世界遺産「知床」を訪ねて 1日目


 知床へは以前訪れているが、世界遺産に登録される前であったので、それほど気合は入っていなかった。そこで今回は知床に宿を取って、じっくり夏の知床を堪能する事にした。ちなみに世界遺産に登録されたのは2005年7月17日の事である。

9月8日

 羽田11時30分の飛行機に乗り、中標津空港に到着したのは13時を回っていた。空港の周りは何もなく、自然に囲まれた北海道らしい空港である。レンタカーを借り最初に向かったのは「標津サーモンパーク」である。鮭などの生態が展示されているこの施設は、標津川に隣接されているので、鮭の産卵時期には大量に川を上ってくる様を見ることが出来るという。今回丁度いい時期かなと思って期待していたが、「ボチボチは上がって来ているがこれからだね」と係りの人が言っていた。展望台に登ると見渡す限り山々などの自然に囲まれていて、海の向こうには国後島が見える。展望台を下り隣接されている食堂でイクラ丼を注文する。ご飯が隠れるほどイクラが載っている。口の中でプチプチと弾ける。程よい弾力で味も濃厚である。自分が今まで食べたイクラの中では1番である。標津サーモンパーク
標津サーモンパーク
今までで1番のイクラ、うまぁー
イクラ丼
 知床半島の根元を横断する自然に囲まれた直線道路は、いかにも北海道の道路という感じで、気持ちよくクルージングする事が出来た。オシンコシンの滝は国道沿いにありアプローチに優れている。観光バスが何台か停まっていて観光客で賑わっていたが、バスの発車に時間になると、サーっと潮の引くように観光客がいなくなり、見学をしているのは自分達だけになりさびしく感じられた。直接海に注ぎ込んでいる滝は屋久島のトローキの滝とここだけだと何かで読んだ事がある。どこまでも真っ直ぐな道路
標津−斜里間の国道244号線
オシンコシンの滝
オシンコシンの滝
 知床自然センターに車を置きそこからフレペの滝へ向かう。駐車場やセンターの周りにはコロコロとした鹿のフンが多数転がっているが鹿の姿は見ることが出来ない。フレペの滝へ行くにはここから10分程度歩かねばならない。センターのひと曰く、今日の熊の目撃情報はないけど、出会う可能性は誰にもわかりませんとの事。用意してきた100均で買った鈴を腕につけ、緊張しながら茂みの中を突き進む。目の前に何かが立ちはだかっている。一瞬身をこわばらせながら凝視すると、鹿もこちらの様子を伺っている。茂みにももう一匹いるようだ。そろそろと歩道を進むと鹿は茂みに戻っていった。 知床自然センター
知床自然センター
こちらの様子を伺う鹿たん
突如目の前に現れた鹿
しばらく足を進めると繁みから抜け、その先の突き当たりに小さな展望台が見える。途中2・3組の人達とすれ違いつつ無事目的地に到着したことにホッとした。

 フレペの滝はハラハラと流れ落ちる様から別名乙女の涙と呼ばれている。身を乗り出すと海に突き出た断崖から静かに流れ落ちる滝を確認できた。この滝は知床五湖から流れているとのこと。
フレペの滝
フレペの滝(乙女の涙)
乙女の涙のアップ
フレペの滝アップ 
 その上にはウトロ崎灯台がそびえる。展望台の周りには多数の鹿が草をついばんでいる。近くに寄っても逃げもしない。人に馴れているのだろうか。もう少しここでの時間を堪能したかったが、そろそろ日が暮れてきそうなので引き返す。熊も怖いし。センターに到着すると出発する時には姿を見せなかった鹿が数匹たむろして餌である草をついばんでいた。 餌をついばむ鹿たち
放牧状態の鹿たち
ウトロ崎灯台
ウトロ崎灯台
 今宵の宿泊地であるウトロまで戻り、「夕陽台の湯」でひとっ風呂入った後に、ここの裏手にある夕陽台に向かった。その名の通り夕日が有名な場所である。夕日が目当ての人達が、あまり広くない場所に何重にも折り重なっていた。ぎりぎり日が沈む時間に間に合ったようだ。雲が多かったがオホーツクの海に沈む夕日を見ることが出来た。太陽が海に落ちることを確認した後に、近くの「知床花ホテル」にチェックインした。オホーツクにしずむ夕陽台からの夕日
夕陽台からの夕日
知床花ホテル
知床花ホテル



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