くだらな日記(2001年9月)


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9月28日(金)
 新日本プロレスの佐々木健介選手は、今年はじめの全日本プロレス・川田選手に敗退、総合格闘技の藤田選手にも敗退し、悩んだすえ失踪していた(新日本にはこんなの多いな)。
 先日久しぶりに姿を現し、復帰宣言をしたが、なんと失踪中はアメリカに渡り、ドン・フライのもとで総合格闘技のトレーニングをしていたという。最近アメリカでバリー・トゥードの試合もやったそうで、ホームビデオによる映像も公開されていた。確かにオクタゴンのマットで格闘技ルール、そしてマウントポジションからの打撃で佐々木が勝利。バリートゥードファイターとしての佐々木の完全復活かと思われた。
 しかし今週号のゴングで、10月8日の東京ドームでの佐々木の対戦相手である藤田選手が、なんとも重大な暴露を。
「(佐々木が倒した相手、チェイズと)同じ奴だったってマサさんの奥さんから聞いたんですけどね。あともう一試合やったんですよ、大きな黒人と。僕、あのとき一日二試合やったんですよ(笑)。(中略)本当にバーですよ、みんな飲んでましたもん。(中略)全然メジャーじゃない、UFCまでいかない腕自慢みたいな連中が集まっていて」
 ……おいおい佐々木、バリートゥードでも塩試合かよ。
 ゴングは記者に力量がないので記者による記事はまるでおもしろくないが、チェック能力もないのでこういう暴露がレスラーのインタビューでぽろぽろ出てくるところが楽しい。

 狂牛病のせいか、牛肉が安い。近所のスーパーでは正札こそ従来のままだが、牛肉のパックにはのきなみ「二百円引き」「三百円引き」の値引き札が貼ってある。だいたい半額になっているみたい。
 なんか嬉しくなって、普段なら買わない上等肉(とはいってもグラム三百円だけど)を購入。ネギ、エノキダケ、豆腐も買い揃え、さて今晩はすき焼きだ、と思っていたら鮮魚コーナーのさんまが目についた。
 さんま、そうだよなあ、秋だよなあ。秋といえば松茸よりさんまだよなあ。炭火でさんまを焼くのが年来の夢だったんだよなあ。
 そう思うと居ても立ってもいられずにさんまを購入。すき焼きは後回し。さっそく炭火をおこし、塩焼き。
 半分に切ったさんまを網に載せると、たちまち朦々たる煙がわき起こる。おまけにしたたり落ちた脂に引火して地獄のごとき劫火が。あわててさんまを避難させようとするが、動かすたびに脂が落ちて引火するので始末に負えない。
 炭のごとくなったさんまを大根おろしと醤油にすだち酢を添えていただく。あ、意外と中は大丈夫だ。
 二本目は注意して炭火が衰えた頃に焼く。こんどは煙も少なく、ゆっくりといい具合に焼けた。大成功。皮はぱりぱり、身はほくほく。脂が中身にしみこんでいてほどよい加減。ぴりっとした大根おろしと醤油、そしてすだち酢が味をひきしめる。もちろん酒は日本酒。きょうは「獺祭」できめてみました。んー、うまい。
 家で女房が焼く魚はどうも定食屋より味が落ちる、という旦那様、炭火コンロの購入を検討してみてはいかがでしょう。
 しかしこうして独身中年男が背中を丸めてさんまを焼きながら食っているところは、我ながらわびしい図ですな。煙が目にしみる。


9月27日(木)
 心霊評論家の中岡俊哉さん逝去。合掌。
 この人が化けて出てくれなかったら、もう心霊現象なんて信じないぞ、そんな感じ。


9月26日(水)
 驚いたな。近鉄・北川(前阪神)の代打逆転サヨナラ満塁釣り銭なし優勝決定ホームラン。こんな長い但し書きのついたホームランはもちろん空前絶後である。ちなみに「釣り銭なし」とは記録の神様・宇佐美徹也氏が好んだ言葉だったと思うが、ホームランによって1点差で勝利となる、まったく無駄な点のない劇的な状況のこと。
 近鉄と北川には素直におめでとう。特に北川。阪神にいたら死ぬまでできなかっただろうから。

