くだらな日記(2004年8月)


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8月29日(日)
 日本代表を2度も破った野球オーストラリア代表チームは、ウィリアムスやディンゴ以外は倉庫番や喫茶店経営者などが本職だという噂が流れているが、どうなのだろう。確かにプロフィールを見ると独立リーグが多い。オーストラリアでは野球でメシが食えるほど盛んでないそうだから、日本のプロレスマイナー団体のレスラーのように、バイトで食いつなぎながら野球をやっているのだろうか。
 それとも、日本代表のセカンドが元整体師とかライトが元保険の外交員という程度の話なんだろうか。
 そんなオーストラリアの選手たちを映画化しようという話があるらしい。かつて日本とアメリカでプレーしたニルソン選手が私財をなげうって、トラックの運ちゃんや喫茶店のマスター、パン職人、倉庫番などをかき集めて野球チームを結成し、オリンピックに挑戦する、という、「クール・ランニング」と「小林サッカー」を混ぜたような話らしい。ウィリアムスの役どころは、最初は野球先進国でのプレーと高給をハナにかけてみんなから嫌われるが、やがてみんなとの友情に目覚め、虚心にやり直すという、おいしい役らしい。準決勝の日本戦、ウィリアムスが9回のマウンドに向かうときに、「……監督に信頼されて、バックを信じて、このマウンドに立つ……こんなこと、もう一年近くなかったな……」と独白するところでエンディングになるそうだ。

 マラソンを見ていたら、トップを走るブラジルのリマ選手を、変な恰好の男(イタリア人? スコットランド人?)がいきなり拉致していた。こりゃ谷口の靴脱げよりひどいな。たまにこういうことがあるからマラソンは面白い。
 しかしあの乱入男、たしかにこんな恰好していた……。

 ブログを新たに作る人はいいけど、代わりに昔のコンテンツを雲散霧消する人は哀しい。ブログを作って日記が消滅した人は多いけど、まあそれなら松永と野田のトレードみたいなもんだろう。ブログとひきかえに全てを失った人は哀しい。とにかく私が言えることは、昔の文章を消すならば、それ以上のものを書いてくれ、と祈るだけです。


8月28日(土)
 アテネ五輪日本代表もついに帰国し、いよいよペナントレース終盤戦に参加。ダイエーの城島は昨日、空港から直接球場入りし、いきなり代打で出場。
 きょうは日ハムの小笠原、西武の和田、中日の福留などの野手陣と、ロッテの小林、ヤクルトの石井、中日の岩瀬などのリリーフ陣が登場。明日あたりからは、いよいよ松坂、和田、黒田、岩隈、上原、三浦などの先発陣も登場か。藤本安藤の阪神コンビはいなかったことにされて干されるのか。
 そういえばあの選手はどうしたんだ。プレーオフの権利をめぐって白熱しているパリーグの中で、さっさと出てこなきゃならない、アテネの五番、チームの四番、あの最高年俸を誇る選手は……。

 近鉄の中村、アテネの宿舎でガラスを踏んづけて全治2週間の怪我。

 完全燃焼したシドニーの雪辱がこれか。

 深夜番組でウルトラQを見る。リメイク作成と騒がれたわりには評判倒れのまま終わったやつね。
 ま、評判倒れでしょうがないかなという感じ。安易に流行のホラーを取り入れようとして虻蜂取らずになった感がある。ウルトラQを名乗らなかった方がよかったんじゃないか。
 きょう見たのは、たぶん「悪魔っ子」へのオマージュでしょう、かごめかごめの童謡にからんで二重人格者が殺人を重ねる話。いっそおおブレネリにからんでスパイ事件が起こるとか、森のくまさんにからんで殺人事件のすえゴメスが登場する方が個人的にはよかった。
 どうも特撮アニメドラマによらず、気になるのは脚本なんだよね。演出とかカメラワークとか演技とかの以前に、脚本家のレベルが低下し続けているような気がする。「ボクはそういう、社会のひずみが産んだ存在なんだよ」とか「あなた、あたしの青空だった」なんて台詞は、ボツにすべきだと思うんだけどなあ。恥ずかしいとかそういう以前に、そんなあからさまに説明的でどうする、という。

 新日本プロレス中継がトークイベントで潰れているらしいので、広田さくらの試合のあとで見る。なんかすごいぞ。全員が永田をつるしあげてる。ほとんど人民裁判だ。文化大革命だ。そのうち永田さんが三角帽子かぶせられて市中引き回しされるんじゃないかと思ってしまいました。

 しかしどいつもこいつもブロッグかよ。ブロッグはじめましたとリンク集に書いている人間のいう話じゃないとは思うが、そうかよブロッグかよ。ぽいうさんまでもブロッグかよ。まったくみさげはてたぜ。おまえらブロッグ村の村人かよ。さっさと狼に食われて死んじゃえ。などという資格が私にないことはいうまでもない。ところでブロッグ化した一部のサイトが異様に空白が多くなって読めなくなりつつあるのは98という旧式OSの呪いなのでしょうか。ぽいうさんとかいをりさんとかyadonさんとか。いやいをりさんは昔からか。それはあんたというキショイ人に読まれないようにするためさ。


8月26日(木)
 シーズン序盤はキンケードの死球がすごいと騒いでいたのが夢のようですが、いつの間にかラロッカがあと2つでシーズン最多死球記録に並ぶと知って感無量。あと35試合あるから余裕で達成ですな。いや、キンケードがいまだに2位というのも十分凄いけど。ラロッカは99試合で22個、キンケードは26試合で12個だから効率の点ではキンケード楽勝なのだ。


