| バンコクロマンチック旅日記 vol.2 |
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○2日め さて、爽やかな朝の目覚めで起き上がったバンコク二日め。 隣を見ると、あどけない寝顔の下条さん。ふっふっふ、このままいっそ押し倒して…いや、すでにベットに寝ているから押さえつけて…とか邪な事を考えつつ、初手からそれは何だろうと、シャワーを浴びるべくシャワールームへこそこそと行く。 ここのホテルはシャワーはバスタブの上に固定であり、ついでにトイレと一緒である。シャワーブースがないのが面倒だが、値段の安さと交通の利便を考えたら文句を言ってはいけない。そーっとドアを開けると、真っ先に目に入ったのは缶ビールであった。おや?こにゃいなの昨日寝る前はなかったぞ?と不思議に思いつつ手に取ると空き缶である。おかしい…何故ビールの空き缶がここにあるのだ…もしかして………。 そのままシャワーを浴びずに下条さんをたたき起すバカ猫。 「ふぁい?なんでしょうか?」 「下条さん、なしてバスルームにビールの空き缶があるのでしかっ!」 「ああ、昨夜暑くて目が覚めてしまったので飲んだのです」 「…どこで飲んだのですか?」 「しゃあさんが寝ていたので起しては申し訳ないとバスルームで本を読みながら飲んだのですが、それが何か?」 「何かじゃないですっ!今夜からそないな事しないで堂々と部屋で呑んでください」 「はぁ、わかりました」 下条さん、なんでわしにそこまで気を使うのですか?バスルームでトイレに腰かけながら本を読みつつ缶ビールを飲む姿を想像して目頭が熱くなったですよ、わたしゃ。お願いだから電気つけてベッドの上で飲んでくださいって〜〜どこまでも奥ゆかしい下条さんである。なお、この旅行中何度もお願いしたにも係らず、毎朝バスルームに空き缶があったであった。最後の方は慣れっこになってしまったけどさ。 気を取り直してシャワーを浴び、寝ぼけ眼の下条さんを引きずって朝食に行く。前に泊った時はえらいまずい朝食バイキングだったのだが、下条さん情報によると非常に美味しいという噂らしい。うーん、何故だ?と考えていてはっと気がついたのが、このホテルがディシュットグループの一員となったことに思い当たった。夏にプーケットでディシュットラグーナというホテルに泊ったのだが、そこの朝食が激美味だったのだ。ディシュット系列のホテルはどこもかしこも食事がうまいらしい。ということは、このホテルの朝食もランクアップしているに違いない。バカ猫の大好物のアレがあるような気がする…ということでたらったらったらーんとツーステップしながら向かう。席につくやいなや、バイキングに走り、目的のブツを探した。そして見つけたのだ!わしの大好物のタイのお粥ー♪しかもだ、三種類あるのだーきゃっほー♪残念ながら油条はなかったのであるが、香菜もナンプラーも唐辛子も千切りショウガもしっかりある。そして初日の今日はチキンボールのお粥だ。うひょひょーと鍋から盛りつけて、にこにこしながら戻った。他にも日替わりの料理が多く、種類も味も以前と比較にならない。バカ猫、狂喜乱舞である。つい我を忘れて食べていたら、下条さんに言われた。 「しゃあさん、昨日の時計に続いてものすごく嬉しそうな顔で食べますねぇ」 うっく、と思わず喉に詰まらせそうになったのを必死で誤魔化すバカ猫。 すでに下条さんの日記に書かれているが、旅行の準備は勝負パンツの事ばかり考えていて海外必需品である腕時計を忘れたのだ。で、困っていたら免税品店のところにこんなはり紙があった。 『只今、KENT2カートンお買い上げの方に特製腕時計をプレゼント』 それを見て、売り場の人に聞きに行ったのである。そしたらすんなり貰えたのだ。