くだらな日記(2001年6月)


最新日記へ


6月18日(月)
 イヤなラーメン屋夏の風物詩。
・「冷やし中華、始めていいかな?」と貼り紙がしてある。
・「池袋大勝軒は、冷やし中華を応援します!」と貼り紙がしてある(店名は仮名)。
・「冷やし中華に逝ってヨシ!」と貼り紙がしてある(その次に「冷やしたぬきモナ〜」と貼っている)。
・「つけめんと冷やし中華の違いは何?」と質問されて、店員が答えられない。
・「油そばと冷やし中華の違いは何?」と質問されて、「油そばはサラダオイルをまぶしてます!」と店員がカミングアウトする。
・「あつもりと冷やし中華の違いは何?」と質問されて、「あつもりは熱いです!」と池袋大勝軒の店員が胸を張って答える(店名は仮名)。
・「あつもり、やめました」と池袋大勝軒に貼ってある(店名は仮名)。
・「冷やし中華、カラシ抜き!」と厨房が注文している。
・店内の全員が、冷やし中華をぐっちょんぐっちょんぐっちょんぐっちょんぐっちょんと機械的にかき混ぜている。
・それを見た店主が「チョンはこれだからイヤだね(藁」と言っている。

 ……いかん、鬱だ氏脳。
 しばらく旅に出ます。探さないでください。


6月17日(日)
 朝から胃が痛み半日昏睡。<懲りない奴。
 だいたい症状はいっしょで、明け方胃が重くて目覚める。徐々に痛みが大きくなり、胃の下が焼け付くように感じる。同じ箇所が下だとそこばかり痛みが増幅するので、寝返りを打ちながら苦しみに耐える。同時に吐き気と脂汗にも耐える。耐えているうち、昼前か昼過ぎには痛みは和らぐ。そのころにはなぜか、吸い込まれるように眠気がおこり、断続的に数回眠る。眠るたびに痛みは軽減し、眠くなくなった頃には痛みも吐き気も消滅している。どういう原因なんだろ。

 それにしても小泉首相からメールがまだ来ない。やはり私の前歴を調査して、自民党に投票したことがないと暴露されたか。

 「菊タブー」「菜の花タブー」などに続いて、「麺タブー」というのもあるのか。あるいは、「席上では政治宗教麺類の話題は避けるように」と塩月弥生子の本に書いてあるのか。
 私の日記や雑文でも、麺類の話にだけは激しく反応がある。ふだんのヨタ話は笑って見過ごす人でも、さぬきうどんや江戸前蕎麦について少々揶揄でもしようものなら、そりゃもう凄い勢いでかみついてくる。ぶるぶる。私だけでなく、他の人の日記や雑文でも、麺類に関して書いたものは総じて食いつきがいいようだ。2ちゃんねるでも、マターリしてる食生活板の中で、ラーメン板だけは怒号と中傷の嵐だからなあ。
 ……やっぱり、麺類だけによく絡みます、ってことか。座布団全部とっちまいな。


6月15日(金)
 最近メールマガジンづいて。
 ここ数日だけでも、「東京のラーメン屋さん」「夕刊プロレス」「小泉総理メールマガジン」「羽柴誠三秀吉メールマガジン」に登録している。
 で、来ました。羽柴誠三秀吉メルマガ。「ハシバラボ」というらしい。
 のっけから「私は阪神が好きだ」……ファンになりそう。ま、論旨はありきたりな東西文化論なのですが、なんか巨人=でかくて強くてお金持ち=自民党、阪神=知名度は高いが金なし力なし甲斐性なし=自由連合、という方向にもっていこうとしているのがナイスです。がんばれ自由連合。せめて巨人に八勝くらいしてくれ。
 ただすいません羽柴先生、「前回の優勝から十数年経つが、一度もAクラス入りすることなく今も低迷を続けている」ってのはアレです。1992年に優勝争いしました。ああ、最後のダブルヘッダーで連勝してればなあ(涙)。
 それにしても小泉総理メルマガ、まだ送ってこない。羽柴先生に嫉妬しているのか?


6月14日(木)
 新宿三丁目の末広亭近辺は、さいきん「ラーメン激戦区」と呼ばれているそうだ。老舗の桂花を筆頭に、航海屋、黒門らーめんなどが並ぶ。
 今日はそこの一角、「桜吹雪が風に舞う」に行ってきました。名前が気になったのもそうだが、この店、賛否両論なのだ。店の掲示板にまで「スープがぬるい」「ゲロまず」などと書き込まれているので、かえって気になってしまったのだ。
 夕方六時くらいに行ったのだが、行列はなし。店の中には十人くらいの客。このくらいが居心地いい。店の従業員は、ひとりが「まいど!」とか「いらっしゃい!」とか叫ぶと、全員復唱する。そういう規則らしい。とてもにぎやか。
 こってり系の「まんぴか」を注文しました。スープは豚骨ケダモノ系で、モロミのようなものが浮いている味噌っぽいスープ。でも先週の「無敵家」ほど脂っこくなかった。臭みもない。別にぬるくはない。適温。
 麺は太めの黄色い縮れ麺で、私の好み。具はロース系のチャーシューと細切りの昆布。
 葱は別皿で山盛りに来た。「少しずつかけてくださいね」と注意された通りにする。言われるまでもなく、全部入れると葱まみれになってしまう。ひょっとすると「ぬるい」と苦情を言っていた人は、これを一気にばさっと放り込んだのだろうか。それじゃぬるくもなるわな。
 というわけでこの店、私としては合格点です。