8月25日(水)
 香田監督待望論。
 オリンピック日本野球がなぜ負けたか。あれは中畑監督の個人的な無能に期するよりも、プロ野球が一発勝負のトーナメントに慣れていなかったことこそが原因だと思うのだ。
 プロ野球は百試合以上の長期戦で勝負を決めるのに慣れている。日本シリーズだって3試合は負けられる。ここでたったひとつ負けたら終わり、という試合をやったことがないのだ。いちど失敗しても許される。いちど失敗した選手を見切るよりは、なんとか使えるまで見守るほうが長い目では利益になる。鳥谷を見よ。だから全般的に決定が遅い。日本チームが悪評の打線を組み替えたのは、やっとオーストラリアに負けてからである。勝っているうちに替えないといけなかったのである。これでは一戦必勝のトーナメントに勝ち抜けない。トーナメントでは、早すぎるくらいの見切りと切り替えが必要なのだ。プロ野球は監督選手ともにそれに慣れていない。
 大学野球も同じように、リーグ戦に慣れすぎて一発勝負には不向きである。社会人の都市対抗は一発勝負だが、それに賭けてくるような勝負師監督というのはあまり見あたらない。シダックスの野村監督にせよ、優勝よりは選手育成を主眼に置いているように見える。
 そこで高校野球である。一発勝負、負けたらそこで終わりという世界で鍛えられている。どんな弱小チームが相手でも、ひとりの投手がまかりまちがって好投してしまったら、負けることもじゅうぶんあり得る。だからどんな弱い相手でも舐めない。事前の研究を怠らない。エースや四番でも、調子が悪いと思ったらさっと交代させる。それでないと生き抜けない。
 四年後のオリンピックには、かつての常総木内監督やPLの中村監督のような人材を監督として招聘すべきだと思うのである。

 てゆーかオーストラリア戦、中畑はせめて村松を先発スタメンにして和田を控えにしておくくらいのことはするべきだったと思うけどな。試合がもつれたらウィリアムスが出てくるのは馬鹿にでもわかっているんだから、その時のための代打の切り札を置くべきだろ。昨日のパターンなら、藤本に代打和田で、それで打てなければできるだけのことはやったんだからしかたないと言える。

 ところでオリンピックをメジャー人材見本市とすれば、一番人気は城島、二番人気はウィリアムスでしょうか。城島は日本人捕手というハンデがあっても、あの身体能力に三百万ドルくらいの値をつけるメジャー球団は出てきそうです。ウィリアムスは左のワンポイントもしくはクローザーとして、百万から二百万ドルの間くらいかな。

 ああすみません。民放のオリンピック番組はなにひとつ見ていないのです。どいつもこいつもお涙頂戴感動押し売り低脳タレントの日本マンセー報道バラエティなので、まともな神経では見ることが無理です。NHKもスタジオの女アナのバカ台詞とキチガイFAXは最低ですが、ライブ中継は(柔道とかバレーにたまにいるバカ解説はともかく)なんとか許せるので。

 深夜にキューバ対オーストラリアの野球決勝戦を見て気づいたのだけど、やっぱりサッカーやラグビーやバレーボールだけでなく、野球も日本人がからまないほうが面白い試合になります。日本、邪魔。


8月24日(火)
 ああウィリアムス。ビバウィリアムス。今でもウィリアムス愛してる。かっこいいよウィリアムス。素晴らしいよウィリアムス。低脳な選手起用さえされなければ、ここまでやれる奴なんだよウィリアムス。もう岡田の言うことなんか聞かなくてもいいぞウィリアムス。アホに潰されるくらいなら、どこか新天地で実力を発揮してくれウィリアムス。ヤクルトなんかどうだウィリアムス。
 どうでもいいけど日本ではどこかの球団の監督がまた継投に失敗して追いつかれているようですね。逃げられる選手はさっさと逃げた方が選手生命のためにいいですよ。あ、勝った。でも病み上がりをリリーフにするのやめてくれない?
 いま、ニュースで、「日本は7回から登板した阪神のウィリアムス投手に抑えられました」と言っていた! すごく嬉しかった!


8月21日(土)
 ここまですごい誤報ってのも、あまり見たことがない。


8月20日(金)
 日本女子バレーボールが弱いのは、ギリシャみたいなユニフォームにしなかったからだと思う。とりあえず日本が韓国に負け、ギリシャに決勝リーグ進出の可能性が出てきたので、ここはギリシャがブラジルに番狂わせで勝ち、日本を抜くことを期待したい。ワンモア尻。尻シャルリターン。あの素晴らしい尻をもういちど。あのとき同じ尻を見て美しいと言ったふたりの心と心は今はもう通わない。(あのすばらしー)あの素晴らしい(シリをもーいちどー)尻をもういちど(コーラス)

 ところでうちの冷蔵庫にはいまだにちょっとだけ飲んだ動物酒があるのですがどうしましょう。特にベトナムのコブラ酒は1/5ほど飲んだせいで、首が水面からこんにちわしています。あのままほっといて首が腐れたりしないのでしょうか。焼酎をつぎ足した方がいいのでしょうか。あれをまた飲む日が来るのでしょうか。いっそのことkasumiさんの出産祝いと称して産後の肥立ちにいいとか嘘ついて<やめとけ。龍成さんの出産祝いと称して<それもやめろ。ミラさんの出産祝い<いやだから。ひろしさんの巨乳嫁祝い<ええかげんにせい。

 広島と巨人の試合……なんせ横浜中日の派手な試合と日本韓国のバレーボールを見ていたもんで、いまスコアシートで確認したけど……広島と巨人、おまえらどっちもアホやろ? 岡田なみか?


