くだらな日記(2011年6-7月)


最新日記へ


7月17日(日)
<真弓体制3年目を迎えて>↓に向かって読んでください

真弓:今年も夏以降、大暴れしますよ!
阪神ファン:去年は中日にやられ、今年はヤクルトが独走しているが……。
真弓:しかし、そう簡単には勝たせません!
阪神ファン:能見、岩田がフルシーズン先発できるようになって楽しみです。
真弓:年間通して維持することを心がけています。
阪神ファン:今年も夏以降ボロボロに負け越したりしない?
真弓:そんなことはありません!
阪神ファン:先発、中継ぎ、抑えと投手陣は揃ってるんだよね?
真弓:当然です!
阪神ファン:マートンは今年限りで退団させるの?
真弓:いいえ、決してそんなことはさせません!
阪神ファン:俊介、柴田、上本ら若手の活躍に期待してます。
真弓:もちろんです。どんどんいかせますよ!
阪神ファン:金本のフルイニング再挑戦はあるの?
真弓:もうないんじゃないかな。
阪神ファン:今年こそ優勝お願いします!

<真弓監督の夏>↑に向かって読んでください


7月5日(火)
 「天皇家と源氏」奥富敬之(三一書房)
 源氏の家系についてコンパクトにまとめた良書。「歴代天皇総覧」笠原英彦(中公新書)と書棚に並べておきたい。
 図書館で借りたけど、自分で持っていたかったのでアマゾンの古本屋で購入。本の価値のわりには安かった。


6月28日(火)
 唐沢俊一=ミイラ取りがミイラ説。
 唐沢俊一も最初は、わざとトンデモな説をでっちあげて楽しんでたんじゃないだろうか、という推測。
 昔はいたじゃないですか。なんでもかんでもマルクス主義の階級闘争で説明しないと我慢できない映画評論家とか、すべての犯罪を「でもそういう犯人を産んだ社会のありようについて、もっと考えてみるべきではないでしょうか」で締める左翼系社会評論家とか、森羅万象を「政治が悪い」で説明する世相評論家とか。
 唐沢俊一は最初、ああいう一昔前のトンデモ評論家の論理をわざと展開して面白がっていたのではないかと推測する。
 ところが、もともと確固たる基礎のない唐沢先生のこと、便利トンデモ論理を駆使しているうち、脳内にそういうショートカットができてしまった。さあ大変、もはやどんな思考もトンデモ理論に直結してしまい、かつてはおふざけででっちあげていた説を、自分で信じるようになってしまった。
 お誂えむきに、そういうトンデモ評論家にも勤まる仕事が現代にもあった。週刊新潮のコメンテーター。あの週刊誌は、あまり考えることをしたくないオヤジ向けに、現代の若者がいかにケシカランかということをわかりやすく説明すればいい、簡単な仕事です。
 そこで毎回トンデモなコメントを出すうちに、脳内のトンデモ回路はますます強固なものとなり、もはや映画評論を書いても追悼文を書いても世代論をやっても縄文人を考察しても、なにもかもがトンデモまみれになってしまうのであった。完。


6月27日(月)
 名探偵=よそもの説。
 そもそも名探偵の役割とは、地域で起きた悪事の根をあばき、コミュニティに底流する悪意を暴露することだから、その地域に密着した存在ではやりにくい。そこで必然的に異邦人に設定されることが多い。
 エルキュール・ポワロ(イギリスにおけるベルギー人)、バンコラン(イギリスにおけるフランス人)、チャーリー・チャン(ハワイにおける華僑)、名無しの探偵(サンフランシスコにおけるイタリア系)、刑事コロンボ(ロサンゼルスにおけるイタリア系)など、枚挙すればきりがない。
 さらに宗教的なマイノリティをも含むとすれば、ブラウン神父(イギリスにおけるカトリック)、ラビことデイヴィッド・スモール(アメリカにおけるユダヤ教)をその代表例として挙げることができる。
 パリと一体化したかのように見えるメグレ警視ですら、サン・フィアクル育ちの田舎者で、食うや食わずの貧乏人としてパリに辿り着いたエトランジェという設定になっている。
 また地域のマジョリティと同一民族であっても、風来坊(金田一耕助)であったり高等遊民(エラリー・クィーン、明智小五郎)であったりルポライター(浅見光彦)であったり神主(京極堂)であったり、ことさらに部外者然としたポジションを与えられることが多い。
 そして警察、刑事というものが、地域コミュニティにとって余所者であることは言うまでもないだろう。

