朝日新聞 1948/07/16 (金)


新聞の事前検閲廃止

【AP特約ラッセル・ブラインズ記】総司令部は15日日本の大新聞16社、大通信社3社に対する事前検閲を廃止した、しかし総司令部では事後検閲制度によりこれらの新聞通信社の使用する記事の内容には引続き注視を怠らず、もしプレスコード違反のあった場合は警告を発すべく従って発行停止と言うこともありうることである、その他の小新聞、通信社三十五社に対しては従来通り事前検閲が行なわれるが、民間情報局長ブラットン大佐によればこれらに対してもまた十日以内に事後検閲が適用されるはずで、この中には共産党機関紙「アカハタ」も含まれている、以上のほかに東京や他の府県には約五千のニュースを取扱う刊行物があるが、これらに対してはすでに数ヶ月前から事後検閲制度が行なわれており,日本放送協会もその一つである、ブラットン大佐はAP記者に対し

行政的な手続の完了次第すべての刊行物はみな事後検閲となるはずで、これは完全な報道の自由を保障するというマックアーサー元帥の線に沿うものである
と語った
総司令部のプレス・コードは現在なお効力を有しており、それは新聞記事の正確さを強く要求している。
在日ソ連代表部首席代理キスレンコ少将が最近数週間内に二度も「日本のある刊行物がソ連を攻撃した」旨指摘したことがある、検閲制度は占領早々に規定されたものであるが、連合国特派員によって書かれたものでも、、それが日本の新聞に発表される予定の記事には全部この検閲制度が適用される 海外へ送られる電報記事に対しては直接の検閲はおこなわれていない