●アルバムについて:その2『Brazilian Wind』

冬の寒さも少しづつ和らいできたようなこの頃ですが、皆さんいかがお過ごしですか?僕
の場合、春の気配が感じられるころになってくると無性に聴きたくなってくるのがボサノ
ヴァです。ということで前回のお約束どおり、今回は当サイトのAlbumリストにあるアル
バム『Brazilian Wind』という作品についてご紹介いたします。

このアルバムはボサノヴァを中心に、聴いていてリラックスできる曲をセレクトして制作
しました。アルバムの核となっている曲は、《Berimbau》、《Felicidade》、《Look To 
The Rainbow》 の3曲です。いづれもオリジナルではなく、他の人のカヴァー作品です。
《Berimbau》と《Look To The Rainbow》 のカヴァーもとになっているアルバムは、ボサ
ノヴァが好きな方ならピンとくるかもしれませんね。ボサノヴァの女王アストラッド・ジ
ルベルトの『Look To The Rainbow』 というアルバムに、両方とも収録されています。こ
のアルバムで素晴らしいアレンジを担当しているのが、ギル・エバンスです。
カヴァー元の《Berimbau》は木管と民族楽器をうまく使用した素晴らしいアレンジで、ギ
ルの真骨頂です。またタイトルにもなっている《Look To The Rainbow》 は、最小限の楽
器で最大限の効果を出すという、これまた正にギルならではのアレンジです。

『Brazilian Wind』の制作は、ギル・エバンスへの深い尊敬を込めてこの2曲の録音から
開始しました。《Berimbau》は最小限の楽器で最大限の効果を出すギルを見習って、ミュ
ートトランペットとフルートのみでハーモニーを作っています。《Look To The Rainbow》
は、間奏にウェス・モンゴメリー風なソロを入れたところがポイントです。もう一つの核
を成す曲の《Felicidade》は、どうしてもアントニオ・カルロス・ジョビンの曲を入れた
くて収録することになりました。美しいメロディと複雑なコード進行が織り成す世界はた
まりません。結局ジョビンの曲は、3曲も収録することになってしまいました。やっぱり
ボサノヴァといえば、ジョビンですもんね。

ということで上記3曲を中心に、好きな曲やオリジナルも含めて1枚のアルバムを構成し
てみました。最初の曲から最後の曲までの流れも、重視してあります。ぜひ聴いてみてく
ださいね。