朝日新聞 1945/09/08 (土)

 

新聞、ラジオは検閲

武装解除は来月十日

 
【チューリッヒ特電六日発】U・P電は米軍の東京進駐に関し左の如く伝えている
東京地区の軍隊移動に関する指揮権は米第八軍司令官アイケル・バーガー中将の手に掌握され、東京進駐米第八軍の主力はチェース将軍麾下(きか:指揮下)の騎兵第一師団で、第五,第七連隊のほかに大偵察部隊と騎兵二連隊が進駐の命を受けている、後者は目下東京西方の補助飛行場四カ所を占領しており、それら飛行場は過去三日間にわたり厚木飛行場の負担を軽減するため使用されていたもので、この飛行場占領軍は八日までに別の米軍歩兵師団によっておき替えられるよていである、進駐に当たり日本側は米軍の統制の下にその任務を完遂する限り乗合自動車、ガス、電気及び水道業務の継続を許され、東京その他の放送局は聯合軍の監視の下に放送を許可される、しかし新聞、ラジオは検閲を受けることになる模様で、このため特殊の訓練を受けた米軍の検閲班がすでに横浜に到着している
連合軍側は闇取引や投機を阻止するため米兵に対する給与は円で行う筈であり、マックアーサー元帥は五日さらに日本政府に明確な命令を発し、同司令部が出来るだけ早く日本軍の武装解除を終らんとしている点と日本陸海軍の全施設及び全武装品が無疵のまま引渡さるべき保障を得んとしていることを明らかにしたが、右によると完全武装解除の期日は十月十日と指定されている


日本の学校も統制

【リスボン六日発同盟】ロイター放送によればロバート・リューペン特派員は六日東京より占領軍の日本学校および新聞統制に関し左の如く報道している
マックアーサー元帥代弁者の語るところによれば、米占領軍当局は日本諸学校の統制権を接収する筈であるという、また日本の諸新聞は近く米陸軍によって検閲を受けることになろうと述べた、右代弁者は「新聞の自由とは宣伝する権利を意味するものではない」と語った