肩鎖関節じん帯が切れた!

肩甲骨と鎖骨の間のじん帯が切れたよ、と言われたあなた。
入院中のあなた。
リハビリ中のあなた。

なかなかいい解説書はなく、お医者さんもはっきり言ってくれない。
誰もがこれから自分がどうなるのか不安なはず。
ここに私の治療やその後の経過を報告します。

治療後どうなると思いますか?

1 日常不自由になる
2 日常生活はできるが、激しい運動はできなくなる
3 元通りになり、激しい運動もできるようになる
4 サイボーグゆえの特殊な動きができるようになる

さてどうなりますやら。今のところ3ですかねー。

経過報告

A けがしてから手術まで

B 手術後退院まで

C 退院してからのリハビリ

D 通院リハビリ終了後の活動

E 写真で見る経過

F 治療早見表

G 手術の中身

経験者の方、お医者様、お話を聞かせてください。アドレスは AM-akitaka@m.email.ne.jp からAM-を取る

山と田んぼと肩鎖関節じん帯が切れたのページへwarehouse contents へ


経過報告

A けがしてから手術まで

1999年3月18日深夜 けが

自転車で転ぶ。左肩を打ってとても痛いが、自宅まで近いので自転車を放置して帰宅して寝る。

3月19日(けが後1日) 診断

寝て2時間ほどで痛くて目覚める。ただ事ではないと感じ、救急車を呼ぶ。シャツとパンツで寝ていたので、肩が痛いんだけど無理してジャージと上着を着て救急車を待つ。

相模大野の黒河内病院に運び込まれる。X線写真を撮り、左肩鎖関節脱臼(じん帯断裂)、手術が必要と診断される。診断の途中で冷や汗とともに気が遠くなる。血圧が急激に下がったらしい。血圧が戻ってから、たすきのようなサポーターをしてもらい、楽になる。

おおごとであることを再認識し、医療材料に詳しい友人に電話してみた。肩の手術の権威が鶴見の片山整形外科記念病院にいるというので、そっちに行くことにした。タクシーで黒河内病院から自宅に帰り、片山外科に電話した。権威の山本院長の診察は終わったところで、次は24日になるという。ともかく病院に行き、村井先生に診てもらう。診断は同様。手術するしかなく、日常生活や通常の運動ができるようになるが、治り具合は患者による、と一応安心ではあるが登山が大好きな私としては不安な言葉だった。翌日国見先生に会って手術を予約することにした。

3月20日(けが後2日) 手術決定

片山外科に行き、国見先生の診察を受けて30日入院、31日手術を決めた。怪我してから13日後の手術であるが、切れてしまったじん帯を使うわけではなく、いそがないとのこと。だいじょうぶ、運動できるようになりますよ、クライミングをやっているxxさんも1年以内に復帰しました、と安心させてくれた。

3月24日(けが後6日) 院長診察

みたび片山外科に行き、やっと山本院長に診てもらった。でも特になにも言われなかった。

3月21日−29日 入院準備

保険の確認。
ノートPCは買っていたが、それに差しこめる携帯電話を購入して病院での通信に備えた。
サポーターをしていればあまり痛くないので、おとなしくは生活できる。炎症もないので、友達のところにでかけて酒を飲んだりしていた。実はけがとは関係なく3月末で会社をやめるので、片づけや歓送会にも行った。
けがした日の日中にひっこしを決めていたが、断った。
半年ほど前から耳がおかしかったので医者に行った。みみくそがつまっていただけだった(^^; ともあれ入院前にすっきりしてよかった。

3月30日(けが後12日)入院

入院。暗い個室しかあいてない。明日は入れないということで入浴。はじめての手術を明日に控え、ちょっと神妙。鎮痛・消炎剤と胃薬を飲み始める。

3月31日(けが後13日)手術

手術の日。会社をやめる日でもある。一から出直しというわけだ。
手術中に麻酔でお尻がゆるんでxxxしちゃうといけないので、腸内は空にしたい。でも排便できずに座薬を入れるが、すっきりは出ない。朝ご飯の代わりに栄養の点滴を受ける。針を刺されたとたんまな板の上の鯉となる。手術は午後から始まって3人目なのだが、予定より待たされて17時すぎに手術室へ。
テレビでしか見たことのないライトのかたまりの下で麻酔注射を打たれ、1分ほどですぅっと気持ちよく意識を失う。気がつくと病室に戻っていた。19時半に痛み止めの注射を打ってもらったので、手術は1時間半ほどか。うつらうつらしつつ朝を迎える。

B 手術後退院まで

4月1日(手術後1日)点滴

左の肩にしこりのような痛み。肩と腕をきつく固定してあったが、包帯で巻きなおして少し楽になる。早速レントゲンを撮る。肩にピンが2本刺さっている。鎖骨と肩甲骨を串刺しにしてむやみに動かないようにしているのだ。止血+抗生剤と栄養の点滴2回(各2時間)。薬は鎮痛・消炎と胃薬を以後約2ヶ月飲みつづける。
朝の小便をベッド上でしたが、結構やりにくい。元気なのであとは点滴をごろごろひきずりながら歩いてトイレに行く。