 上記の理由で、刑事コロンボがロサンゼルスという土地でのマイノリティであるイタリア系という設定をされているのは王道といってもいいくらいなんだが、それを「1970年代のアメリカ人の見た、日本人のイメージ」と言い切ってしまう唐沢俊一氏はどういうことか。よそものはみんな日本人なのか。それはさすがに、国粋主義的誇大妄想なんじゃないか。
 第一、「コロンボのキャラ造形はどうみてもイタリア系ぽくはない。服は地味だし、音痴だそうだし、陽気なタイプじゃないし、動作も派手じゃない。いい意味でも悪い意味でも開けっ広げなイタリア系の人に比べ、何を考えているかわからない不気味さが身上だ」と言い切ってしまうなら、同じイタリア系の名無しの探偵はどうなるんだ。
 あれだってイタリア人っぽくないデブだし、服は地味だし、喫煙や癌の恐怖でうじうじ悩む陰気な性質だし、無口だし、動作は鈍重だし、女とのつきあいは下手くそだし、ビールばっかり飲んでるし。まさかあれも日本人と言い張るんじゃないだろうな。……いや待て、ありそうな気がしてきた。「名無しの探偵こそ、無名の個人の集団として世界経済を席捲した日本人の、アメリカから見た戯画なのである」なあんてね。


6月11日(土)
 数ヶ月前から金魚水槽のエーハイム外部フィルターが調子悪く、水がちょろちょろどころか、ぽたりぽたり程度にしか流れない。
 先日フィルターのスポンジを交換してみたが事態は変わらなかった。
 今日はモーターまでバラして掃除してみたが、ぽたりぽたりがぽたぽたになった程度。
 ふと気づいて吸水口のスポンジフィルターを外してみたら……うわぉ、ぴゅーっと水が噴き出したぞ。
 どうやら主因はスポンジフィルターの目詰まりだったらしい。金魚はやたらに糞をするからなあ。


6月6日(月)
 金曜から三河に行ってきました。
 移動費を安く上げるために、ハイウェイバスで名古屋まで行き、そこから東海道線で豊橋まで戻るというけったいな経路で豊橋へ。所要時間8時間。帰りは新幹線にしようと決意する。
 さて、豊橋といえば誰がなんといおうがカレーうどんである。B級グルメブームに乗っかり、豊橋市が昨年から仕掛けていたイベント食品。特色としては、どんぶりの底にとろろご飯が敷いてあること、うずらの卵をトッピングすること、漬物を添えることであるらしい。そしてたぶん、ご飯を使っている関係上、カレー汁は東京のカレーうどんの汁より粘性が強い。
 前橋駅でカレーうどんマップを入手するつもりだったが、既に観光案内所が閉まっていたため、自宅でプリントした簡略マップを頼りに前橋駅周辺をうろうろするが、なかなか目当ての店がみつからない。とりあえず目についた、玉川うどん広小路店に入る。880円。トッピングにうずら卵、素揚げのナス、チキンナゲット大の鶏カツ。ここの丼はパフェ方式の広口深鉢で、食えども食えども底が見えない。20センチほども掘削して、ようやくとろろが出現した。どんぶりの見た目より倍くらいの量がある。昼飯を抜いていて本当に良かった。カレーは甘口でも辛口でもなく、ほどよい中口。うどんは柔らかそうに見えて意外とコシのある関西うどん。
 そのまま豊橋の酒を求めうろつく。最初に目についたのが「ラーメン 居酒屋」という看板。これって、ラーメンも酒も絶対ろくなもんじゃないよね、と入店したら、意外とまっとうな居酒屋だった。カレーうどんで満腹していたのでもろきゅうとしらすおろしだけ頼んだのだが、どちらも大鉢にたっぷりきた。ウーロン酎も焼酎成分が多い。
 そのあと西口のスタンドバーのようなところに入る。ぜんぜん知らないで入ったのだが、この店はフィギュアスケート日本代表の鈴木明子の生家であるらしい。ママさんが鈴木明子のママ。パパはちょっと駅から離れた本店を経営しているらしい。娘が拒食症になって亡鬼のようになった話とか、本店にフィギュアスケート日本代表勢が来店し、そこで浅田真央が高橋大輔と抱き合っていたのを写真週刊誌にすっぱ抜かれ、鈴木明子が「あたしもキスしたのに誰も写真撮ってくれなかった!」と激怒した話とかいろいろ聞きながら、三河鹿の刺身と日本酒。
 最後に東口に戻り、立ち飲み屋でホッピーとヤキトリ。

