●ストーンズのグルーブ

皆さん、こんにちは。少しずつですが日も長くなり、日中は暖かい日も多くなってきまし
た。春がそこまで近づいてきているようですね。

さて最近の私はといえば、ローリング・ストーンズを聴くことが多かったですね。昨年は
活動40周年ということで、ロンドン・デッカ時代のアルバムがリマスターされた素晴ら
しい音質で再発されました。同時に40周年記念の素晴らしいベスト・アルバム『フォー
ティ・リックス』が発売されたのは、まだ記憶に新しいと思います。彼らの曲というのは
比較的単純なものが多いのですが、何かやはり惹きつけてやまない魅力のようなものが確
かにあるのです。その魅力の源というのは何なのだろうと考えながら、最近良く聴いてい
たのです。
これらのストーンズの音楽を聴いて感じるのは、曲の印象を決定づけているのが意外やビ
ル・ワイマンのベースだということです。特に初期の曲には、それが顕著です。おそらく
は、あの独特の持ちかたによるレンジの広いベースラインがその要因でしょうか。オープ
ンチューニングを駆使したキースのリフ中心のギターに、チャーリーの安定したドラムが
続き、ビルのベースがグルーブするとストーンズサウンドがほぼ出来上がります。それは
ロック/ポップというよりも、まぎれもなくブルーズ、R&Bのそれです。僕は、ビルが
抜けた最近の録音を聴くと何となく物足りなさを感じるのです。それはおそらく、ビルが
抜けたストーンズの音がロック/ポップスの響きになってしまったからだと思います。6
0年代後半から70年代の彼らには悪魔的なイメージがついてまわっていましたが、その
音楽にはそのイメージのごとく昔も今も変わらない強烈な魅力があるこのは否めません。
その魅力の大きな源が、ビルのベースのグルーブだったのだと思います。ビルのベースこ
そが、あの強烈なストーンズのグルーブのエンジンだったのだと『フォーティ・リックス
』を聴いて改めて思いました。ビルのことばかり書いてしまいましたが、アルバムの最後
に収録されたキースが歌うブルージーというよりもジャジーなバラード《ルージング・マ
イ・タッチ》のような路線のストーンズも大好きです。なんという渋さ!。これはこれで
、他のアーティストには出せない深みがあります。だから、やはりストーンズを聴いてし
まうのですね。皆さんもぜひ『フォーティ・リックス』を聴いて見て下さい。

では、また。