●ジョージ・・・

皆さん、お元気でお過ごしですか?。残念ながら、今日の私は元気がありません。2001年
も最後だというのに、寂しいニュースが飛び込んできてしまったからです。私の大好きな
元ビートルズのギタリスト、ジョージ・ハリスンが、ついに亡くなってしまいました。数
日前に”あと1週間の命”というニュースが飛び込んできたとき、デマであるようにと祈
っていたのですが・・・。

思えばちょうど10年前の1991年12月、東京ドームで生のジョージのステージを初めて見ま
した。エリック・クラプトンと彼のバンドを従えて、次々と演奏されるジョージの代表曲
にひたすら感動していました。ステージ演出といえるようなものは殆どなく、淡々と曲を
こなしていったジョージでしたが、ポール、リンゴ、ストーンズ、ソロのクラプトンのコ
ンサートより、音楽的に数倍良いコンサートだったと思います。今でもあの日のステージ
は、僕がこれまでみたコンサートの中でベスト3に入っているのです。特に代表曲《サム
シング》でクラプトンとソロを分け合ったのですが、先発のジョージのソロの円熟した深
みはクラプトンの技巧を軽く越えていると思います。ジョージが当時の愛妻パティの為に
書いた曲を、クラプトンとともにソロを分け合い演奏しているのを生でみて、涙が出そう
になったのを思い出します。

ビートルズ時代はもちろんですが、ソロになってからの『不思議の壁』も好きですし、映
画館でみたバングラディシュのコンサートでのカッコよさも忘れられませんし、『リヴィ
ング・イン・ザ・マテリアル・ワールド』のスライド、『ダーク・ホース』でのフュージ
ョンっぽいアプローチ、クラウド・ナインでのカム・バック、ウィルベリーズのユーモア
、カール・パーキンスとの本当に楽しそうなセッション、ボブ・ディラン30周年記念コ
ンサートでの雄姿、そして再び聴けた《フリー・アズ・ア・バード》での素晴らしいスラ
イドの存在感(最後のウクレレも)など、ジョージが関係しているというだけでいろいろ
と注目してきただけに、何ともいえない寂しさがあります。本当に素晴らしかった(名曲
たっぷり!)『All Things Must Pass』のニュー・センチュリー・エディション。これが
存命中の最後の自己名義の仕事というのは、やはり寂しい。新作のレコーディングも終わ
っているという情報もあるので、今後それが発売されるかもしれませんが、それも”追悼
盤”になってしまうのはあまりにも悲しい。もっと、もっと、ジョージに注目していたか
ったし、あの素晴らしいスライド・ギターをもっと聞きたかった。

でも今はもうそれも叶いません。

Thank you, George! そして、安らかに。