玉川のカレーうどん ラーメン 居酒屋

 翌朝は渥美線で三河田原まで行き、そこからバスで伊良湖岬まで移動。伊良子ではない伊良湖。きのう豊橋カレーうどんを食べたからといって、うどん玉のようなものがこぼれたりとろろのようなものが飛び散ったりはしない。
 ここから神島行きの連絡船に乗る。15人乗りの小さなボート。われわれ以外はすべて釣り客で、竿とクーラーボックスとリュックを背負っている。なんでもリュックにはテント等のキャンピング用品、クーラーボックスに食料が入っていて、宿には泊まらず野宿しながら夜を徹して釣りするそうだ。
 神島は三島由紀夫の小説「潮騒」の舞台になった島で、あちこちに小説の一節を引用した説明板が立っている。
 産業としてはタコツボ漁が盛んらしい。港のあちこちにタコツボが積み上げてあった。

連絡船から見た神島 タコツボ

 民宿に荷物を預けて島内一周にでかける。
 港町特有の、せせこましい通路と、やたらにある階段。
 神島名物の時計台は故障なのか時間が遅れているのかちょっとよくわからないが、使い物にならないことはよくわかる。今は港にもうひとつ時計台があるから、別になくても困らないんだけど。
 いかにもつげ義春や大林宣彦が好きそうな街並みを抜けると、ほぼ登山道となる。
 かなり息切れしたころ、ようやく八代神社に到着。
 ふつうの絵馬と一緒に、アワビの殻で作った縁結び絵馬もあった。
 そういや漁師のゲンかつぎで、港の家はみんな蘇民将来やこの神社の注連飾りを玄関にぶらさげていた。

街並 時計台

 神社からさらに登り、息もたえだえになったころ灯台につく。
 この灯台は恋人の聖地だそうでございますわよ奥様。
 ごていねいにツーショット撮影用のカメラ台まで用意してある。
 たぶん小説「潮騒」で、主人公に恋する娘がこの灯台に住んでいたからなんだろうな。
 灯台からさらに山道を登り、2回くらい死んだかなと思うころ、ようやく山の頂上に達する。
 そこからすこし下ったところに監的哨がある。
 昔は対岸の伊良湖岬から撃った砲弾の弾着点を確認する場所だったらしいが、今はいい感じに荒れ果て、子供が秘密基地ごっこするのに最適な廃墟となっている。
 この島は崖っぷちとか廃墟とか舟の残骸とか海女小屋とか、子供の遊び場としては最適な危険であやしげな場所が多すぎるので、あちこちに「よい子はこんなところで遊ばない」という看板が立っている。
 むろん、監的哨にもその看板は立っていた。
 しかし監的哨といえば、そういう本来の用途や子供の遊び場よりも、「潮騒」のワンシーンの方が有名なんだろうな。
 私などは山口百恵主演のあのシーンの印象が強すぎて、同じ山口百恵主演の「伊豆の踊子」と話がごっちゃになってしまった。
 ええと、確か百恵ちゃんが全裸で手を振るのが「伊豆の踊子」で、この監的哨でたき火の向こうで全裸になり、あたしが欲しければ火をこえて来なさいと手招きするのが「潮騒」だったと思う。
 そしてラストシーンは、たぶんどっちも百恵ちゃんが見送るなか、主人公は汽車に乗って国境を抜けるトンネルをくぐるんだったよな。そして泣きながら寿司をつまみ、呟くのだ。「子供よりも親が大事」と。