 たぶん報道管制のため不当に報道頻度が少なくされているニュース。アメリカのイスラム系住民への暴力行為と日本の狂牛病と稲垣メンバー。


9月24日(月)
 近鉄が中継もないほど目立たずにマジックを減らして優勝目前なのに対し、ヤクルトはジャイアンツとの首位決戦に三連敗して怪しげなムード。昨日のプレーといい今日の九回といい、審判は元木のからんだプレーはすべて元木有利にしようと決意しているかのようだが、しかしこうもハンで押したように負けられるものか。
 全部、先発投手を序盤で交代させる長嶋ミラクル采配→投手陣の混乱につけ込みヤクルト先制→しかし肝心なところで点が取れず最少得点のみ→斉藤雅が登板してヤクルト打線沈黙→そうこうするうちジャイアンツ一点差に→主軸の一発で一挙にひっくり返す→ヤクルトは同点機でも打てずそのまま終了→ウマー、ばっかじゃん。
 優勝目前のチームがこうもヘタレてしまったケースといえば、98年の日本ハムと92年の阪神が思い出される。特に阪神はひどかった。マジックがひと桁になったところで金縛りになったような試合を連発。あれで新庄も亀山も野田も仲田もヘタレ選手の烙印を押され、以降の野球人生は暗いものとなった。そういえば日ハムの岩本や金村や西浦や上田もヘタレたな。
 ところで日本ハムも阪神も、その後は長い低迷に入っている。低迷というか最下位独走というか、もうあそこでチームとしてヘタレてしまったとしか思えない。今年のヤクルトも、もし優勝を逃すようなことがあれば、来年から最下位だ。古田が抜けたら阪神に毛の生えたようなチームだ、ということを、すでに今期証明してしまったし。


9月23日(日)
 大相撲はつまらなくなったのだろうか。
 たしかにかつての満員御礼の連続記録はとだえ、空席の目立つ国技館。横綱の貴乃花は休場し、武蔵丸はふがいない取り組みで金星5個配給の新記録を樹立。綱取りを目指す目玉商品だった魁皇は連敗を重ね途中休場。千代天山と雅山も魅入られたように並んで途中休場。先場所大関から陥落した出島は漂白されたような身体でのたのたと負け越して平幕まで墜落。役付の上位力士十人のうち、優勝争いに絡んだのは武双山と栃東のたったふたりという惨状。これでは「つまらない」と吐き捨てられても仕方がないか。
 しかし目をもっと下位に移せば、かなり面白いのだ。若くてよく動く幕内の力士が、イキのいい相撲を見せてくれる。優勝の琴光喜はもちろんだが、朝青龍や旭天鵬などのモンゴル勢、海鵬、大善、などなど。いまの大相撲は五時半までが面白い。あとの三十分は「でかいデブよたよた土俵割りタイム」もしくは「太りすぎおっさん自分の体重で腰くだけタイム」。
 逆に言うと三役や横綱といった「格」が否定されて、その時強い奴、調子のいい奴が勝つ、予想のつかない展開となって大相撲は面白くなったのではないだろうか。それはあたかも、桜庭、藤田といったニューヒーローが突如として誕生しては、次の試合では惨敗するプライドの魅力のようだ。
 これはひょっとすると、八百長が減少したことによる効果ではないだろうか。星を買えなくなったから、カド番の不調大関が容赦なく転落してゆく。調子のいい平幕力士が優勝する。横綱候補といわれた力士でも、油断するとあっという間に堕ちていく。
 週刊ポストで八百長と名指された力士がすべてヤオ力士だとまでは思えないが、ポストすら「ガチンコ力士」と認めたのが武蔵丸、武双山、魁皇。まさに万人が認める八百長しない力士だと言えよう。その彼らが上位力士陣を構成し、八百長を噂されていた曙や琴錦が引退し、寺尾が十両に陥落した今、角界は浄化されつつあるのかもしれない。
 もっとも、スポーツが進化して奥が深く面白くなってくると、きまって一般の人気は落ちるのだよな。スカッとわかりやすいひとり勝ちのヒーローがいなくなるから。野球しかり、サッカーしかり、プロレスしかり、キックボクシングしかり。それはそれでやむを得ないか。


9月22日(土)
 断念宣言。
 数日来雑文企画の話を考えていたのだが、どうにもならん。松茸とおはなしの両方をおりこんだ話にしようとしていたのだが、フレーズを織り込もうとすると文章が長くなる、文章が長いと文頭作文が困難になる、そっちばっかり気にすると縛りを消化しただけのつまらない話になる、という具合で熱が出るほど悩んだのだがギブアップ。あかんわ。松茸は自分が発端だっただけに申し訳ないが。

