くだらな日記(2002年8月)


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8月30日(金)
 富士の裾野で陸上自衛隊の総合火力演習を見学。これについてはネタにしたいのでのちほど。
 それはいいのだが、東京に戻ってから居酒屋で飲み、ビデオ屋で「ゴジラは置いとらんのか」「フリークス作れ」と騒いでひんしゅくを買い、うらぶれた喫茶店で電気ブランを飲み、カラオケで軍歌の日々。ついに夜を明かす。へろへろ。貧乏なくせにそういうことするんじゃありません。いいかげんにしろ。
 おかげで今日は、眠気と吐き気と日焼けと筋肉痛と後悔とで身動きもままならぬヒドいありさま。やれやれ。


8月23日(金)
 西武オリックス戦でとんでもない誤審発生。同点で迎えた八回表、オリックスの攻撃はワンアウト満塁。ここでセギノールの打球は痛烈なゴロだったが一塁手が好捕。ファーストを踏み、ホームへ送球。三塁ランナー谷は捕手伊東の背中から本塁にすべり込み、伊東はタッチどころか腕を動かすことすらできなかった。
 なのに判定はアウト。最初にファーストを踏んでいるのでフォースプレーではない。タッチしないとアウトにはならないのに、明らかにタッチしていない(タイミングとかの問題ではなく、捕手は腕を動かしてすらいないのだ)のに、どういうわけかアウト。オリックスの抗議を完全無視してアウト。
 同じころ、読売と阪神の試合では、阪神の星野監督と田淵コーチが退場処分となって読売が危なげのない勝利。ふーん。なるほどね。こうしてセパ両リーグのトップは独走を続けているのですな。いやめでたい。


8月21日(水)
 某所でメーテルスレが盛り上がっている。女ばかりにいい目見せるのはシャクだ、と検索してみたのだが、ハーロックスレというのは存在していないらしい。しょうがないから自分で作る。

 市場の中を 俺はさすらう
 人は俺を呼ぶ
 キャプテン・ハーロック……
 俺の偉大な友は、ブルボンのポテルカが好きだった……
 しかし地球の人間どもは、ポテルカを「貧乏人のチップスター」と呼び
 場末の市場のちっぽけな陳列棚へも並べようとはしなかった……
 俺はさすらう 広大なる埼玉を
 俺はさまよう 悠久の次元を……
 ポテルカ そしてチーズクラッカーと野菜クラッカー
 時間のなかで失われた勇者の礎を……
 俺の胸の中に燃える火が 消え失せぬかぎり……

 これを書くためにキャプテン・ハーロック全三巻(秋田文庫)を購入した私はアホウです。


8月19日(月)
 私のイメージする四国の地図はこんなもんです。すみません。
 もっとも自分が住んでいる関東地方も、こんな感じなのですが。


8月17日(土)
 夜中にテレビ埼玉でやっている浦和レッズの番組を偶然見たのだが、これがものすごく面白かった。
 球団の番組といえば、ジャイアンツのように痴呆面したタレントが馬鹿なことを言い散らす馬鹿丸出し番組か、タイガースのように成績そっちのけで「関本くぅ〜ん」などと叫んで傷をなめあうぬるま湯番組か、どっちかだと思っていたのだが、これは違う。まるで弾劾裁判。
 曰く、残り十分での失点が多いのは、小学校から教えられてきた「笛が鳴るまで集中を切らすな」という常識すら身についてないのだ。曰く、ディフェンスがたやすく抜かれてしまうのは、監督から言われたマークを愚直に守るだけ、要するに自分で考える習慣がないのだ。曰く、エメルソンはガキだ、日本のサッカーをなめている、これからは退場したら百万円くらい罰金を取れ。出演している司会者、評論家、新聞記者、OBがそう言うだけではない。番組に送られてきたファックスも、「失望した」「なにをしようとしているのか見えない」「つまんねえ試合ばっか」「もう見ねえよ」などというものばかり。
 いいなあ。こういうの大好き。
 もっともなんやかんやの理由ではなく、レッズってのは、要するに小野のワンマンチームだった、小野以外カスばっか、というのが正解なような気もするのですが。
 こういう番組、たとえば札幌でもやっているのかなあ。見たいなあ。みんなで暗くなって「……みんなビンボが悪いんや」「……エメルソン、いらんのやったら返してくれや」「……ウィルがおってくれたらなあ……」「……うっとこの日本人は、J2も勤まらんからのう」などとぼそぼそ呟く番組が。うー見たい見たい。


