: Bob Crewe
Recorded   : 1962
Released   : October 20,1962
Charts     : POP#1,R&B#1(US)
Label      : Vee-Jay

Appears on :In Season : The Frankie Valli and the 4 Seasons Anthology

1.Sherry, 2.Big Girls Don't Cry, 3.Connie-O, 4.Peanuts,
5.Alone (Why Must I Be Alone), 6.Walk Like a Man, 7.Ain't That a Shame,
8.Candy Girl, 9.Marlena, 10.Stay, 11.Little Boy (In Grown Up Clothes),
12.Dawn (Go Away), 13.Silence Is Golden, 14.Ronnie, 15.Rag Doll, 
16.Save It for Me, 17.Big Man in Town, 18.Bye, Bye, Baby (Baby Goodbye),
19.Betrayed, 20.Toy Soldier, 21.Girl Come Running, 
22.Let's Hang On (To What We've Got) , 23.Don't Think Twice, It's All Right,
24.The Sun Ain't Gonna Shine (Anymore), 25.(You're Gonna) Hurt Yourself,
26.Working My Way Back to You, 27.You're Ready Now,
28.Opus 17 (Don't You Worry 'Bout Me), 29.I've Got You Under My Skin

1.Can't Take My Eyes off You, 2.C'mon Marianne, 3.Proud One, 
4.Tell It to the Rain, 5.Beggin', 6.Lonesome Rad, 7.I Make a Fool of Myself,
8.Watch the Flowers Grow, 9.To Give (The Reason I Life), 
10.Will You Love Me Tomorrow, 11.Idaho,
12.The Girl I'll Never Know (Angels Never Fly This Low),
13.And That Reminds Me (My Heart Reminds Me), 14.Patch Of Blue,
15.My Eyes Adored You, 16.Swearin' To God, 17.Who Loves You,
18.Our Day Will Come, 19.December, 1963 (Oh, What A Night), 20.Silver Star,
21.Fallen Angel, 22.Grease


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