 てなわけで民話や昔話をいくつか読んでいたのだが、やはり「シベリア民話集」(岩波文庫)が最高です。傑作。近代合理精神を無視した豪快な物語の数々。
 自分のうんこと結婚する男も豪快だが、「兎のミルトカリク」という話も素晴らしい。いきなり、兎のミルトカリクとアゴヒゲアザラシのウパピリが「きれいな氷にお前が乗るときたなくなるぞ」「ちがうわ。あたしのうんちは太くてつやつやだけど、あなたのうんちは丸くて、かさかさして、まるで白い石ころみたい」などと論争するのだ。そのあげくアゴヒゲアザラシの老夫婦が、孫娘の目の前で惨殺されるのだ。兎に。なんという血なまぐさい話でしょう。どうやって殺したのでしょう。
 「トルガネイとアルタレイと妹のネレンチク」という話は、これがまたダイジェストしようのない傑作で、何回読んでも誰が誰の味方だかまるでわからない。「カラスとフナ」なども、おいおい最初のカラスとフナはどこいったんだい、という暴走ぶりだ。美しい話だってある。「蛙と美しい娘」は蛙の娘が不憫で泣けてくる佳作。
 そういうのがあるかと思うと、「魔法の角のスプーンはロシアの兄弟によって博物館に入れられ、その代わりにじいちゃんにはコルホーズでの豊かな暮らしをくれたわ。これでおしまい」などというやたら世知辛い話もある。また熱が出そうだ。


9月20日(木)
 なんやかんやで横溝正史「悪魔の手毬唄」(角川文庫)を読み返しているのだが、前から気になっていたことを調べてみた。
 気になっていたのは、行方不明となった多々羅放庵さんの庵で発見された、山椒魚のことである。

 水瓶の水の底には世にも醜怪な動物がうごめいていた。やもりかいもりを拡大したような生物が、瓶いっぱいにうごめいている。黒褐色の全身のところどころ黒い斑点があり、それに体いちめんにいやらしいいぼである。頭がいやに大きくて、扁平で、しかも、四本の手足が生えている。

 という描写から、これがオオサンショウウオであることは間違いない。近畿から中国地方の山間部に分布する、全長一メートルを超す大型の両生類だ。
 しかしこのオオサンショウウオ、絶滅寸前のため特別天然記念物に指定されているのだ。それを捕らえ、あまつさえ鳥目の治療のため食おうとした放庵の行為ははたして許されるのだろうか。
 ということで調べてみたのだが、オオサンショウウオが天然記念物に指定されたのは昭和二十六年。翌年には特別天然記念物に指定されている。「悪魔の手毬唄」事件があったのは昭和三十年。やはり放庵の庵にいたのは、特別天然記念物のオオサンショウウオだったのだ。
 天然記念物を殺したり食ったりする行為は、文化財保護法により五年以下の懲役、または二十万円以下の罰金に相当する。もっともこれは平成六年の最新版だ。文化財保護法が制定された昭和二十五年の量刑がどうだったかわからないが、罰則があったことは間違いない。
 そのうえこのオオサンショウウオ、どうやら事件のあいだ瓶の中に放ったらかしにされていたらしい。「こういう動物は餌がなくとも案外生きているもんですね」じゃないだろ耕助。死んだら責任問題だろ。放庵の庵に入った磯川警部がまずなすべきことは、犯罪者の放庵の行方を探すことではなく、特別天然記念物のオオサンショウウオを保護することであったはずなのだ。私立探偵の金田一耕助はともかく、磯川警部にはその義務があったはずなのだ。今だったら岡山県警の不祥事として新聞で糾弾される大失態である。
 そういえば白土三平「大摩のガロ」(忍法秘話2)に登場するハンザキという忍者も、オオサンショウウオを焼いて食っている。あれを食うと矢や手裏剣が刺さっても、急所以外なら大丈夫になるらしい。むろん、明治以前のことだから、これは犯罪を構成しない。しかしあれ、うまそうだな。タイとか行けば食えないか。


9月19日(水)
 アメリカ爆撃事件もそろそろ小休止。新しいニュースは出てこないし、出るニュースはぜんぶ米国政府検閲済だし。最初は「米軍、タリバーンを爆撃」とかやってくれたCNNも、すっかり誤報ということにされちゃってるし。
 それにしてもなあ、ABCの放送には萎えたぞ。いい歳したニュースキャスター(筑紫哲也似)が政府高官(たしかパウエル長官)にインタビューしていたのだが。
キャスター「それにしても、彼らはなぜ、こんなにも我々アメリカのような、自由で平等で民主主義の国を憎むのでしょうか?」
高官「自由、平等、民主主義、それらの概念を憎む悪魔のような国や人々がいるのです」
 ……なんだかなあ。これだけの大惨事があっても反省しないのかよ。死んだ人には罪はないことはわかっていても、こーゆーことを言う奴らのいる国の人間の死を悼む気にはなれないなあ。

