朝日新聞 1945/09/26 (水)

報道の自由」確立

最高司令官方針を明示

政府統制から解放

連合国最高司令官は二十四日附の命令において日本国内に新聞自由主義を確立するための途上に於る障碍を除去した、最高司令官は日本政府に対し、各新聞社ならびに新聞通信社に対する直接乃至間接の統制を差控えるよう命令した、右命令は「新聞界の政府からの分離」と題し、日本国民に対し真実かつ統制を受けないニュースを保障しようとする最高司令官の明示的意図に基いている、右指令の要点は次の通り 一、日本国内における自由主義傾向をさらに助長し、かつ世界におけるニュース現に自由に近づき得る状態を確立するために、日本政府は直にニュースの頒布について政府が設けた障碍を撤去し、新聞社ならびに通信社に対する直接または間接の統制を差控える措置を講ずることを要する 二、日本国内に現存する如何なる通信社乃至今後設置さるべき通信社に対しては全然特恵的待遇を与えないことが必要であり、各国の外電通信は新聞界の希望するところに基き、日本新聞界に提供されることを認めねばならない 三、政府の統制下における通信上の一切の便宜はすべて日本国内ならびに国際通信社が均等に享受できることとし、かくして日本本土内におけるニュースの頒布が統制を受けている単一機関の特権とならないようにする 四、政府は逓信院以外何れの機関たるとを問わず、外国ニュースに関する無線電信を受信することを禁止するとの禁止令を取消すことを要する、連合各国が公共事業として実施しているラジオニュースの放送受信は何れの機関にもこれを許可すること、但し公認された通信社が発信するニュースの版権を尊重することを要する 五、日本国内における現在のニュース頒布組織を現在の独占事業に代る満足と認められる民間機関が出来るまで厳重な検閲制度の下に存続を許される、今回の指令に基き久しきにわたり宣伝の配布と外国特報の蒐集とに当っていた政府の助成機関たる同盟通信社はその特権を剥奪され、如何なる通信社たるとを問わず、日本新聞界に出現する通信社の競争を受けることとなった