●ロックへの旅(第二章):サーフィン・サファリ
    (ザ・ビーチ・ボーイズ:1962)

またまたやってきました、「ロックへの旅」の第二章。ちょうどぼくの生まれた年月にデ
ビューしたビートルズの《ラヴ・ミー・ドゥ》を皮切りに、前回はぼくの生まれたまさに
その日に全米チャートのNo.1ソングだったフォー・シーズンズの名曲《シェリー》を聴い
てきました。他の人にとってはどうでもよいことでしょうけど、この誕生日関連シリーズ
では、実はもう一つ言っておきたいことがあります。「くどい」とか「いい加減にしろ」
といった声も聞こえてこないではないですが、そんなことは構いません。《シェリー》が
チャートのNo.1だった最後の週に、ぼくの音楽人生の中で非常に大きな存在となるグルー
プのメジャー・デビュー・シングルが、6月の発売からじわじわとチャートを昇り最高位
を記録しているのです。グループ名は、ザ・ビーチ・ボーイズ。曲名は《サーフィン・サ
ファリ》です。

この曲がチャートの最高位に辿り着いたのが、ぼくの生まれた日の2日後なのです。多分
に偶然ではあるのでしょうが、自分の人生で多くの時間を費やすことになる2大グループ
のデビューとメジャー・デビュー・シングルのチャート最高位の日の間にこの世に生を受
けるなんて、なにやら因縁めいたものを感じずにはいられません。そして、そのときにヒ
ットしていたのが、フォー・シーズンズの名曲《シェリー》なんて嬉しいではありません
か。まるで”ポップスに生きる”ことを神様に命じられたかのような気がします。「いい
加減にしろ」の声が聞こえてきたのでこのへんで止めておきますが、とにもかくにも、ぼ
くの音楽人生の中で大きな影響を受けることになるビーチ・ボーイズのメジャー・デビュ
ー・シングルの《サーフィン・サファリ》です。今回は、このビーチ・ボーイズのメジャ
ー・レーベルとしての初ヒット曲を聴いてみることにましょう。

ビーチ・ボーイズの歌と演奏はまだ稚拙ですが、同時代の他の曲と聞き比べると、微量で
すが新しい感覚が伝わってきます。何が新しさを感じさせるのか。それは、彼らの演奏ス
タイルではないかと思います。いまでは、当たり前の”ロック・バンド”のスタイル。こ
の時代、”ロック・バンド”という概念はまだ存在していなかったと思います。50年代以
降のロックンロールも歌手とそのバック・バンドという形態が殆どであり、バンド形態で
ヒットを出していたのはインスト(演奏のみで歌なし)系グループ(ヴェンチャーズとか
ブッカー・T&MGs)しかなかったと思います。《サーフィン・サファリ》の新感覚は
、軽快なロックンロールを演奏しながらハーモニーをつけて歌うことによる、彼らのプロ
フェッショナルになりきっていないバンド・サウンドのスタイルにある気がします。その
新感覚が、西から東へじわりじわりと人々の心を掴んでいったのではないでしょうか。

《 Surfin' Safari 》( The Beach Boys )
cover

The Beach Boys : 
Brian Wilson(vo,elb), Dennis Wilson(ds,vo), Carl Wilson(elg,vo), 
Mike Love(vo), David Marks(elg,vo)

Written  by: Brian Wilson / Mike Love
Produced by: Nick Venet
Recorded   : April 19, 1962
Released   : June 4, 1962
Charts     : POP#14(US)
Label      : Capitol

Appears on :Surfin' Safari
1.Surfin' Safari, 2.County Fair, 3.Ten Little Indians, 4.Chug-A-Lug,
5.Little Girl (You're My Miss America), 6.409,
7.Surfin', 8.Heads You Win, Tails I Lose, 9.Summertime Blues  
10.Cuckoo Clock, 11.Moon Dawg, 12.Shift  


※上記のイメージをクリックすると、Amazonにて購入できます