朝日新聞 1945/11/09 (金)

 


言論暢達阻害せず   (暢達=ちょうたつ=伸びやかな発展

マ司令部 新聞検閲方針を表明

 

最近米側通信社乃至新聞社から日本の報道機関へ送られる記事のうち検閲当局によって差止められることがあり非難があるのでマ司令部代弁者は七日左の如く説明したが、これによって東京連合国軍事使節団の要求または抗議によって記事が差止めとなる場合があることが明らかにされた
日本に新聞に対する検閲規定は、元来占領軍に反感を起させるような記事をなくするだけの目的をもったものであって、言論暢達や日本の民主主義促進に役立つ記事を制限するような意図はない、場合によっては検閲官が提出された記事を問題としたこともあるが、それは日本語に翻訳された英文記事が正確でないからである、その種の記事は訂正のために返却したのであって差止めたのではない、連合国を批判する記事は検閲を受けることになっており、東京にある連合国軍事使節団の要求または抗議があれば差止める従来差止められた記事の一部はこの種のものである
記事の中で意味がどちらにでも取れるような微妙な箇所がある場合ほんの少し訂正すれば検閲通過となる記事は検閲官が慎重なあまり削除することがある、しかしかかる記事の訂正に派あらゆる努力を払ってこれを援助している