 ぼーっと思っているのだが、原よう子さんってそんなヒドいことを書いたのかなあ。馬鹿だとは思うけど、みんなが思っていることを書いただけだと思うがなあ。それを鬼の首獲ったように騒ぐことはないと思うけどなあ。まあ、公人は言動に責任もって、というのもあるが、総理じゃない陣笠にすぎないんだから、どうせたいした影響力ないんだから。「日本はアジア諸国に悪いことはしていない」などと言いふらして歩く議員だっているんだから、「いまこそタリバーンと手を結んで米帝を倒そう」と決議する議員団くらいいないとバランスが取れないと思うのだが。田嶋さんなんか、「このテロは男による陰謀です。ハイジャック犯の全員が男であることが確認されました!」とか言ってくれないかなあ。辻元さんが「いまこそピースボートをアフガニスタンへ」と言うのも可。あるいは水島広子さんが「旦那はバッグパック背負ってカブールに旅行に行きました」とか。末広まき子さんが「このように暗い状況こそ、万博で明るくやりましょう!」とか。小渕優子さんが「タリバーンって、アフガニスタンの隣の国なの?」とか。

 などという世間の風に流されず、炭火ラブ。
 今日はえとっちさん直伝の豚バラ胡椒焼きのつけだれレシピにヌクマムと泥ソースを加え、タイ北部イサーン料理のガイヤーンっぽくしてみました。
 鶏手羽先とトントロ(ビートロ? 豚の首筋当たりの、霜降り状に脂ののったところ)をこれに漬け込んで炭火で焼くと、それはもうもうもうと煙が立ちこめて。顔はもう汗と脂と涙と鼻水でぐしゃぐしゃ。特にトントロは脂肪が豊富なので、脂がしたたるたびに炎が燃え上がり、そのつど火災報知器が気になるのでした。
 でもそれで焼き上がった手羽とトントロのうまさときたら。炭火で焦げたところの香ばしさと味のしみこんだ肉の味がたまらない。ガスと違って炭火で焼くと、肉が水っぽくならないんだよね。焦げも香ばしいし。「肉を焦がして喜ぶなんて最低だ」と言ったのは丸元淑生でしたっけ。あっち行けしっしっ。


9月16日(日)
 金曜日の晩から今日まで小淵沢の泉郷に行ってきました。やっぱ涼しい。夜でも寒くならないし、外で炭火焼きするには絶好のシーズンです。
 みんなで漫画を持ち寄って読もう、という企画でしたが、「サルでも描けるまんが入門」を久々に読めて嬉しかった。永嶋慎二の「そのばしのぎの犯罪」はエッチでよろしい。「仮面の忍者赤影」は、その身勝手なストーリーに怒りすらおぼえた。これ、原作からクズだと思った。クロマティ高校はみんなに支持されてました。
 「私の心のバイブルはクロ高です」「俺はやっぱり、モテモテ王国かなあ」「私はサルまんだな」「みんな、もっとマシなバイブルを持とうぜ」本当にあった会話。