8月19日(木)
 はじめて月に着陸したアームストロング船長は、「私にとっては小さな一歩だが、人類にとっては大いなる飛躍である」と言おうとして、for a man をfor man と言い間違えたために、「人類にとって小さな一歩、人類にとって大いなる飛躍」と言ってしまった。東大の大河内学長は「太った豚になるよりも、やせたソクラテスになれ」と卒業式の演説の草稿に書いたが、実際の演説ではそのくだりをうっかり飛ばしてしまった。しかしどちらのケースも、マスコミによって言い間違いはなかったことにされている。そもそもソクラテスはやせてなどおらず、頑健で有名だったのだが。

 バレーボールの試合はギリシャ選手の尻ばかり見ていたので、どっちが勝ったかわかりませんでした。ビーチバレーもそうだが、そろそろオリンピックもくいこみやはみだしに芸術点を加算して判定するほうがいいと思います。尻たぼプラス2点、尻の谷間プラス3点、胸の谷間プラス1点、横乳プラス2点、下乳プラス5点、ただし男子と谷選手はマイナス査定。


8月18日(水)
 珍酒会
 きょうは未鏡さんとふたり酒を飲みました。ベトナムのコブラ酒、香港の蜥蜴酒、鼠胎児酒を飲む会です。なにせ酒が酒ですのでいろいろ人材を募ったのですが集まりが悪く、ハラ君にさえ断られるていたらくなのでやむなくふたりで飲むに至ったわけです。
 香港の酒は購入以来5年、ベトナムの酒は購入以来3年を経て、鼠などは買ったとき薄鼠色だったのが黒褐色に変じているくらいでどうなることかと思いましたが、人間アルコールで釣ればなんでも飲むものです。
 鼠酒は甘味が利いていました。まさか鼠が甘いわけではないだろうから、きっと蜜を入れているのでしょう。蜥蜴酒は中国の焼酎の香りがする、まっとうな酒でした。いちばん飲みにくいのはベトナムのコブラ酒でした。朝鮮人参とクコも漬け込んでいるのですが、なんとも生臭くて飲みにくいのです。酒に肉というか蛋白というか、白濁したもやもやがありますし。いやはや。

 ああウィリアムスウィリアムス。俺は日本そのものよりお前を愛しているよウィリアムス。


8月17日(火)
 根っからの天の邪鬼なので、国家対抗などという試合では日本じゃないほうを応援することが多いのです。特に解説者が「よし!」「やった!」などという職務を放棄した態度に出る場合には、日本が負けて解説者が吠え面かきますようにと念力を送ります。ということは、サッカーとバレーボールに関しては常に日本が負けますようにと念じているということです。私の念力が届いたか、サッカーもバレーボールも連敗中です。万歳。谷選手に関しては、なにしろ本人がなにかを犠牲にして勝ち運を手にしているので、私の念力程度ではいかんともしがたい。福原選手は「みゃー!」という奇声が念力を阻む梓弓のような効力を持つようです。


8月16日(月)
 サッカー日本代表は連敗で予選敗退決定だそうですが、野球日本代表は連勝です。きょうはなぜか藤本が大活躍です。ホームランまで打ってやがりました。ひょっとしたら藤本はパワーが身に付いてきたのかもしれません。鳥谷は前評判の高いわりにはダメだとよく言われますが、藤本の発憤材料と思えば安いものかもしれません。むかし、遠井(雑草的プレイヤー)がレギュラーになるための発憤材料として存在した藤本(エリート。どのくらいエリートかというと、島倉千代子と結婚したくらいのエリート)みたいなもんか。


8月15日(日)
 大東亜ジョーク。
「一度でいいから見てみたい、戦地に最後までふみとどまる辻政信。歌丸です」

 栄養費ってのは昔からあるもんで、立教の長嶋や杉浦は南海から「栄養補給費」ってのをもらっていたと思う。相撲やプロレスや政界の「モチ代」みたいなもんだ。
 一場の栄養費は形骸化しているが、昔の栄養費ってのは本当に名前通りのもので、終戦直後の大学生は食うものがロクになかった。だからプロが目を付けた選手に「飢えで体調崩さないでくれよ」と金を与えていた。法政の根本や関根あたりは、栄養費どころじゃなく現物支給で米とか肉とかもらっていたらしい。
 戦後も長嶋の時代あたりまで、プロスポーツマンと大学生の食事内容はものすごい格差があった。というか、プロでも一流と二流以下は天地の差。金田が現役時代、キャンプでは球団の夕食を食わず自分で作った特製の鍋を食っていたのは有名。球団のメシでは肉体を維持できない、というのがその理由。あのころ、「大卒のプロ野球選手は、給料の三分の一を食費に回さないと大成しない」と言われていた。そのくらい、一般の食生活が貧弱だったわけだ。
 あ、いちおう誤解があったらいけないので書いておくが、長嶋の時代までは栄養費にはまったく問題がなかった。ドラフトもないしプロアマの接触を禁ずる協定もないので、有望選手にOBプロ選手やスカウトが小遣いを渡すのにまったく問題はなかった。プロアマの接触を禁止したのはもっと後。日本生命の柳川選手をシーズン中に中日が引き抜いた「柳川事件」と、関大の1年生・西川投手が公式戦中に大学を通さず勝手に広島と契約して、本人のアマ資格のみならず関大の優勝まで取り消された、いわゆる「西川問題」によりアマチュア側が態度を硬化させてできたものだから。
 プロで何年もやってるくせにコンビニ弁当ばかり食ってヒョロヒョロして滅多打ちされてる阪神若手選手よ、何思う。

 サッカーの五輪アジア枠は滋賀県代表とか書いてしまったが、やや修正が必要かも。日本は北大津で文句なしかと思うが、韓国は近江か比叡山クラスの実力はあるとみた。うまくゆけばベスト8。シュートがゴールめがけて飛ぶ分、韓国の方が日本より上だ。
 日本が滋賀県代表北大津高校としたら、イタリアは高知県代表明徳義塾ですかね?

