朝日新聞 1945/08/21(火)


信書の検閲停止

流言蜚語防止に自戒


戦争終結後の国民生活明朗化の畏き思召を拝した逓信院では
陛下の思召に副い奉るべく大東亜戦争勃発の二箇月間前、即ち昭和一六年十月三日以来実施してきた緊急勅令臨時郵便取締令による信書の検閲を即時停止することとなり、二十日朝全国に指令した、右に関連して逓信当局は二十日次の如き当局談を発表した
天皇陛下の有難き思召によって信書の検閲は二十日全国に指令を出し、即時停止することとなったので一般国民生活もこれによって一段と明朗化すると思う、然し検閲が停止されたからとて流言蜚語をとばすことは国内を混乱させ社会秩序を棄すことになるから、各自は特に現下の時局を冷静に認識して自戒し、国家機密を洩らしたり流言蜚語をとばしたりせぬよう特に注意していただきたい