血液透析治療における循環動態モニタリング機能(HASTE)の評価

1、はじめに  血液透析は、体外循環や除水により循環血漿量が短時間に大きく変化するため循環器への負担が大きい治療法であるといえる。現在広く普及しているオシロメトリック法を利用した自動血圧計による血圧測定は、非侵襲的かつ簡便である一方、あくまでも一定時間のインターバルを伴う非連続的な測定法でしかないため、急激な血圧変動が起きた場合、発見が遅れ重篤な状態に陥る可能性がある(図1)。 今回開発された、日本コーリン社製患者監視装置MoneoBP88siが有する循環モニタリング機能「HASTE」は、血液透析中における定時血圧測定間の血圧変動を推定収縮期血圧値(ESYS)として一心拍ごとにモニタリング(HASTEトレンド機能)し、ESYSがあらかじめ設定された警報点に達した場合、あるいは急激な血圧変動を検知した場合、直ちに通常のオシロメトリック法による血圧測定を行う(HASTEトリガ機能)ものである。(図2) (次回に続く)

 

 

 

石田 和寛  (kishida@kc.twmu.ac.jp)

 

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