 ぼぉっとオリンピック中継を見ているので、ふだんなら絶対見ない種目さえ見てしまう。きょうはボートを見た。レガッタの二人版みたいなの。スペインが強いのはわからないではないが、なぜかルーマニアが強い。ま、ああいうのは海軍国よりも湖のある国の方が強いのかもしれない。日本はべべた争いだったが、それより弱かったのがベトナム。なぜ弱いんだろうと考えて気がついた。ベトナムはボートを漕ぐのが上手い人が全員ボートピープルになって亡命したから弱くなったんだわ。などと政治的に問題のある解釈をぼんやり考えていた日曜日の夕暮れ。

 ついでに卓球も見る。いまはみんなシェークハンドなのかな。ペンホルダーの選手はいないのかな。シングルスの卓はえらく小さいような気がする。これがプロレスのリングなら、ブロディやアンドレの巨体でリングが小さく見えるという現象もあるだろうが、比較対照が福原愛だからそれはないだろう。技術が向上しすぎてふつうの卓では永遠にラリーが続くので小さくしたのかもしれない。
 福原愛というくらいだから泣きながらプレーするのかと楽しみにしていたのだが、いつまでたっても泣かなかった。つまんない。泣くかわりに、点が入るたびに「みゃあ!」などと叫んでいた。相手がミャオミャオという選手だったからか、福原愛はいつの間に新興宗教ドルバッキーに入信したのか?
 福原愛も可愛いが相手の選手も美形だ。たいへんよろしい。選手の美人度が高いのは卓球とバレーだろうか。体操はケバいし、水泳はみんな髪をひっつめるので美醜がよくわからない。美人度最低はもちろん、谷選手に代表されるように柔道だ。ソフトボールは、カナダはナイスバディの美形が若干いたのだが、台湾はみんなおばはんだった。ああ、オリンピックもTVKのようなスケベカメラマンがいないかな。
 いやちょっと待て! 今、射撃でむちゃくちゃ可愛い少女がいた! 優勝したウクライナのコステビッチという17歳らしい! 2位と3位も可愛い! あの娘たちになら射殺されてもいい! 射殺されて脂肪が飛び散って嫌な顔されたい! 汚い物見る顔されたい!


8月14日(土)
 大東亜ジョーク。
 コレヒドール陥落後、辻政信は命令した。
「捕虜になった白人兵は卑怯だから殺せ。フィリピン兵はアジアの裏切り者だから殺せ」
 本間司令官や、その副官たちはあわてて止めた。
「それは人道に反する行為です。国際法違反で死刑になりますよ」
 辻はニヤリと笑って言い捨てた。
「おまえらの責任で捕虜を殺す。おまえらを戦犯で殺す。俺はずっと生きるのさ」

 うとうとしながら高校野球とソフトボールと柔道と水泳をザッピングしながら見ていると、そのうちわけがわからなくなってくる。
「さあここで遊学館注意を受ける。あと45秒しかない。東北は平泳ぎで巻き返したいところだ。史上初の東北3連覇まであと2勝、しかし相手は強豪オーストラリアだ。あっとここで必殺のときめきボラギノール! ダルビッシュ、見事な一本勝ちでオリンピックレコードです」
 ところで柔道の試合はやたらに場外に出てうざったいので、畳に沿って柔道選手をびっしり並べて場外に出ようとしたら押し返したり投げたり腕をひしいだりする、ランバージャック柔道ルールを提唱したい。

 おい、ひょっとして横浜って、斉藤といい門倉といい、「東北福祉大の佐々木の後輩」って理由だけでリリーフエースを決めてないか? 次のリリーフエースは吉見か? それとも歌藤を獲得するか? もし阪神の金本が移籍してもリリーフエースになるのか?


8月13日(金)
 大東亜ジョーク。
「辻政信が兵隊を愛したというのは本当ですか?」
「そうだ。ただし、いくつかの条件を満たしていないと愛されない。
 1.辻の配下である。
 2.けっして辻に逆らわない。
 3.死んでいる。」

 ナベツネ、三山、土井の解任、めでたい。
 スカウト活動に不正があったというのならば、当然今年のドラフトでは、野間口と一場の獲得は断念するのでしょうな?
 ついでに阪神のオーナーも解任してくれないかな。