街並 監的哨の便所

 山を下りると、港の反対側にある小中学校。小学校は全校生徒が8人しかおらず、昨年の6年生はたったひとり、鳥羽の小学校にまじって修学旅行に行ったそうな。
 もういちど山を登るしか港に帰れないのかと恐怖におののいていたが、峠をちょっと越えるだけで帰ることができた。
 港に戻って最初に目についた「ビール」という文字に敏感に反応し、店に入ってしまった。
 汗だくになって涼風に吹かれながら飲む生ビールのうまかったこと。

 民宿に戻ってしばらく時間をつぶし、ようやく夕食の時間になるが、もうひとり鳥羽から到着するはずの人間が到着しない。
 6時半の鳥羽発最終便の船にも乗っていなかった。
 ようやく連絡があった。なんと、鳥羽から船を間違えて伊良湖岬に行ってしまったとのこと。
 民宿の亭主が義侠心を起こし、釣り船を出してくれたが、1時間はかかる。
 その間じっと、民宿とは思えない豪勢な夕食を横目に見ながらビールを飲んでいた私の自制心をほめてほめて。
 なにしろこの夕食、鯛の姿作り、トリガイとイカの刺身、特大エビフライ、巨大アサリの潮焼き、カサゴ煮付、蛸の酢の物、漬物という豪華8品目だったのだから。

 ようやく8時ごろ、迷子も帰ってきて夕食。ビールと日本酒でいただく。
 そのあと私以外のふたりが夜の浜辺に出かけたが、その写真が盗撮みたいでアヤシゲなので掲載してみた。

豪華夕食 盗撮写真

 翌朝は10時から海女の海開きがあるというので、小学校近くの浜辺へ出かけてみる。
 この島の海女は伊勢志摩や済州島のように観光化されておらず、海女見物に来た酔狂な客も私たちだけのようだ。
 残念ながら美しすぎる海女さんだった時代は数十年前に過ぎた女性ばかりだったが。
 帰りの船の時間が迫ったので途中で帰ったが、なんでもこの日は海が濁っていて、あまり収穫はなかったそうだ。夏ものの天然牡蠣がいくつかご祝儀相場で売れたとか。
 ところで浜辺にきれいな鳥がいたんだが、これはなんて鳥なんでしょうね。

海女開き 海鳥?

 港に戻り、11時の船で伊良湖岬に戻る。
 船の中にはタコツボで取ったのだろう、生きたタコが網でぐるぐる巻きにされながら、酔っぱらったおっさんのおくびのような声をあげていた。
 ところで島にはいろいろ看板が立っていたが、いちばん気に入ったのはこれ。キューピー人形が妙にブラックで、つげ義春「山椒魚」のようなおもむきすらある。

 岬からはバスで2時間弱で豊橋駅に着く。
 豊橋駅前で、こんどは西口にある、勢川西口店でカレーうどん。780円。
 こちらは普通の丼に、盛り土のように飯ととろろを盛りあげ、そこにカレーうどんを流し込んで飯とろろ島を沈没させている。だから中央部を攻めるとけっこう早く飯に到達する。トッピングはうずらフライ串、アスパラ素揚げ、ちくわ素揚げ、細切り唐辛子。カレーはやや甘口だが、カレーパウダーでお好みの辛さに調節できる。うどんはやっぱり関西風のはんなりしこしこな歯ざわり。
 カレーうどんは見た目より淡泊なので、トッピングには揚げ物が合うようだ。

 豊橋駅からは新幹線ひかり号で1時間半。
 新幹線自由席1号車に乗り込み、ワンカップを飲みながら電光掲示板ニュースを見て、連れに2ちゃんねる野球板「よし決まったな!風呂でも入るか!→あ、あれ?」スレの説明をする。
「こういう感じに電光掲示板に文字が流れてね、【阪神3−オリ1】となって、よし勝ったな!とガッツポーズしたら、そのあと文字がさらに出てきて、【神3−オリ14】となって、あ、あれ?ってなるの」
 そのときは野球速報が流れなかったんだが、まさか家に帰って確認したら話した通りの結果になっていたとは知らなかったぜガッデム。

子供を捨てないで、ではない 勢川のカレーうどん


最新日記へ