 「悪魔の手毬唄」(横溝正史原作・つのだじろう作画:講談社漫画文庫)を読む。ある意味、金田一ものの極北と言えましょう。「原作に忠実・金田一耕助かっこいい・やおい的演出」で耕助やおいに絶大な人気を誇るJETSが極南とすればですが。
 とにかく設定をものすごく変えてしまったあげく、金田一耕助がちんちくりん・天然パーマ・チョビヒゲ・メガネといううさんくさい風体。アイドル歌手の顔はいつものつのだじろう顔で怖くはあるが可愛くないし。トップレスを別にしても衣装のセンス悪すぎだし。
 しかしこういうところ、実は原作に忠実ではないのか。
 横溝正史は生前、「金田一耕助はあくまで三枚目」と語っていました。石坂浩二の演じた金田一耕助が原作に忠実な格好なのを喜びながらも「ちょっと二枚目過ぎる」と難じていましたし、「金田一耕助役でいちばんぴったりする俳優といえば、渥美清かな」とも語っていました。だからあのうさんくさい金田一耕助は、原作にある意味忠実なのです。
 またセンスの悪さも、実は原作に忠実なのです。横溝正史は昭和ヒト桁こそモダニズムの旗手でしたが、戦後はやや時代に遅れています。田舎の庄屋一家の相続争いなどを書くとはつらつとしているのですが、「白と黒」では新興マンションの犯罪を書こうとして失敗しました。「吸血蛾」ではファッションモデルの華やかな世界を書こうとしたのですが、いっこうに華やかそうではない。まるで場末のストリッパーの世界のようでした。「病院坂の首縊りの家」ではジャズバンドの内紛を書いていますが、なんだか田舎の青年団のお神輿をめぐる騒動のようでした。
 そしてまた、「悪魔の手毬唄」自体がそうです。原作では故郷に錦を飾るジャズ歌手、大空ゆかり。なんせ異名が「グラマーガール」なんですから。しかも金田一耕助が「じゃあその、グラマーガールのおしりを拝みに行きましょうか」などと言うのですから。しかもこれ、美空ひばりがモデルであることは明白です。しかも晩年の大歌手のイメージとはまるで違う。デビュー当初の美空ひばり。十いくつの少女がセクシーな衣装でセクシーな歌を達者に歌うのでゲテモノ的な人気があったという、美空ひばりです。まともな歌手じゃない、と歌謡界で評価されていた頃の美空ひばりです。今にたとえると、モーニング娘。がマドンナの曲をカバーするようなものでしょうか。もっとも、モーニングメンバーには美空ひばりの歌唱力は皆無ですが。
 それにしてもなあ。おっぱい放り出して「あなたの脳天をザクロのように砕いてやる」なんて歌う女の子のグループ、もしヒットしたって県知事が感謝状を送らんだろうし親がコンサートに行かせないだろ。


9月14日(金)
 ええと、「日本人の安否」についてやたらに報道することが嫌いなのは、決してエセコスモポリタニズムからではありません。他のもっと重要な情報を止めてまで流されることへの苛立ちです。野球中継の途中で浴衣の女子アナな出てきたりモーニング娘。がはしゃいだりする映像が流れるのが嫌いなのと一緒です。お前らもっと他に流すべき映像があるだろう。野球を映せ野球を。というやつです。いや待て、そこまでひどくはないか。むしろ野球中継で松坂や長嶋ばっかり映すのと一緒かな。要はもっと面白い話を聞きたい、犯人は誰なんだやっぱ残りの一機は撃墜したのかボイスレコーダーはどうした爆発の煙が悪魔の姿になったのはなぜだアメリカでのアラブ人いじめは報道しないのかアフガニスタンの爆撃はどうなったあの事件が起こったとき中東は夜のはずなのに喜んでるパレスチナ人の背景が青空なのはどういうわけだ哀悼の意を表しないとテロ国家扱いされるのはまるで踏み絵だよ攻撃されたのは自由でもなければ民主主義でもないてめえの国だろ、もう日本人の安否には飽きたよ、というエゴイズムです。ええ、思いっきり人非人です。泣いている遺族の映像に「そーゆーのはもういいから」と言うくらいに。これから泊まりがけで遊びに出かけるくらいに。でもやっぱり「両足を骨折した日本人社員の無事が確認されました」ってのはヘンだよ。ああまた熱が。


9月13日(木)
 昨晩から熱を吹きだして夕方まで昏睡してました。どうも私は、熱を吹く直前になると攻撃的で偉そうなことを書く傾向があるようです。すいませんすいません。偉そうに書いてすいません。とりあえず読んでやっておくんなさい。
 アメリカの事件はあまり進展がないようですね。真犯人もみつかってないし。フライトレコーダーはどうなったのでしょうか。あれは爆発くらいじゃ壊れないように作ってあるんじゃなかったでしたっけ。ラディン関係者の家宅捜索がはじまったとか聞いているのですが。アメリカ人は「パールハーバー以来の屈辱」と叫び、日本では「アメリカ政府は犯行計画を知っていながら、国民を団結させるためにわざと警戒を緩めていた」という噂が流れるなど、やはり真珠湾の爪痕は両国に残っているようです。