8月14日(水)
 佐高信のように誤解している人がおおいのですが、司馬遼太郎はけっして「成功者、エリートの伝記を書き散らして会社社長のお気に入りとなった」というような単純な作家ではありません。
 司馬遼太郎は菊池寛と同じく、「テーマ小説」を書いた小説家だと思います。
 司馬遼太郎はある人物を書く前にその人物像を決める。織田信長なら革命児、坂本龍馬ならあらゆる常識から離脱した野生児、高杉晋作なら革命を遊蕩した男、といったように。そしてそれに合わせて資料を取捨選択します。これは歴史家なら許されない行為ですが、小説家には許されます。一貫したテーマに沿った行動のみを描くから、誰にでもわかりやすい小説が書けるのです。だから小説を読む訓練を受けていない実業家にも人気があったのでしょう。
 司馬遼太郎は資料を大量に集める小説家として有名でした。たとえば「坂の上の雲」を書くときには、明治の海軍から文壇から社会からに関する資料を集めまくったそうです。古書店のカタログで注文して送り込まれた書籍が小型トラック数台分だったとか。資料収集力は、おそらく他の歴史小説家の三倍はあったでしょう。
 そしてそこから、今回のテーマにあった資料のみを選択し、使用します。テーマに合わない半分の資料は捨てます。しかし残りの半分でも、他の歴史小説家の一.五倍。これを駆使して小説を書くのです。豊富な資料に裏付けられているから、人物像がふくらみ、人間的なものとなる。
 ちなみに似たような手法を駆使するテーマ小説家として塩野七生がいると思いますが、彼女の資料収集力はたぶん標準。半分捨てるから、使う資料は標準の半分。そのため彼女の小説の登場人物がしばしば痩せからび、テーマの操り人形のように思えてしまうのでしょう。


8月11日(日)
 Jリーグ第一ステージの優勝を左右する横浜Fマリノス対鹿島アントラーズの試合は、アントレフェリー(マリノスのファールはイエローカードにし、アントラーズのファールは見過ごす。アントラーズ選手のハンドは無視してマリノス選手のハンドはきびしく取る。アントラーズのキーパーが明らかに触ったシュートをコーナーキックでなくゴールキックにする、などなど、あからさまにアントラーズに有利な判定を下したレフェリー)の大活躍により、アントラーズの黒い勝利となった。これでマリノスは絶体絶命。最終戦でジュビロが負けるか引き分けでないと優勝の目はない。
 しかし私はマリノスを応援するぞ。その理由は試合前に報道された某アントラーズ選手の、許すべからざるコメントだ。
「第二ステージでしゃかりきになったジュビロと優勝争いしたくないので、ここはすんなりジュビロに優勝してほしい。だからきょうは勝ちにいく」
 なんということだろう。ここにはJの理念もスポーツマンシップもない。いい試合を見せようというショーマンシップすらない。何もない。あるのは自分さえよければ他はどうでもいいという利己主義的姿勢と、自分のためにJリーグがあるという肥大しきった誇大妄想だけだ。まるでジャイアンツの選手のような奴だ。アントラーズの野郎は。
 アントラーズは創設から好意的に見てきた。ジャイアンツ的にJを支配しようとするナベツネの醜い野望の手先となっていたヴェルディの対抗馬として。そしてマリノスにはあまりいい印象を持っていなかった。フリューゲルスの吸収に際しての首脳部の姿勢から。
 しかしそんなことはいってられない。私はマリノスを支持するぞ。そしてアントラーズとジュビロの二朝並立という、政界の自社体制にも似た悪しき五十五年体制を粉砕するのだ。潰すのだ。たたきこわすのだ。ぶっつぶすのだ。虐殺するのだ。アントラーズとジュビロを。欲望と利権と自己保存本能のみで構成された、サッカー界を徘徊する醜い化け物を。その化け物は、おそらく中山とジーコという顔をもっている。