4月2日(手術後2日)引越し

3週間安静と言われる。消毒のときに手術跡をおそるおそる見ると、ホチキスが十数本刺さっているではないか!糸で縫うより跡が残らないそうだ。点滴は4月4日まで続くが、今日からは止血剤はなくなり、抗生剤と栄養。
2人部屋に引越し。安くて明るくてきれいなので、以後ここに住みつく。

4月3日(手術後3日)

点滴のあいまも針を腕に刺したままだったが、ロボットみたいで我ながらぶきみだし、流れも悪くなるので、夜の点滴の後で針を抜いてもらう。

4月4日(手術後4日)点滴終了

ベッドの上で誕生日。40歳。むー、なんだかなー。40にして惑わずどころか、出直し。
朝散歩した。花見で人出が多く、ぶつかるといけないので朝なのである。今思えば、まだ自重すべきだった。ころびでもしたらアウトだったか。点滴はこの日で終わり。
手術の詳細について太田先生に聞く。少し分かったけどすっきりしない。

4月5日(手術後5日)抗生剤服用

点滴をやめた代わりに、抗生剤を服用。15日ごろまで。
消毒後ガーゼを当てるのだが、固定用のテープで皮がひきつる。と訴えたら、皮膚に直接のりをスプレーしてガーゼをはりつけた。ううむ。
国見先生に手術について聞く。だいぶはっきりした。
県知事と県議の不在者投票。

4月7日(手術後7日)洗髪

手術後初めての洗髪。流しのベッドに寝て看護婦さんに洗ってもらう。下半身の運動はOK。肩を上下する運動をするよう言われる。
レントゲン撮影。1週間ごと。順調のようだ。このころから元気になる。

4月9日(手術後9日)下半身シャワー

おふろで下半身だけシャワー。

4月12日(手術後12日)抜糸

例のホチキスを抜いた。ピンセットで針の中心をつまむと針が曲がって抜けるのだ。麻酔なしで痛みなく抜糸終了。

4月14日(手術後14日)風呂

これから水・金・土と入浴する。看護婦さんに背中を流してもらう。
ホチキスを抜いてから肩・腕のつらさが減ったと思う。さすがに体も異物に緊張していたのだろう。

4月15日(手術後15日)三角巾

朝、床から起きあがるとずんと肩が重いのは相変わらず。
包帯ぐるぐるまき固定はやめ、三角巾で腕をつるだけになった。就寝時は腕が変に動かないようバンド(腹巻)で固定。以後退院までこの状態。

4月16日(手術後16日)鎮痛クリーム

胸や肩を動かすと痛い。腕の付け根(肩の端)がしびれるようなのは、手術で神経を切ったせいらしい。これは治る(慣れる?)のに4ヶ月ぐらいかかった。鎮痛クリームをもらった。

4月22日(手術後22日)理学療法開始

院長回診。理学療法を今日から始め、1週間したら退院してもよいと言われる。理学療法とはおれの場合、療法士に腕を動かしてもらう(他動運動)こと。痛い。これは一人では痛すぎてできない。ずっと固定していたので関節の周り(っていいかげんな言い方だけど)が固まっているのだ。手術で関節の組織を傷つけたり位置がずれたりしてるのを体が修復・調整するという意味もあるのだろう。

4月28日、5月2,3日外泊

このころは理学療法が主で、安静の意味は少なくなってきた。GWは理学療法も休みの日が多く、外泊させてもらった。

5月6日(手術後36日)退院申し出

院長回診。2日後の退院を申し出て認められる。毎日の他動運動は重要だが、それ以外は退屈なので、退院してから週2,3回通院して他動運動をやってもらうことにした。このあたりは患者によってまちまちで、さっさと帰りたいという人もいれば、どうせ仕事できないんだからずっと保険をもらいながら入院するという人もいる。

5月8日(手術後38日)退院

友人に迎えに来てもらい、荷物とともに引き上げた。
他の友人も呼び、畑を耕してもらってから早速退院祝い宴会へ突入したのだった。

C 退院してからのリハビリ

ちょっと待ってね

D 通院リハビリ終了後の活動
7月沢登りとカヌー、8月氷河と岩のロブソン、9月ダイビング、12月冬山、1月アイスクライミング。
たんぼもやってるよ。

E 写真で見る経過

体側から腕を上げる
side41days手術後41日(退院して通院による他動リハビリ)
side53days手術後53日(山菜取りにて)
side62days手術後62日(骨を止めるピンを抜いた後)
side77days手術後77日(自動運動リハビリ中)
前方に腕を上げる
front41days41日
front53days53日
front62days62日
front77days77日 正常な角度の9割ぐらい
傷のようす
scar17days17日(抜糸後5日)くっきり
scar38days38日 うすくなっている
scar53days53日 もう急激には消えないようだ
scarjun3ピンを抜いた後に縫ったもの

F 治療早見表

G 手術の中身

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