9月12日(水)
 さて、あの事件から一夜が明けたが、あいかわらずよくわからん。ABCが流している直下からの映像が迫力だとか、フジテレビは安田記者のアレをアイキャッチに使っているとか、やっぱりテレビ東京はテレビ東京だとか、両足を骨折してるのに「無事が確認された」というのはちょっと違和感があるとか、そんなことしか。核心の部分がわからないんだよな。
・犯人は誰か?
 まだどこも犯行声明を出していない。アフガンやアラブが怪しいといわれているが、まだ憶測に過ぎない。アメリカ国内のカルト教団という説もあるが。北朝鮮かとも言われたが、それならソウルに飛行機落とすだろう。いちばん怪しいと言われているのはイスラム原理主義者のラディン。貿易センタービルを爆破した前科もあるし。PLOのアラファトはびびって米国にお悔やみを言っていた。まあ、広島戦争で打越会とちまちま抗争しているところに、いきなり過激組員が山口組本部をダイナマイト爆破したので慌てた山村組長みたいな気分だろうな。
・報復は行われたか?
 タリバーンの武器庫が攻撃されて爆発したそうだが、はたしてこれは先走ったアメリカの報復なのか? アメリカ政府は否定しているが、某上院議員は「もはやアフガンと戦争だ」と断言している。ラディンがアフガンにかくまわれていると断定したらしい。裏もとらずに戦争ぶっ始めるのは、いかにもアメリカらしいとは言えるが……。
・犯行はスゴいのか、ショボいのか?
 ほぼ同時に四機の飛行機をハイジャックした手際の良さ、貿易センタービルの横腹を見事にえぐった操縦術、経済と軍事の中心にぶつけた狙いのよさ。これから考えると見事な計画と実行に思えるが、それにしてはハイジャック犯、カッターナイフをふるって乗組員を脅すなど、装備がショボすぎ。これだけの計画を実行するなら、マシンガンくらい準備すべきなのでは。てゆーか、アメリカの飛行機ってカッターナイフ程度で乗っ取れるものなの? そこから考えると、行き当たりばったりのずさんな犯行がたまたまうまくいっただけ、とも思える。
・ビルってあんなに簡単に崩れるの?
 「日本人が設計したビルだから簡単に崩れた」という説もあるが。
・被害にあった有名人は?
 大惨事のとき必ず流れるデマだが、スピルバーグ、ビリージョエル、坂本龍一の娘、ドリカムメンバーが死んだという噂が流れている。
 あとジョンレノンも。噂によると殺されたジョンは偽者だった。アビーロードのときポール・マッカートニーが急死したが、身代わりを立ててしのいだのにヒントを得て、ヨーコから逃げるために打った狂言だとか。
・犯人と山本五十六、どっちが凄い?
 米市民に与えた心理的影響といい、ダメージの大きさといい、今回の事件は真珠湾を爆撃した山本五十六よりずっと有能だ、と思っていたのだが、どうも犯人は山本五十六と同じ過ちを犯したようだ。せっかく先制攻撃でダメージを与えたのだから、混乱に乗じて第二波攻撃を仕掛け、被害を拡大させるべきだったろう。ひょっとしたら国防省にぶつけた飛行機は南雲忠一が操縦していたのかもしれない。ピッツバーグに落ちた飛行機はきっと井上成美だ。
・ピッツバーグに落ちた旅客機は米軍機に撃墜されたのか?
 まあこれは、たとえそうだとしてもしばらくは発表しないでしょうな。
・日本政府はなにをやっているのか?
 小泉総理は「怖かった」などとひとごとの感想をもらし、「できる支援はなんでもする」と言っているだけ。自分の国が同じ攻撃を受ける可能性もある、などという危機感がまるで感じられない。田中外相も「そういえば警備が異常に多かった」などと、アメリカが事前にテロを予想しているかのごとき発言。ひょっとするとこの事件は、アメリカ政府によってフレームアップされたものなのか? だからナイフで簡単にハイジャックできたのか? 日本政府は、アメリカ政府の意図を事前に知っていたのか? だから危機感がないのか? いやまあ、「やっぱ馬鹿だから」というのがいちばんありそうな解釈なのだが。
・日本は攻撃されないのか?
 「日本はアメリカの犬だから攻撃される」という説と、「たしかに犬だが、噛み付く力もないヘタレだから攻撃するにも及ばない」という説があるが、どっちなんだろう。実質的な戦力としては攻撃しても意味がないとも思うし、でもイメージ的には新宿が火の海になると世界的にアピールできるとも思うし……。それにしても「平和ボケ」って言葉、安易に使われすぎ。
・人が大勢死んでいるのに、こんなことを書くのは不人情か?
 しょせん他人事だもんな。でも、もっと不人情なのがいるぞ。事件があった直後に株やドルを売りまくった銀行や株屋。よその国が困っているというのに失礼だろう。