 浦和学院の敗因は、リリーフを無駄遣いした監督采配に尽きる。あの監督の采配は以前からいろいろ言われていたが、なるほどあれでは優勝は無理だわ。

 サッカーのせいで夜中の二時に起きている身体になってしまったので(なぜ夜型には簡単に馴染むのだ)、やむなくオリンピックの開会式を見る。
 どうやら開会式では、オリンピック会場を巨大な女性器になぞらえ、その中で全裸の男女が歴史を背景に戯れ、やがて射精、妊娠、出産という感動の生命誕生ストーリーを演じていたらしい。それにしても吊りのピアノ線見えすぎ。トロイの木馬の造型ショボすぎ。こないだの映画から借りてくればよかったのに。
 とりあえず日本の衣装は前よりマシだが、2ちゃんねら曰く「一昔前の魔法瓶」「高島屋のお中元」。花柄のワンピースにパステルカラーの団扇を振っている姿は、まるで幼稚園のお遊戯。いっそみんなでコロコロポロンのコスプレでもすればよかったのに。むろん柔道の谷選手はデュオニッソスの役ね。いや、野球の谷選手がゼウスで柔道の谷選手がヘラでもいいかな。
 スペインの選手に、扇子を振りながらビデオカメラを撮影し携帯で電話してる女がいた。忙しすぎ。「あ、ヨーコ? あたしね、いま行進してんだ。やだ、ユキオなんかいないわよ。やーね。今日は試合なくてヒマなんだ。行進なんてつまんねーし、超タイクツーって感じ? ねね、カラオケ行かない? ちょっと行進にまぎれて。ダイジョーブよ、ちょっと関係者のマネすればいいって。この国警備がユルいから。じゃ、競技場前のローソンでね」とか話していたのだろうか。
 アフリカのどこぞで土人の槍踊りをやってる国がいた。あれを日本人がやったら大騒ぎになるが、アフリカ人がやれば許されるという罠。どうだろう、ちびくろサンボもアフリカ人が発行するというのは。
 ちなみに声援がもっとも大きかった国はイラク、次いでアフガニスタンとパレスチナと、なぜかアメリカ。日本はそこそこ。イスラエルは沈黙。基本的に旧共産圏とバルカン圏と反米反イスラエルのアラブ国家は人気があるらしい。合同行進の韓国&北朝鮮は、なぜかまったく人気がなかった。合同行進もさすがに飽きられたか、それとも、「てめぇのとこの植民地支配三十五年なんて、うちのビザンツ支配・トルコ支配に比べれば屁でもないぜ。いつまでも被害者面してねえでさっさと国家統合しろやこの万年分断野郎!」とか思われているのか。
 で、えんえんと行進したあげく、ナルシー全開のケバい化粧で大屋政子のような衣装の女が「あたいの心はハリネズミ」「あんたの汗はしょっぱい」などとわけのわからない歌を絶唱。よくモンティパイソンのコントに出てくるオッパイ要員のようだ。とか言っていたら本当にモンティパイソンのようなコラージュ画像キター。そしてメロスが走る。こけながら走る。なぜ全裸じゃないのか不思議に思いながらも走る。メロスが聖火点火かと思いきやこれからが長い。競技委員長やら五輪委員長やら大統領やらの長い演説。このへんで福原愛が貧血で倒れる。そして五輪旗掲揚。少女たちのコーラス。選手宣誓(桐蔭学園主将、八木沼君)。審判宣誓(読売ジャイアンツ所属、橘高主審)。そしてまたピアノ線全開の吊りのギミック。おまえは猿之助か。ようやく聖火到着。昔の名選手(だけど知らない人)がリレー。そして聖火台に点火。っていうか、勝手に発火してたようにしか見えなかったのだが。
 燃えさかる火をふいて高くそびえる聖火台。会場の女性器を貫くようにそそりたつ聖火台。エロチックだわ。


8月12日(木)
 大東亜ジョーク。
「辻政信は陸軍士官学校で優秀な成績だったというのは本当ですか?」
「うん、受けた試験ではいい点だったよ」辻の士官学校時代の教官は認めた。
「試験問題を見て、ダメだと思うと、あいつ、『作戦会議を招集!』と叫びながら教室から逃げていったからね」

 アメリカが日本に原爆を落とす経緯などを読んでいると、科学者の多くは兵器として殺傷に使用するのに反対だったようです。中立地域もしくは米国領土で核実験を行うか、もしくは予告した上で日本の無人地域に投下するだけでもじゅうぶん威嚇になるだろ、という意見が多かったようです。それに対し軍部は、実験だけでは日本政府はデマだと思うだろう、予告したら撃墜される危険性が高い、と反論し、広島での爆発を決定しました。
 このとき反対した科学者のひとりにエドワード・テラーがいました。彼は、「広島と長崎で民間人を虐殺せずとも、東京上空の安全な高度で爆発させ、窓ガラスをビリビリいわせるだけでも戦争を終わらせることはできたのではないか」と発言しています。
 しかし、それは可能でしょうか。広島原爆はおおまかにいうと、爆心から1キロ以内の人間を蒸発させ、1.5キロ以内の人間を即死させ、2キロ以内の人間を原爆症にしました。現在、日本政府はDS86という線量推定式にのっとり、2キロ以上離れていた人間は原爆症と認定しない方針ですが、実際には2.5キロの距離でも後遺症が生じているようです。
 爆風のほうはというと、爆心から16キロ離れた建物でもガラスが割れた、ということですから、じゃあ東京上空16キロで爆発させればいいじゃん、と思いますが、残念ながら原爆を投下したB−29は上空10キロが限度です。じゃあ10キロ、と思ってしまいますが、投下直後に爆発させてはB−29が蒸発してしまいます。投下してすぐ反転して全速力で逃げたとしても、やはり上空5キロくらいのところで爆発させるのがやっとでしょうか。
 そうすると爆心地近くの東京の建物はガラスが割れたり屋根瓦が飛んだりして目的を達するわけですが、さて放射線はどうでしょうか。3キロ離れれば原爆症は少ないとされますが、水平距離と垂直距離ではなんか違うような気がします。それに灰とか降ってくるんじゃないでしょうか。なんか東京都民総はだしのゲン化しちゃったりするんじゃないでしょうか。あんまり人道的とは言えないような気がします。

