車を小田原駅周辺の駐車場に停め、小田原駅から小田急線に乗り、箱根湯本駅で箱根登山鉄道に乗り換え終点の強羅に向かう。沿線沿いにはちらほらあじさいがみえる。しかし咲きがまばらで満開状態とはいえない。車内はほとんど満席状態で席には座れなかったが、初めての登山鉄道にワクワクしながら、強羅まではあっという間であった。途中のスイッチバックの事は、小学生の頃から話には聞いていたが、実際に体験してみるとこの歳になっても感動がふつふつと胸にこみ上げてくる。 | ||
最初の目的地である「田むら銀かつ亭」の開店時間の11時まではまだ1時間弱ある。場所は強羅駅から徒歩3分程度のところにある、何度もマスコミに取り上げられている人気店である。とりあえず店の前まで行くと数人が待っている。順番待ちの紙に名前を書いて、強羅駅すぐ横の「銀豆腐」へ向かい「しゃくり豆腐」を食する。付いてきたプラスチックのスプーンで掬うと、まさに杏仁豆腐のような滑らかさ。口に運ぶと舌触りが滑らか。そのまま口の中で転がすと豆の香りが口の中一杯に広がる。タレを付けないほうが豆腐の味を堪能できるかもしれない。この店は田むら銀かつ亭に豆腐を卸しているそうだ。 | ||
再び田むら銀かつ亭に戻り店の前で開店時間までひたすら待ち続ける。11時になると店員が店の中から出てきて名前を呼ぶ。一巡目で呼ばれなければかなり待つことになる。ドキドキしながら待っていると一巡目で呼ばれたのでホッと胸をなでおろす。店内は木材を多用した造りで天井が高く開放的である。看板商品の豆腐かつ煮定食を注文してしばし待つ。見た目は卵とじかつ煮そのもの。箸で割ってみると、ひき肉を豆腐でサンドしてある。ふんわりとした歯ごたえでまろやかな口当たり。豆腐が大部分なのでボリュームはあまりないので、ネットでの評価を見ると好き嫌いが分かれるようである。これはこれで個人的にはありだと思う。 | ||
芦ノ湖に向かうべく強羅のケーブルカー乗り場はすでに人があふれかえっていた。1回では乗れないかと思ったが、なんとかぎゅうぎゅう詰めで乗り込んだ。早雲山からはロープウエイに乗る。芦ノ湖のある桃源台駅までは、強羅で一旦降りて乗り継ぎをしなくてはならない。桃源台から海賊船に乗り箱根町港で降りる。海賊船には海賊の人形が置かれていて、雰囲気を醸し出すのに一役買っている。降り場からしばらく歩いたところにある箱根関所跡を見学する。関所跡も訪れるのは初めてだ。展示は当時のものを再現しており雰囲気が伝わってくる。隣接する資料館では当時を伝える様々な資料により、さらに見識を深める事ができるので、時間があれば資料館にも足を運ぶ事をお勧めしたい。 | ||
あじさい電車の時間が決まっているので、戻る時間には気を使わないといけない。桃源台に戻らないといけないのだが、折角なので今来た道を引き返さないで、海賊船を降りた乗り場とは違う、元箱根港から乗る事べく歩く事にする。途中の杉並木が情緒溢れる。深呼吸をすると自然の息吹を身体に取り込むようで元気が出てくる。戻りの海賊船の中では、海賊のコスチュームをした人と一緒に記念写真をとるともできたようだが、有料なのでスルーする事にした。桃源台からはロープウエイで大涌谷に向かう。鼻にツンと来る硫化水素臭がなぜか懐かしい。1個食べると7年寿命が延びるという名物の黒卵を食べる。周りの環境もあると思うが、いつも食べているゆで卵より格別な味である。ただ注文点がひとつ。ひと袋5個入りなのである。見落としていなければバラで売っている店は無いと思う。5人で食べれば問題ないが少人数では少々つらい。この歳になると中性脂肪が気になる。お土産にするにも傷みが気になる。是非ばら売りも検討して欲しいところである。 | ||
再び強羅まで戻ると、駅裏手にある「吉浜」でひとっ風呂浴びる。サッパリしたあとは彫刻の森方面へ少し歩いたところにある「餃子センター」にて夕食を摂る。この餃子センターはかなり有名で、未だかつて待ち時間無しで入った事はない。しかしこの日は待ち時間なしで入ることが出来た。色々な種類の餃子があるので、ついつい調子乗って多く注文をしてしまい腹がパンパンである。 | ||
みたび強羅に戻ってくる頃には周りは暗くなりいい時間になってきた。「箱根あじさい電車」というエンブレムが掲げられた特別列車に乗り込む。ちなみに夜のあじさい電車は1日2往復していて乗車券とは別料金となる。もちろんあじさい電車以外の通常運行列車でも、ライトアップされたあじさいを見ることが出来るが、別料金の特別列車にしか無い魅力満載の特典が付いてくる。7箇所あるライトアップポイントで徐行してくれる。それと宮ノ下駅で10分間の撮影タイムが付いてくる。 切符売り場で予約番号を告げて切符を購入する。紙製の写真アルバムもついてきた。19時37分発の列車の乗り込むとしばらくして発車する。ライトアップ地点では車内の電気を落として見やすくしてくれる。いよいよ宮ノ下駅にてお待ちかねの撮影タイム。ぞろぞろと列車から人が出てきて、あっという間にホームに人が溢れかえる。帽子を借りて電車の前で記念写真を撮ることも出来る。ホームの周りには、色々な色のライトで彩られたあじさいをカメラに収める。いい思い出が出来た。次の機会には泊まりで参加したいと思う。 |