 とりあえず私としては、毛唐がいくら死のうとも、魁皇の綱取り失敗やパリーグの優勝争いの方が重要です。そんなもんだろ。不快だと言われたらそうなんだけど。人に嘘をつくのはすばらしいけど、自分の心に嘘はつきたくない。心にもない言葉で更新するくらいなら、いっそサイトを閉鎖する方がいい。そんなもんでしょ。そういうのが嫌な人は、トラハタとこの日記を外してください。このふたつ以外は、笑えるかどうかで一応バイアスをかけてるつもりだから。


9月11日(火)
 炭火LOVE。
 週末に信州の方へ出かけるのだが、そのとき食うものをどうするか相談していたのだ。
「いい味噌をもらったから、それ持っていこうか」「味噌といえば、信州では朴葉焼きだよね」「うー、いいないいな。炭火でキノコとか鴨とか一緒に焼いて」「炭火なら野菜とか鶏とかあぶってもうまいよね」「はまぐりや海老もいいぞ」「うー、食いたい」
 ということで炭火が無性にほしくなったのだ。いや、前から欲しかったのだ。ベトナムやタイで実にうまい炭火焼きを食ってきたのも原因のひとつ。田舎から殻つきの牡蠣を送ってもらって、炭火で殻焼き、なんてこともできるし。
 炭火焼きはさいきんブームらしく、七輪なんかもよく売っているが、ちょっと室内で使うには怖そうだ。よくひとり用の鍋で出てくる、固形燃料のなんちゃってコンロはつまんない。水を下にひいて対流で火をおこすとともに加熱を防ぐ、水コンロというのがよさそうなのだが、ちょっと値段が高いなあ。伊賀焼きとかで、見た目はいいんだけどね。それに、どれも割れやすそうだ。持ち運びは難しそう。
 ところがインターネットで検索していると、陶製でない水コンロというのもあったのだ。リベルテの水冷式コンロ。鉄製で壊れにくく、持ち運びに便利。値段も手頃。キャンプ用品の店で売っているようだ。
 さっそく新宿へでかけて物色。歌舞伎町ハイジア、ビクトリア、東急ハンズ、石井スポーツとめぐるが、どうしても見つからない。ビクトリアには鉄製の七輪というのがあって心が動いたのだが、「野外専用」と書いていて断念。東急ハンズにアルミ製の水コンロがあったが、ちょっと高い。
 やはり通販しかない、と思い返してインターネットで注文。「在庫があれば翌日発送!」をうたっている店だ。なんとかなるか。
 しかし注文返信メールを見て落胆。発送予定日が、九月十七日となっていたのだ。間にあわん。泣きながらキャンセル。
 結局、東急ハンズで買ってしまったのだ。アルミ製の水コンロ。6800円。さっそく試してみる。
 ううむ、鶏肉はやっぱり炭火に限るなあ。塩胡椒で焼いただけでもうまいもんなあ。油揚げを炭火であぶって生姜醤油で食うのもいいなあ。ガスの火だと、パリッとしないのだよ。次はサンマだ。ちょっと煙がすごそうだが。

 などとなごんで早寝していたら、アメリカがすごいことに。
 同時多発ハイジャックテロで、数カ所がカミカゼアタックを受けたそうな。ブッシュは田舎に逃げてアラブを核攻撃するとかほざいているし、小泉総理は「怖かった」などとタイタニックを見た田舎の小学生のような感想を述べているし、マキコ外相は「警備員が多かった」などとわけのわからんことを言っているし、フジテレビでは安田記者が「逃げて逃げて逃げて逃げて〜ぇっ!」とか絶叫して笑かしてくれるし。これで全米の会社は休み、大リーグの試合も中止になったそうな。
 とりあえずひとつだけ言えることは、このテロ事件、イチローにとってはラッキーでしたね。最近疲れていたから、この休みは貴重だ。めざせ首位打者。日本の野球も中止になれば、ヤクルトにはラッキーなのだが。