 きょうの高校野球中継。愛媛代表済美高校VS秋田代表秋田商業。
「はいこちらアルプススタンドの応援団。秋田といえばなまはげ。なまはげのお面をかぶって秋田商を応援……あ、失礼、こちら愛媛の済美高校の応援団です……」
 いくら愛媛女性のご面相がひとしなみにアレだといっても、この間違いはあんまりです。
 それにしても愛媛は県民女性の美貌とひきかえに野球を手に入れたのか、140キロ台のストレートは打ち返す、変化球はあっさりとらえる、どうにもならんな。ダルビッシュくらいでは圧倒されそうだ。むしろ軟投派のコントロール重視のほうが抑えられそうだ。

 サッカーの南米代表は高校野球で言えば神奈川県代表くらいにどこが出ても強いのはわかっていたけど、アジア代表もこないだのワールドカップで北北海道代表から南北海道代表くらいにはグレードアップしたと思っていたのだけれど、どうも滋賀県代表くらいになっちゃったみたいだなあ。アジアカップは滋賀県予選くらいか。ところで、トゥーリオっていつ帰化したの? やっぱり日本名は鶏男?


8月11日(水)
 大東亜ジョーク。
 辻政信は海軍との連絡のため戦艦大和を訪れた。
 そこで伊勢海老、鯛の刺身、ステーキ、ワイン、スコッチウイスキーといった豪華な食事を出され、「海軍は贅沢ですねえ」と嫌味を言った。
 辻を案内した海軍副官は笑って答えた。
「いえね、辻さんが作戦で無駄遣いする兵隊の、せめて半分くらいの食料の無駄遣いをしてやれ、と長官に命じられたものですから」

 社会主義国家の指導者は、子孫が繁栄しているほど評価が低いような気がする。
 ホーチミン:天涯孤独(妻子を捨てたという噂はあるが)。いまでもベトナムの救世主として崇敬される。
 チトー:妻子はいるが政治に関わらせなかった。「あのユーゴをまとめておけたのはすごい」と鉄腕を評価されている。
 レーニン:妻はいるがスターリンに排除された。ソ連の国父。
 カストロ:息子に権力を持たせないのがキューバ存続の理由と思われる。
 毛沢東:妻に政治に関わらせなけりゃ、もっと評価が高くなったと思うんだが。
 スターリン:妻子はいるが、妻を殺し息子を見殺しにしたことだけは評価できる。
 金日成、チャウシェスク:どんな国を作ってしまったか、言わずもがな。
 家庭の幸福は諸悪の根元。

 オリンピックサッカー予選の韓国対ギリシャは面白かった。ラフプレー連発でさっそく一人退場の韓国。劣勢かと思いきや、先制点、そしてギリシャの芸術的な自殺点で2点リード。後半も終わりかけてもうダメかと思ったところでギリシャ1点返し、そして終了5分前にPKで追いつきドロー。岡山理大付と桐生第一の試合と同じくらい面白かった。阪神はもっと面白い試合をしたそうですが知ったこっちゃありません。さてこれから酒で寝付かないと朝が。


8月10日(火)
 大東亜ジョーク。
「部隊が全滅しそうなことがどうしてわかるか?」
「簡単さ。まず辻政信が逃げ出す。次にネズミが逃げ出す」

 安いのでついゴーヤを買ってしまいました。しかし挽肉詰めを作るのはめんどくさいし、チャンプルーには豆腐が足りない。ゴーヤチップスはからっと揚がったためしがない。結局スライスしておかか醤油であえるということになるのですが、いくらなんでもワンパターンだ。というわけでゴーヤスライスとあえるものをいろいろ試してみました。
 味の素あえ:さっぱりしていい。口に入れた瞬間に散るほのかなうまみと、噛みしめて出てくるほのかな苦みがマッチしている。
 酢味噌あえ:酢が苦みを殺してけっこういける。
 塩辛(ワタガラス)あえ:互いに沖縄素材だからいいかと思ったが、塩辛がゴーヤの青臭さを増幅し、ゴーヤが塩辛の生臭さを増幅し、ちょっと問題あり。
 納豆あえ:よくも悪くも期待を裏切らない。こんなもんかな。
 ツナマヨネーズあえ:サンドイッチにしたが、苦みがアクセントになってタマネギやキャベツよりいいかも。
 アフターデスソースあえ:苦いよ辛いよ痛いよ。
 蜂蜜あえ:もうしません。
 練乳あえ:kasumi様におまかせします。


8月9日(月)
 「業病」という言葉なんですが、私は「ハンセン氏病」という意味でも「前世の因縁による病気」という意味でもなく、単に「ひどい病気」というほどの意味に使っています。わずかですがその用例がないわけでもないようですので。

 暴力団幹部、一般人に蹴られ死亡。「犬が人を噛んでもニュースにならないが、人が犬を噛んだらニュースだ」という言葉を不謹慎にも思い出してしまった。でも最近じゃ暴力団はめったにカタギを殺したりしないけどな。破門かつ極刑は確実だから。いまじゃ一般市民のふりをしてる奴のほうがよっぽど怖い。それに暴力団幹部は長年の不摂生で内臓を壊したり肉体的に衰えてる人が多い。それにしてもいちばんかわいそうなのは付き添いの組員だな。指くらいで許してもらえるだろうか。などと、さまざまな感想が浮かんできました。