8月10日(土)
 すっかり忘れておられる人も多いかと思いますが、元オリックスで鳴り物入りでメジャー球団カージナルスにFA移籍した天才外野手、田口選手。シーズン開幕直後に3Aメンフィスに降格されていましたが、このほどさらに降格され、2Aニューヘブンに移籍したそうです。どこまで堕ちるのか。ううむ。FAで阪神に移籍していればおそらく濱中とのポジション争いにも勝ち、赤星とホワイトは出番すらなかったと思われる選手でも、メジャーでは通用しないのですかね。ううむ。

 とりあえず気が向いたらコミケには行ってみたいのだが、お台場嫌いだし人が多いの嫌いだし、ううむ。だれかたそがれながら出かけてみたい人、いませんかね?

 話題沸騰中の長野県知事選の陰に隠れるように、ひっそりと人知れず香川県知事選も開始。まあ香川だからしょうがないか。あそこは日本うどん党か全日本夜這いクラブでも旗揚げしない限り世間の注目を集めることはあるまい。
 と思っていたらとんでもない隠し球がいた。佐佐木アシュファ麻コ候補者。最初はぜったい字化けだと思っていたよ。名前からいって麻原系のあやしげ宗教教祖とかそういう人かと思っていたが、まっとうな会社社長、しかも女性だという。ニューヨーク・パーソンズデザイン学校中退という経歴を偽らない態度にも好感が持てる。デザイン学校を中退して服飾デザイナーだったはずなのに、なぜか土砂海運事業に乗り出しているというミステリアスな経歴もステキ。これはひょっとしたら、とんでもない逸材かもしれない。


8月7日(水)
 胃が痛くて終日仰臥。ううう、まだ胃の底がちりちりする。冷や汗が出る。全身が熱っぽい。あうう、それより家中の酒という酒がなくなっているのはなぜですか。
 いや待て、ベトナム土産のコブラ酒だけは残っているぞ。あれを飲むほどには正気を失っていなかったということか。オレもまだまだ捨てたもんじゃない。
 とかいって今晩あれを飲んだとしたら、あるじゃーのんのおはかにはなたばをそなえてやてくらさい。××。


8月6日(火)
 そういえばこれも昔、花王名人劇場でやっていた「にっぽん笑売人」というドラマは力作だった。私はジュリーが林正之助を演じるというので見ていたのだが、登場する芸人もなかなか。
 なにしろエンタツ・アチャコ、桂春団児、ワカナ・一郎など、日本芸能史に残る芸人である。とうぜん演じる俳優も一流の芸人でなければならない。というわけでエンタツ・アチャコはオール阪神巨人、春団児は横山やすし、ワカナ・一郎は宮川大助花子と、当時の吉本トップスターが演じたわけだ。だれかビデオを保存していないかなあ。
 あるいは新シリーズとか。正之助会長の晩年。沢田研二はそのまんま、白髪染めを落とせば使えます。やすしきよしは、やはり太平サブロー・シローですか。ルーキー新一は田中裕二とか。会社が違う。だいいち小太りの体格が似ているだけだ。


