●音楽に関する雑感(最近の出来事から)

つい先日のことだが、昔の音楽仲間と久しぶりに演奏する機会があった。高校時代からの
音楽仲間の結婚パーティで、久しぶりに集まって演奏したのである。最近演奏した奴でも
8年ぶり、一番演奏離れていた人とはなんと16年ぶりだった。正直、お遊び程度で懐か
しく音を一緒に出しました程度にしかならないと思っていた。でも、音楽というものは不
思議なものである。本番の前日と1週間前の2回スタジオに入っただけなのだが、そこに
は確実に新しいグルーヴが生まれていた。僕らは、まるで1週間前にスタジオに入ってい
て、すぐにまた再会したかのようだった。そのくらい違和感は感じなかった。音楽を通じ
た結びつきは、8年から16年という歳月を超越していたのである。

演奏したのは、昔やっていた懐かしのナンバーではなかった。今回のパーティーの主役が
選んだ新曲を中心に、今までそのメンバーでは演奏したことのない曲ばかりだった。それ
らの曲とは、吉田美奈子の自主制作盤で発表された名曲《クリスマス・ツリー》、小坂忠
の放送禁止にもなった名曲《機関車》、そしてRCサクセションのエヴァー・グリーン・
ナンバーの《スロー・バラード》である。これらの日本のミュージシャンの名曲を取り上
げたのだが、信じられないくらいに短時間で仕上がった。僕はピアノとオルガンの担当で
ある。《クリスマス・ツリー》は、昔一緒にやった女性ボーカルで、あとの二つの曲は小
学生からの同級生がボーカルをとった。みんながいろいろな立場で音楽と係わってきたの
だが、それらがとても良い形で融合したようである。パーティに来ていた野球一筋の小学
校の同級生から、”楽しそうで羨ましかった”と言われた。なにより自分自身が忙しい仕
事の合間を抜け出しての演奏だったのだが、物凄く楽しかった。自分にとって音楽を演奏
したり聴いたりすることが、家族との関係と同じように大切なものであることが改めて理
解できたのだ。

いまこうして、このウェブサイトで音楽に関する事を書いているのも、結局は音楽を通じ
て自分自身というものを確認しているのかもしれない。そのように音楽とは、僕にとって
かけがえの無いものである。久しぶりにバンドと一緒にステージに立って、グルーヴする
のは本当に楽しかった。また、ライヴ活動を真剣に考えようかなと思う今日この頃である。