朝日新聞 1948/04/08 (木)

 

”米著作品検閲せず”

  マ元帥 ハ氏に回答


総司令部発表=マックアーサー元帥はジョン・ハーシイ、エドガー・スノー両氏のある著書が日本の進駐軍当局の検閲手続きによって禁止されたとの米国著作家連盟会長オスカー・ハンマースタイン氏からの抗議を直ちに否認した、マックアーサー元帥のハンマースタイ氏あて無電回答文要旨は次の通り

これは何ら根拠のないことである、この報道は日本に専断的な不徳な検閲制度があるという全く虚偽の印象を輿えることを目的としたある虚構の宣伝から出たものと思われる、しかるに、アメリカの著作品は占領政策を批判したものといえどもなんらの検閲統制を受けるものではない
【ワシントン特電七日発=AP特約】陸軍省民事部当局は両著者は東京の進駐軍当局の正式の手続きをふまず、このため禁止されたものであると語っている、著作家連盟はハーシイ氏の「廣島」とスノー氏の「中国の赤い星」をふくんだ四著書が日本で全面的禁止処分をうけたとしてマックアーサー元帥を非難した