 「万死に値する」はたぶん太平記にあるだろ、と適当に考えて南北朝とか書いちゃいましたが、たぶん中国由来なのだろうな。三国志とか。そう思って捜しましたが「中国古典名言事典」にも「中国故事物語」にもありませんでした。しかたがないのでぐぐる。竹下ばっかり。やっと見つけた最古の使用例は、敗戦直後に自殺した本庄繁の遺言でした。まあ彼は敗戦と226事件と、二死には値してるな。二割八分二十本程度だから一億円がいいとこか。(もうちょっと捜してみたら、明末清初(17〜8世紀)らしい中国でできた「説岳全伝」という岳飛物語にあった)
 ところで「万死に値す」は626件。少ない。「突っ込み所満載」は2240件、「という突っ込みは不可」も292件だというのに。……ところで、この三つの語句、検索してはじめて気づきましたが、ぜんぶこのサイトがヒットしたじゃん。なぁんだ、オレのこと言いたかったのか。はっはっは。こいつぅ。

 歳三さんとこの掲示板は熱い。ことを荒立てるのは面白いが、たぶん風俗の店に行っただけでこんだけボロクソに言われる人も珍しくて可哀想。そして険悪な雰囲気をものともせずシスタープリンセスの話題に終始する未鏡氏に萌え。


8月8日(日)
 今日は高校野球でいい試合を見た。ふつう馬鹿試合というのは大量点の取り合いを指すが、桐生第一と岡山理大付の試合は、馬鹿がやる試合という意味合いもこめている。岡山理大付は監督以下全選手が馬鹿だった。飛び出したランナーに目もくれず一塁に投げてしかも暴投する投手、落球しまくる捕手、センターの送球を正拳突きでとんでもない方向に転がすセカンド、ランナーがタッチアップもしていないのに意味もなく本塁に暴投してわざわざ生還させてあげるレフト、のたのたと球を追ってしかもこぼして一塁で済んだランナーをわざわざ二塁に送ってあげるセンター、そして投手の球がうわずってボコボコに連打されて素人が見てもダメなのに交代させずに1イニングに7点取らせてやる監督。ああ面白かった。ありがとう岡山理大付。ビバ岡山理大付。頼むから甲子園に来るな。
 しかもそれで勝つし。勝つなよ。あんまりだよ。
 昔、いしいひさいちの「がんばれタブチくん」で、まったくこの試合と同じ四コマ漫画を読んだ記憶がある。

 高校野球もいいんだが、5回が終わったところで変な歌手の変な声の変な歌が流れるのがひじょうに興ざめ。


8月5日(木)
 ぼぉっと昔のオフレポなど読み返して、ふとリンクをクリックしてみたりすると、半分以上のサイトは畳まれていましたが、残りのサイトをぼんやり見てると、なんと爆乳を揺らせながらフラメンコを踊っていたあの人とか、ほえほえとしていたあの人とか、でんぐりがえししていたあの人とか、みんな結婚しちゃってるじゃないですか。中でも、巨乳好きというより巨乳マニア、いや巨乳依存症もしくは巨乳が大脳にジャンクションされている(FF8参照。むろん「このみ」に「チチガ(乳系の最高級魔法)」が100個ジャンクション)エロ医療事務兄貴と巨乳兼酒豪のギャング情婦系美女なんか、くっついちゃってるじゃないですか。いいなあ、みんな幸せになりやがって。
 などと、えぐえぐ泣きながら他人様の赤ん坊の写真など眺めていたのですが、飛騨さんとかしおさんとか、お変わりない人のサイトを見て、ようやく気を落ち着けることができました。ありがとう飛騨さんしおさん。不憫なのはオレだけじゃない。(とかいって、こうしゃくさんの彼氏が飛騨さんだったら泣いちゃう)

 しばらく前に貰った桃がふにゃふにゃしてきたので、ジューサーにかけて白ワインで割って呑んだ。甘酸っぱくって安物のワインがひじょうに美味くなる。うまかったんだがボトル一本を三十分で空けてしまうという罠。酒の弱い人にはお勧めできない。ま、下戸は炭酸水で割ってろってこった。

 アイスさんのブログははてなアンテナの題名と毎回食い違っているのが面白い。次は「小籠包」でしょうか「レバニラ炒め」でしょうか、はたまた「手巻き寿司」でしょうか。


8月3日(火)
 先月、豚の金玉と鯨の金玉をたてつづけに食って、同行者に「あなたは臭いものが平気なのですか」と面罵されたが、どうも自分は臭いものが平気というより愛しているようです。臭腐乳はさすがにめげたが腐乳は好きだし、ドリアンは物足りなかったくらいだし、クサヤももっとすごかったらいいなと思うし鮒寿司はいちど食べてみたいと思うし。
 動物の臭くない筆頭は豚ですかね。まったくにおいがしない。だから幕末の日本でまっさきに取り入れられたのだと思います。猪で慣れていたというのもあるかもしれないが。野生動物は臭いといいますが、猪も野生の割りには驚異的に臭味がない。せいぜい血の香りくらいです。
 それに比べると牛は特有の臭いがする。輸入牛にはまったくありませんが、和牛のいいのをスキヤキにしたときに匂う、やや甘い香りです。今ではいい香りとして認識されていますが、幕末の日本人はこれが嫌だったんじゃないかな。飼育牛でこれですから、おそらくアメリカのバイソンとかアフリカのバッファローとか野生の牛は、もっと臭いのでしょう。
 羊はマトンのあの特有の臭いが大好きです。羊の野生種といえば山羊がいますが、沖縄料理ではこれがたいへんに臭い。私は残念ながら評判の山羊鍋を現地で食ったことがないのですが、レトルト食品を食いました。レトルトでもなかなか、小鍋にあけた瞬間にあの、動物園の檻のような臭いがただよいました。ところがベトナムでは現地で食った山羊鍋にまったく臭いがなかったのです。私だけでなく他の日本人もみな平気で食っていました。ヌクマムと香草でうまく臭いを殺していたのと、おそらく推察するに、沖縄山羊はベトナム山羊に比べてより野生なのではないでしょうか。
 肉が臭ければ乳も臭いはずだ。とすると、ハイジが楽しそうに食っていた山羊のチーズ、ひょっとすると平均的日本人は臭いを嗅いだだけで嫌になるような悪臭を放つのではないでしょうか。野生に近いし。ぜひいちど食ってみたい。でもモッツァレラ(水牛のチーズ)は臭くないようなので不思議。チーズマジックか。


