●秋の夜長はリリカルなサックスの音色で・・・

いやぁー、秋になりましたねー。皆さん、お元気でお過ごしですか?。秋は食べ物が美味
しくて、美味しいもの好きにはたまりませんねー。ついつい飲みすぎ、食べ過ぎになって
しまいがちです。皆さんも、暴飲暴食には気をつけましょうね。
さて「What's New」の更新が後になってしまいましたが、「history」という新しいコン
テンツが増えました。音楽との出会いから現在までの活動を、当時の音源と共に振り返っ
てみるという壮大(?)な企画です。こうしてあらためて振り返ってみると、ずいぶんと
いろいろなフォームで音楽をやってきたんだなぁと思います。「history」にも書いてい
ますが、高校生の一時期にもの凄くジャズにハマっていたことがありまして、秋にもなっ
たことですし今回はそんなジャズ絡みのお話です。

ジャズを始めたばかりの頃に、とても良く聴いていたアルバムがあります。ポール・デズ
モンドという人の、『ポール・デズモンド・カルテット・ライブ』というアルバムです。
ポール・デズモンドという人は、アルトサックス奏者です。デイヴ・ブルーベックという
人のグループにいて、全米的な人気があった時期もあります。デイヴ・ブルーベック・カ
ルテットが演奏した《テイク・ファイブ》という曲は、おそらくジャズにあまり興味の無
い人でも耳にしたことのあるくらい有名な曲です。4分の5拍子という変則的なリズムの
曲で、ジャズ特有のブルーノートという半音下がったメロディと共に、一度聴いたら忘れ
られない類の曲でしょう。ちなみに、この曲の作者がポール・デズモンドという人なので
す。

上記のアルバムでももちろんやっていますが、《テイク・ファイブ》をお目当てにこのア
ルバムを聴くと肩透かしをくいます。”いー加減飽きちゃったから、雰囲気を変えて演奏
してみよう”というような演奏で、あまり良くありません。むしろそれ以外の曲、《黒い
オルフェ》、《マイ・ファニー・バレンタイン》、《ウェイブ》、《ヒアーズ・ザット・
レイニーデイ》など、ジャズメンが好んで取り上げるスタンダードナンバーが素晴らしく
、これらのスタンダード曲の非常にわかりやすい解釈の演奏が聴けます。ジャズ初心者の
頃は、ずいぶんとこのアルバムを聴いて自分達のレパートリーを広げたものです。アルバ
ムの1曲めは《ウェンディ》という彼のオリジナルなのですが、これがまた名曲!。この
曲は、近年になって確かパット・メセニーが取り上げていました。この1曲めから本当に
いい曲が目白押しで、ポール・デズモンドのリリカルとしか言いようの無いサックスで次
々と演奏されていくので、知らず知らずのうちにいい気分になってしまうのです。

こういうリリカルな音色でアルトを吹く人というのは、ジャズ界広しといえども他にいま
せん。またジャズ・クラブでのライブ盤なので、大きな音で聴いていると、あたかも目の
前で演奏しているような気分にもなれます。長年、”はやくCDにならないかなー”と思
っていたのですが、やっと輸入盤でCDが入手できるようになりました(ジャケットをト
リミングしたのと、不要なボーナストラックはなんとかならないのかと思います)。ジャ
ズ初心者でもすっと入っていけるし、かなりジャズを聴きこんだ人でも唸ってしまうよう
な良い演奏のアルバムですので、良かったら聴いてみてください(最近は、新星堂なんか
でも輸入CDでみかけるようになりました)。秋の夜長に、お好きな飲み物を片手にリラ
ックスして聴くジャズとしては、もってこいのアルバムだと思います。