9月9日(日)
「中国道で中一少女を転落させた三十四歳の中年男は中学教諭、六月中旬から体調を崩し自宅で療養中、手錠は車中でかけたものと警察で推定し、転落時の状況を中心に捜査中、だそうで」
「よくそこまで中を並べたよな朝日新聞。ぜったい狙ってるぞ」
「朝日の記者、ふざけてるよ! 中日新聞に恥ずかしくないのかよ!」
「そういう問題じゃないだろ」
「犯人は中日ファンだそうです。今でも今中愛してる」
「適当に話をつくるなよ!」
「カラオケは夢の途中」
「もういいよ!」
「恋もハイウェイの車の中〜」
「歌うなよ! しかも勝手に歌詞を替えやがって」
「手錠かけられて〜 外へ飛び出しても〜 いつか戻っておいで〜」
「いいかげんにしろ!」
「もちろん中出し」
「出してねえよ! 相手は中学生だぞ」
「でもテレクラだからねえ」
「故人に失礼なこと言うなよ! 死んだんだから、そのへんのことはもういいだろ!」
「『いや、中で出さないで!』と言われたから外に放り出した、と自供しているそうです」
「ウソつけ! お前はいったい何様だよ!」
「イクラちゃんでちゅー」


9月5日(水)
 近所でありながらこれまで行く機会がなかった、石川家戸田店に行ってきたのです。
 店内は清潔。三十人くらい座れそうなカウンターと、四人がけのテーブルが四つくらい。食券を買って注文します。ラーメンと味付け玉子。最初ですから麺の固さもスープの濃さも注文つけず、デフォルトに任せます。
 出てきたラーメンは、家系の標準装備なのでしょうか、やはり海苔が三枚、フリルのように飾ってあります。麺は太くてやや黄色みがかった直麺。やや固めです。いい感じ。
 ケダモノ系のだしで醤油の利いた、澄んだスープ。最初だけちょっと臭みが感じられますが、すぐ気にならなくなります。脂も適度に出ていて、いい感じ……し、しかし、ちょっと塩辛いぞ。しょっぱい。しょっぱすぎる。
 豚バラで作ったチャーシューも、柔らかく煮込んでいて、味がしみて……やっぱりしょっぱい。
 味付け玉子は、白身がぷりぷりと固く、黄身がどろりとしていて、芯まで味がしみていて……これもしょっぱい。ううう、逃げ道なし。しょっぱくないのは麺だけです。
 スープさえこんなに塩辛くなければ、チャーシューも玉子も、よく味がしみていると絶賛の対象だったのですが。
 家系って、みんなこんなにしょっぱいのでしょうか。「スープ薄めで」と頼むのが正解なのでしょうか。でも、ダシはこれでいいんだけどな。「塩分控えめで」と頼めれば、それがベストなのですが。


9月3日(月)
 一部で人気沸騰したアイスキャンディー「ガツンとみかん」ですが、いつものことで、私が買おうとしたらとうに売り切れ。夏期限定だったらしいです。シクシクシク。
 ようやく「ガツンとフルーツミックス」を入手したのですが、いいですね。この甘さを抑えたところが。飲んだあとに食うのに適したアイスです。大人のアイス。酔っぱらいアイス。
 いっそこのシリーズを拡充してほしいなあ。雨期限定の「ガツンとドリアン」。人前で食べてはいけません。酒を飲んでから食べてもいけません。じゃあ駄目じゃん。思春期限定の「ガツンとデラべっぴん」。股間の黒ずみにときめいた、そんな時代もあったねと。道に倒れてだれかの名を呼び続けた旅人たちも生まれかわって歩きだすよ。イバラキ限定の「ガツンと納豆」。どこがどうおいしいのやら。とりあえずねばねば。さらにねばねば。カンブリア紀限定の「ガツンとアノマロカリス」。きゃあ。丸いモノが襲ってくる。桜桃忌限定の「ガツンと人間失格」。だめね……人間も、ああなっては、もう駄目ね。あれでお酒さえ飲まなければ……いいえ、飲んでも、……神様みたいないい子でした。
 神様ってこわいよね。


9月2日(日)
 ヤクルト対阪神の中継を見て呆然。
 カツノリ、広沢、おまえらヤクルトのスパイやったんか。
 うまいこと騙してくれたもんじゃ。
 甲子園の感動もインチキやったんやな。

 ついでにNHKサンデースポーツにて。
「パリーグに比べ、セリーグはもうひとつ盛り上がりが……」
 ゴルァ! 巨人以外が優勝したら盛り上がらんちゅうのか! クソ有働!!
 さらに同番組の近鉄特集で、
「吉岡選手はプロ十年目、走者を送るバッティングに目覚めて……」
 遅すぎるわボケ。てめえは今岡か。
(まあ、巨人→近鉄と、在籍した球団が悪すぎることは認めるけどね)


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