●For You

皆さん、こんにちは。いつのまにかすっかり暖かくなりました。暖かくなると外に出て軽
いスポーツをして、その後に青空の下でクイッとビールを飲む!。まだちょっと気が早い
かな、でもここ数日は4月半ばの陽気ということで本当に暖かいのです。ついついそんな
ことを考えてしまうのにも、実は理由があるのです。これ以上は無い!という感じの爽快
なギターカッティングから始まる、山下達郎の傑作アルバム『For You』を聴いているか
らです。山下達郎のRCA/AIR時代のアルバムがリマスタリングされ、再発売された
ので、ついつい買ってしまったのです。

山下達郎の音楽との出会いは、高校の頃に遡ります。当時ジャズにはまっていた私達は、
よくバンドメンバー同士で家に集まってセッションをやっていたのですが、セッションが
一息ついた時によく聴いていたのが山下達郎の『IT'S A POPPIN TIME』や吉田美奈子の『
愛は思うまま』です。ジャズジャズした世界の後に聴くこれらのアルバムは、それはもう
気持ちのいいものでした。高校の後半では、ちょうどディスコなんかでブームになってき
た頃で、《RIDE ON TIME》や、山下達郎が曲を提供したアン・ルイスの《恋のブギウギ・
トレイン》なんかを、新宿あたりで私も聴いた記憶があります。そして大学に入った年に
出たのが、この『For You』です。《SPARKLE》のギターやベースは、みんなでよく弾いた
ものです。達郎、ユーミン、サザンあたりを、洋楽に混じって皆が聴くようになってきた
のがちょうどこの頃ですね。当時はベストヒットUSAなんかの全盛期で、TOTO、ク
ール&ザ・ギャング、エア・サプライ、クリストファー・クロス、ボズ・スキャッグスな
んかをみんな聴いていたんですよね(現長野県知事が昔書いた、小説の影響もあったりし
て)。しかしそのような中で、日本のアーティストの作るアルバムがようやく洋楽と同じ
くらいの位置をしめるようになってきたんですね。今じゃすっかり逆転してますけど。

とにかく『For You』というとこの時代がフラッシュバックしてしまうのですが、いま聴
いてみてもぜんぜん古くないですね。やはり名盤です。今回のリマスタリングにより、ギ
ターとベースがキリッとした感じがします。内容では、特にレコードのA面にあたる前半
4曲(インタールードのアカペラは除く)の流れが素晴らしいです。やはり作り手が丁寧
に作ってあるものは、色褪せることはないですね。『For You』みたいなグルーヴのある
ヘビーだけど気持ちのいいポップスを作ってみたくなってしまいました。

では、また。