それがあんまりにも嬉しかったので、いつもクールにしていることをすっぱり忘れて、にっこーっと笑って下条さんにうきゃうきゃと時計貰ったのーん☆と人様に見せない姿を見せてしまったのだ。はたと正気に戻った時には下条さんが笑いを堪えていたのである。く、クールなわしとしたことが、一生の不覚である。ってか、いつもクールって誰だそりゃ。 不覚を取った割りには今日もお粥できゃうきゃうとしてしまったのだからどーしよーもない。しゃーないやんけ、美味しいとか嬉しいと子供になっちゃうんだからっと心の中で言い訳をしつつ、笑顔を押えるバカ猫。無理して大人ぶりたい年頃なんです<いくつだお前 そんな朝食後、部屋に戻って下条さんがシャワーを浴びている間に、ふかかかかーと寝てしまった。はっ!と目覚めたら、優雅にビールを飲みつつ本を読を読んでいた下条さんが顔をあげ、 「あ、起きました?」 「すっ、すいませんっ!うっかり寝てしまって(もごごごごっ)」 「いいですよ。さて、どこへ出かけましょうか(笑顔)」 「あうあう。ではマーブンクローセンターでも行きましょうか?(焦りまくり)」 この様な光景は4日目の朝まで繰り返された。だーってご飯食べたら眠くなるんだもんっ。どーせわたしゃ牛猫ですよ、寝る子だから育つんですよ、横に。けっ!とか訳のわからんツッコミを自分自身にしていたのは内緒である。旅行が終わったから書けるけどさっ。とにかく着替えて慌てて出かける準備をする。もっとも行き先がホテルの隣にあるでかいアメ横の戦艦ビル×3個くらいのところだったので、大して荷物もいらにゃい。 どーせ帰ってくる時には荷物が増えている訳だし。って実際そうなりました、はい。 下条さんの日記にはわしがえらい値切りまくって怖かった〜と書かれておりますが、確かに海外でのバカ猫は近江商人のように値切りまくります。んでもね、それはちゃんと筋が通った値切り方をしているのだ。日本人の悪いクセだと思うのだが、海外にでかけるとお金をばらまくような買い方をしているのをよく見かける。「サンマイ、センエン、センエン!」とか言いながら売りに来る子供たちに、断るのが面倒だからいいわという感じで払う日本人を見ているとむぅとするのだ。日本人=金持ち=だからたかっていい、という図式を作り出しているだけではないか。アジアで値段が交渉できるのは、値札の金額があくまでも目安であって、モノを見てこれは値段的に合わない、だからこの価格にしてくれないか、という駆け引きである。日本円で計算すると安いからいいっか、じゃない。その国の価格としてみてどうか、という風にモノを買う時には見なくてはいけないと思うのだ。相手だって自分が損する価格では決してOKとは言わない。その上で、適正だと思う価格で交渉をする。これは相手には失礼ではなかろう。なんでも値引き交渉をするのではなく、その商品によって変えるのだ。とはいえ、値引き無理だろうなぁと思うところでもちょいと言ってみる楽しみもあるけどね。でもね、根拠のない価格はこちらも言わない。無理な時は引き下がる。多分こんなんだろーと思う価格で交渉するから成り立ったりするのである。値引き交渉は楽しみつつ、相手の懐を考えてやらにゃいかんのですよ、としゃあ的商人の美学を語ったりして。 んでも、どーもわしと一緒に出かける友人一同に言わせると、 「お前、ほんっとーに阿漕だよなっ!」 と、口を揃えて言われるのでした。にゃぜよー、みんな安く買えてるからいいじゃん。 ……てな訳で、下条さんが何かを買おうとする度に、 「おにーちゃん!そこで素直に払っちゃだめっっ(恫喝)」 といって交渉してました。安くあがったから良し。バカ猫的に満足価格で買い物終了。 そのままホテルに戻って戦利品を置いて、次なる目的地へ。そこはセントラルトレードセンター♪今回の目的ブツ、バナナチップスを6袋買い込み、スワロフスキーのショップへ。