8月5日(月)
 かつての「お笑いスター誕生」で好きだった芸人ベスト3。
1.怪物ランド
2.キモサベ社中
3.九十九一
 あとラーメンの銘柄をべらべらとしゃべるミスター梅介や、茨城弁をお笑いにはじめて持ち込んだ(先見の明があったと思う)マギー司郎も好き。こうして見るとまごうことなきマイナー好みですな。私が気に入ったアイドルや芸人は売れたためしがない。しかし怪物ランドって、いま持ってきてもナイナイやますだおかだよりは面白いと思うのだけどな。

 新しい紙幣のデザインが樋口一葉と野口英世になったことで世間は非難轟々。ま、新紙幣発行やら自販機やCDの対応などで需要拡大を目論んだのがミエミエですからね。たしか偽造防止のため紙幣の肖像はシワやらヒゲやらの多い顔がいいとか、野口英世はあのややこしい髪型があるものの、樋口一葉はつるんぺたんの顔だからなあ。いっそ女流作家にするなら、シワシワで蝦蟇の化け物のような岡本かの子にしたらいいのではないか。
 それにしても福沢諭吉、夏目漱石が紙幣になってなぜライバルの大隈重信と森鴎外がならないのかというと、やっぱり大隈は対支二十一箇条の要求が、森は軍医総監という履歴が祟っているのでしょうな。
 いっそ戦犯紙幣と銘打って、高村光太郎、吉川英治、斉藤茂吉を選んでみるのもいいと思うのですが。徳富蘇峰は言論のレベルが低いので却下。


8月3日(土)
 きょうは戸田板橋共催の花火大会。うちからは前のマンションが邪魔になって半分くらいしか見えないのだが、家のベランダからのんびりと花火見酒といかせてもらう。 人混みに揉まれながら河原まで出かけていくよりは快適だし、それに暑くなってきたらすぐクーラーの利いた部屋に避難できるしね。しかしこうして見ると、花火ってのは相乗効果の芸術ですな。


8月2日(金)
 住基ネットには問題点がいろいろと指摘されていて、ハッキングに対する脆弱性もそのひとつなのだが、たぶん政府や役人のほうではわかっていないね。先週くらいに朝日新聞で桜井よし子と片山総務相の対談があったのだが、桜井が「攻撃に対し極端にもろいウィンドウズを大事なシステムに使うのは世界中の笑いもの」と突っ込んだのに対し、片山が「へ? ウィンドウズってなに?」と言わんばかりの答弁をしていたのが非常に笑えました。親玉がこれだもんな。あと片山は「ハッキング技術が向上すれば防御技術も向上する。たとえハッキングされて情報が漏洩しようとも、次にはそれをうち破る防御技術が必ず開発される」とも言っていたが、最初に破られちゃダメじゃん。
 どうせなら住基ネットの立ち上げを一ヶ月遅らせて、八月の一ヶ月間、政府関連のネットワークはハッキングクラッキングすべてやり放題、ということにしたらどうか。外務省の犯罪情報を盗んでも首相官邸ページをエロ画像に書き替えても小泉メールマガジンと名乗ってエロメールを一千万人に送信しても、すべて無罪。そういうことをやられるようなひ弱なシステムが悪い、ということで。そうすれば努力して、少しはましなシステムになっていると思うのだが。
 しかし個人情報が漏洩してもっとも困るのは、一般人より有名人ですよね。モー娘。のメンバーの実家の住所がバラされたり、SMAPのメンバーの自宅の電話番号がバラされたり、稲垣吾郎の交通違反の詳細がコピーされてバラまかれたり、という事件が、これからますます増えると思うのだが、芸能人が集まって住基ネット反対を訴えていたという話は聞かない。
 と思ったら、おお、三田佳子が桜井よし子といっしょに反対を訴えているじゃん。そうだよね。三田佳子は考えてみれば情報がバラされたらいちばん困る人物かもしれない。息子の調書とか、息子の犯罪歴とか、息子の裏口入学の手口とか。住所や電話番号がバレたら、抗議の手紙とか嫌がらせの電話とか、じゃんじゃんかかってきそうだよね。切実だ。


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