●ある街の中古レコード店

栃木県の足利市という所に、「足利学校」という日本最古の学校があります。以前ぶらっ
とドライブで観光に行ったのですが、その時に直ぐそばに小奇麗な中古レコード店がある
のを見つけました。その時は時間があまりなかったので、また近いうちにゆっくりこよう
と思っていました。そしてついに昨日行ってきたのです。足利市という所は私の家から車
で1時間と少し。ちょっとしたドライブには、ちょうど良い距離です。朝日の爽やかな午
前中からゆっくり時間をかけて、レコードを物色してしまいました。店の在庫も、ジャズ
、ロック、ソウルなど品揃えは豊富です。懐かしいあのアルバム達がいっぱい顔を揃えて
います。なんでこんな所に、これほどの品揃えのレコード店がと思ったほどです。1時間
ほどゆっくりと物色して少し疲れたなと思ったところに、店主がコーヒーを入れてくれま
した。なんていい店なんだ。一発で気に入ってしまいました。レコードをトントンと物色
していると、喉が渇くんですよね。こういうサービスは、有り難いものです。肝腎の中古
レコードも、状態の良いものが多かったですね。2時間ほどゆっくりと物色したでしょう
か。3枚レコードを買いました。
買ったものはというと、前回紹介したウェス・モンゴメリーのA&M3部作からのシング
ルカット!《男が女を愛するとき/イエスタディ》のカップリング、ウェザー・リポート
の2作目(日本ではライヴ盤を挟んで3作目)『アイ・シング・ザ・ボディ・エレクトリ
ック』、ドラマーのジャック・ディジョネットのユニークな編成のグループ『ニュー・デ
ィレクション』です。そう私はコレクターというわけではありませんので、別に珍しいレ
コードというわけではないのです。でもウェスのシングルは、今となってはちょっと貴重
かも知れません。レコード裏の解説(昔はシングルでも解説ついてましたよね)は、ニッ
ポン放送のDJの草分け糸井五郎さん。当時のウェスの音楽がジャズ専門の評論家だけで
はなく、こういったポップスを主に紹介してい人達からも注目されていたことが良く解り
ます。そして値段のほうも、これでしめて3千円と少し。LPはジャケットに少し汚れが
ある程度で、ほとんど新品といっても過言ではないくらい状態。きっと前の持ち主が、大
事に大事にしていたのでしょう。私の家の殆どのLPレコードよりも、断然状態が良いで
す。しかし音源そのものはCDでも入手可能なのに、つい財布のひもを緩めてしまう。ど
うしてレコードというものは、かくも魅惑的なものなのでしょうか。”ジャケ買い”とい
う言葉があるように、ジャケットの魅力というものがやはり大きいようですね。ジュリー
・ロンドンみたいな魅惑的な女性ボーカル盤は、ジャケットだけでついレジに出しそうに
なってしまいます。”これぞラテン・ダンス”というような、ペレス・プラフォード楽団
の古いアルバムも、結構な高値がついていたのですがジャケットのせいで思わず買いそう
になってしまいました。ジャケットの持つ魔力です。街中のCD屋に行くと、あまりの多
さに結局は何も買わずに帰ってしまうことも多いのというのに(本屋における文庫本も同
様です)。あんなに沢山のCDが並んでいるのを見ても”買いたい”と思うようなものは
なかなか無いのに、レコードだとどうしてこう血が騒ぐのか不思議です。そんなことを考
えながら、”次はいつこようかな”などと考えながら帰路に着きました。またお金を貯め
て行こうっと!。