Mar.4-5, 2000 乙妻山
L田中玲子 稲垣晴夫 谷内佳子 三井
雪洞に泊まり、なだれを心配しながらアタック。粉雪、重雪、モナカといろいろ楽しませてくれた。ブナとダケカンバの巨木が素敵な深い森だ。
3/4 大橋810=佐渡山南コル南南西尾根下の沢905=佐渡山南コル950=乙妻東面1600m付近1155 (雪洞1210−1410)
3/5 雪洞620=2100m付近850−乙妻山950−〜雪洞1105/1125〜=コル1300〜大橋1415
(記号: =シール歩行 −つぼ足 〜スキー滑降)
3日海老名集合。土曜は天気が悪いらしい。黒姫駅をのぞいたあと、信濃町ICを出たところの道の駅に戻って仮眠。十分静かだ。
4日うすぐもり。とにかく登るつもりで歩き出す。数日降ってないようだ。歩きやすい。コルでときおり小雪が舞う。やはり下り坂なので、登頂はほぼあきらめていいポジションに雪洞を掘って今日は終わりだろう。下はカラマツだったが、尾根に取り付くとブナになる。やはりいい森だ。コルから西に下り、自然と左岸に移る。とちゅうストックの先が落ちているので声をかけたら、稲垣さんが「あっ、ない」。言われないと気づかないとはさすが稲垣さん。
高妻山からの沢を越すと左岸のやや上に林道らしきものがでてくるので、これが歩きやすい。ブナの巨木にダケカンバも負けずに巨木を連ねる。ここは伐採しないでくれー。どこか低地の山で杉の手入れするからさー。カモシカらしき姿が走る。雪崩の巣をサルが登るのを見ながらトラバースすると乙妻の雪面の末端だ。雪洞適地を探しながら登り、しびれを切らして沢状のくぼみの側面に掘った。4人なので2つ穴とし、2時間で掘れたのでまずまず優秀。しかし湿雪と汗で濡れてしまい、服が乾かない。酒で体の中からあっためるまでみんな震えていた(おれはそうでもなかったが)。雪洞は寒くて乾かなくていやだとみんなは言うが、おれは広くて明るくていい。夕方から雨となる。
5日はれ。登るのみ。だんだん急になり、ダケカンバのかっこいい巨木が3本ぐらいあるあたりまではきもちよかった。その上のやや平坦な2000m付近で休んでいると、ガスってきた。深さ5cmほどの浅いけれどきれいな扇状表層雪崩のあともある。玲子さんが弱層テストをし、上30cmぐらいがもろく崩れる。ここまで来たら登りたいが、雪も天気もあまりよくない。ともかく左手の樹林帯に向かってまっすぐ斜登高し、そこから尾根状を登るのだが、すでにときどき雪面にひびが入るようになり、天気は悪化している。頂上は見えない。ここで迷った。玲子さんは下山しようとするが、稲垣さんがつぼ足で登ると言い張る。結局稲垣さんをおれが追いかけ、女性2人はすぐ下の樹林帯で待つことにした。思ったより登りやすく、いつ引き返そうかと考えながら歩いているうちに1時間で山頂に着いた。まるくていい山頂だ。下りは尻セードを交えてすぐだ。スキーをはいて下り始めるときに5人ぐらいの別パーティが来た。すぐに3人ほどのパーティが続いて来た。
上部は急で雪崩が心配なので、ころんでも必死に立ちあがってすぐ滑り出した。3本ダケカンバのあたりはパウダーで気持ちよく跳ね滑った。その下は重くなり、曲がらない。ひーひーいいながらも傾斜がゆるくなり、天気がよくなって暑くなるころ雪洞についた。デポを取りだして帰途に付く。
雪崩の巣はナダレと言うよりスノーボールが無数に落ちていた。ここからシール。このあたりは暑かったのに、登りにかかるころからガスって寒くなった。コルでシールをはずして下るが、モナカで狭い尾根を滑れない。斜滑降+キックターンの連続。下のほうはやや雪が固くなったか、横滑りができるようになった。といっても、谷足に荷重すると踏み抜いてしまうので、山足メインの微妙なバランスが要求される。つらい中にも、バランスをうまく取ると切りぬけられるのは面白い。いろんな状況に対応するのが山スキーの醍醐味。
沢を渡るとあとはトレースがあるのでボブスレー的に一気に車まで行ってしまう。ふとももパンパン。スノーモービルのトレースがあった。やだなあ。
黒姫スキー場の「あすなろ」旅館で風呂に入り(¥500)帰った。ICに近くてよろしい。
深い森と苦労のスキーで充実。
技術度****、体力度***、雰囲気***** (*最低−*****最高)