8月1日(日)
 吉村昭「海の史劇」(新潮文庫)を読む。
 のっけからいきなり、知っていたと思っていたことと正反対の話が出てきて驚く。日露戦争で旅順攻略に苦戦したのは史実だが、旅順要塞を力攻めで落とすことばかりにかまけて203高地を軽視していたのは、司馬遼太郎「坂の上の雲」「要塞」(中公文庫)などから、てっきり乃木第三軍司令官と伊地知参謀長なのだと思っていた。ところがこの本によると、むしろその責めは大山満州軍司令官と児玉総参謀長に負わせるべきなのだという。
 陸軍の計画には最初は旅順攻略はなかった。海軍の要請で、旅順港に逃げ込んだ旅順艦隊を砲撃するために攻略したのだ。だから海軍としても、べつに要塞を占領しなくてもいい、港を見下ろせる203高地を占領してそこに砲を据えつけ、砲撃するだけでよかったのだ。
 しかし大山と児玉はなぜか旅順要塞にこだわった。司馬「要塞」では、旅順を訪れて一瞥して、「なんだ、あれを潰せばいいじゃないか」と言ってのけたという児玉総参謀長であったが、当書によれば海軍に「203高地を攻めろなどとあんたらに言われる筋合いはない。こちらは勝手に要塞を攻める。海軍の命令なんか聞きたくもない」などという意味の手紙を送っているくらいなのだ。たしかに乃木は無能で意固地でどうしようもないが、そんな乃木に最初の先入観を与えてしまったのは、大山と児玉だというのだ。さてどっちが正しいのだろうか。
 さらにバルチック艦隊の戦力評価にもさまざまな見方がある。当書ではバルチック艦隊単独でも日本海軍の艦隊とほぼ互角かやや優勢に戦えることになっているが、大江志乃夫「バルチック艦隊」(中公新書)はこれと正反対で、日本艦隊より遙かに劣弱、旅順艦隊と合同すれがなんとか戦えるが、それが壊滅したあとでは負けることは確実という。大江の分析では、たしかに戦艦8隻は日本の4隻の倍ではあるが、うち4隻は老朽艦で戦力というよりも足手まとい、残りの新鋭艦4隻もそもそもがバルト海の内海で使うことを前提に建造された船で太平洋の荒波に耐える能力が乏しく、おまけに主砲軽視の思想で日本軍艦にくらべ威力で負けている(大口径砲はロシアのほうが多いが、旧式の初速の遅いやつだったり、それを載せている船が旧式でのろかったりする)というのだ。
 読む側の素人としては、いろんな説があったほうが楽しい。司馬遼太郎の日露戦争観はこれまでもいろいろ批判されていた(ひどい人になると、司馬の日露戦争は参謀本部の日露戦史の丸写しだという)し、東郷平八郎の作戦もいろいろ批判されていることは知っていたが、しかしこれほど根本的なところで食い違っていたとは。なんだか日露戦争を勉強してみたくなった。

 それはそれとして別なところでも興味深い。日本海海戦で負けたあと、ロジェストヴェンスキー司令長官の幕僚たちは「長官だけは生きてウラジオストックへ送り届けたい」と行動するが、それはイコール、「長官のお側にいる自分も無事に生き残りたい」だったりする。いまの日本でもプロ野球のコーチとか大臣とか部長などが「オヤジを男にしてやりたい」「オヤジに泥をかぶらせたくない」などというが、それはイコール、「オレが脚光を浴びたい」「オレも罪に問われたくない」だったりする。乃木将軍についても同じ事が言える。幕僚が危険な前線へ視察に行くのを危ぶんだりするが、実際に前線で犬死にしている兵隊のことは気遣わない。孟子の言う「仁であるにはあるが、大仁でなく小仁」のたぐいである。辻政信も自分の身近の兵隊は愛したが、違う連隊の兵隊だと、平気で殺すのも同様の作戦に投入したという。

 最近なぜか言葉遣いの間違いや言葉の誤用を指摘する記事や書き物が多いように思う。日本の伝統を守れ、と言う人もいるが、守りきれないような伝統ならなくなっちゃってもいいんじゃないかとも思う。たとえば吉村昭ほどの文豪でも「享年七十二歳」などと書いているのだから、若い人がら抜きするのもしょうがないかな、と。むろん、「享年」とわざわざ書いているのだから、後ろに「歳」という単位をつけるのはまったくの蛇足で、「享年七十二」と書くのが論理的にも伝統的にも正しい。


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