スワロフスキーとはガラス細工で有名なお店で、ガラスの置物とかアクセサリーを扱っている。中には、誰が買うのかでっかいガラスの固まり置物もある(すげえ高い)。んでそのアクセサリーが今回の目的。日本円で1万ちょい。元がガラスだけに安い。しかもバンコクは工場が近いので製品が多いのである。下条さんのお見立てでネックレスとイヤリングをゲット。ついでにペンギンさんのブレスレット型携帯ストラップをゲッチュ。締めて2万8千円也。これで3つ目のアクセサリーを手に入れたので大満足で、スキップしながらショップをでる。後ろには疲れ切った顔の下条さん。ほほほ、このまま夜は押し倒(自粛) …それはともかく。そのままビアガーデンへなだれ込む。シンハービールのビアガーデンで適当に頼んで乾杯。タイではビールに氷を入れるのでお酒がのめにゃいバカ猫でも飲みやすい。気候も最高だし、ぐいぐい飲む。下条さんはもっと飲む。ふと聞き慣れた曲が耳に入ってステージを見ると、何気にかっこええギタリストさんやら体格のええベーシストさんがいい感じで演奏をしているじゃないか。しゅたたたたっとカメラを抱えてステージ前に行ってパチリ。ワムのラストクリスマスを演奏していたので、つい歌ってしまう。いや、年末のセッションで披露できなかったから悔しかったのだな。んでもって、バンドの方々が休憩しているところへ、怪しい英語で近寄り話しかけてみた。 −以下日本語訳 わし:「なー兄さん方、えらいうまいでんなぁ」 バンド:「そりゃありがとさんよ」 わし:「んでな、わしもバンドやってるんよ。まだ下手だけど」 バンド:「おおそれは。仲間じゃねーかい」 わし:「良かったらギターを見せてもらえないかね?」 バンド:「そんなことならお安い御用だ、気がすむまで見ていっておくんなせぇ」 ちうことで、可愛い感じの(好み)ボーカル兼ギタリストさんにギターを見せて貰う。遠目に見たところギブソンかと思ったら違う。も一つのギターもフェンダーに似ているのでそうか?と聞いたら違うと言う。どこのメーカーなんでしょ?とても丁寧に扱っていてにゃんかにまにましてしまいました。写真を撮らせて貰い、握手してHPに写真掲載をしてもいいかお願いする。快諾されてにこにこと手を振ってわかれた。 席に戻って下条さんにニャーニャーと語ると、生暖かい目で 下条さん:「はい良かったねーどうどう」 と言われる。わし、馬ちゃうもんっっ(泣)ただ気に入ったら一直線になるだけだもんっ。猫まっしぐらなんだもんっ。ま、少しは落ち着いた方がいいと反省。 その後、酒がなくなったので歩いて帰る。途中でkasumi教祖様仕様のお菓子も買う。昨日は二人で食べると思った屋台のおじさんが綺麗に切り分けてくれたけれど、今日はくるくるっと巻いてくれーと頼む。屋台のおじさんがタイ語で おいちゃん:「おーぅ、夫婦らしーのに二人で食べないのかぃ?」 わし:「そーなの、わしだけ食べるの。旦那はいらないの」 とか、話したりする。下条さんは遠くを見ていて気がつかないので言いたい放題である。お菓子を片手に部屋に戻ると、冷蔵庫からいきなりビールを取り出す下条さん。あなたの身体はビールでできているのね、とかマジで言いたくなる程飲むのである。バカ猫もお相伴に預かるが、下条さんはぐいぐい凄いいきおいで飲む。途中で脱落したバカ猫はコーヒーを入れようとお湯を沸かした。インスタントコーヒーにクリープをいれ…としたら間違えてビールに入れてしまう。 わし:「いやーん、泡みたーい♪」 下条さん:「しゃあさん、完璧に酔ってますね。でもごまかしききませんよ」 わし:「ちっ!かわいこぶったのに。損した。捨ててこよー」 どうやら今夜も下条さんを落とせないと心の中で舌打ちをする。 あましに悔しいのでそのまま歯を磨いてふて寝…。こうして二日目の夜も清らかなままで過ぎていったのである。(続くって一日が長いなぁ〜〜) |