6月13日(水)
 そろそろオールスターのファン投票が話題になる時期。
 しかし最近は、メジャーの話題ばっかりですな。イチローの得票数が話題になるばかり。ま、日本のオールスターがショボ過ぎでかつ巨人の馬鹿ファン投票と成り下がっているので、しかたないか。
 せめてここだけでも、ちゃんとしたオールスターを選んでみましょう。

セ・リーグ
 1番 センター真中(ヤクルト)
 2番 ショート宮本(ヤクルト)
 3番 サード江藤(読売)
 4番 ライト松井(読売)
 5番 ファーストペタジーニ(ヤクルト)
 6番 キャッチャー古田(ヤクルト)
 7番 セカンドディアス(広島)
 8番 レフト佐伯(横浜)
 9番 ピッチャー

 先発投手 野口(中日)
 中継投手 岩瀬、正津(中日)、伊藤(阪神)
 抑え投手 ギャラード(中日)

 なんだかジャイアンツ&スワローズ打撃陣と中日投手陣の合併チームとなってしまったが、しかたないか。真中、松井、ペタジーニ、古田、野口は確定。これ以外に投票する人はアホです。ショートは3割2分の石井(横浜)より、あえて2割5分ながら10盗塁27犠打で守備範囲も広い宮本にしてみました。二岡(読売)は論外。ディアスは3年間我慢したごほうび。仁志よりすべての面ですぐれているし。佐伯(3割2分、3本)の代わりは、稲葉(ヤクルト:2割9分、12本)、木村(広島:2割7分、11盗塁)でもいいです。中継ぎは正津の防御率が0.88ととびぬけているのですが、伊藤を入れたいので3人選んでしまいました。

パ・リーグ
 1番 ショート松井(西武)
 2番 センター田口(オリックス)
 3番 ファーストカブレラ(西武)
 4番 サード中村(近鉄)
 5番 ライト松中(ダイエー)
 6番 セカンド小笠原(日ハム)
 7番 レフトローズ(近鉄)
 8番 DHメイ(ロッテ)
 9番 キャッチャー城島(ダイエー)

 先発投手 黒木(ロッテ)
 中継投手 岡本(ダイエー)
 抑え投手 小林(ロッテ)

 こちらは球団バランスの取れたメンバー。なにせ14本塁打の城島が9番という重量打線です。松井、カブレラ、中村、松中、黒木、岡本は確定。こちらも2番には、5本塁打ながら14犠打でチームに貢献する田口を使ってみたい。セカンドが人材不足なので、あえて小笠原を古巣へコンバート。DHには本職のボーリック(ロッテ)より、あえて同僚で勝負強いメイを選びました。


6月12日(火)
 岡山のイベントといえば、中部のどこかの村でツチノコ捜索隊をやってました。結構有名だから、知っている人多いかも。
 四月頃に「さあ、ヘビが冬眠からさめる時期だ! ツチノコ捜索隊再開だ!」などといって、大人から子供まで数十人の捜索隊が出発していたのですが、けっきょく見つけたのは小さなヤマカガシだけだったようです。
 それはいいんだけど、ヘビについて基礎知識の乏しい子供をあんな形で山の中に放り出したら、そのうちマムシに噛まれてえらいことになるんではないのか。そして岡山はマムシ県として悪名を轟かせ、県知事が
「自然と共存することにはリスクがつきものであり、ものがマムシだけに、まあ無視するということで」
 などと放言して退陣に追い込まれる、なんてのはちょっと見てみたい。

 自由連合は相変わらずやってくれるなあ。ヨットスクール戸塚と喧嘩して公認取り消ししたと思ったら、こんどは江藤慎一(元反骨の四番打者・のち貧乏クジ弱小チーム監督)と荒勢(元関取・現タレント?)を公認。民主の大橋巨泉(元タレント・現海外逃亡隠居)・幸田シャーミン(元キャスター・現政界すり寄りエコばばあ)・水野晴郎(元映画評論家・現シベリア超特急)、自民の大仁田厚(元プロレスラー・現わめきオヤヂ)、保守の鬼沢慶一(元芸能レポーター・現オヤヂ狩り犠牲者)、社民党の田嶋陽子(元ブス・現ブス)に比べても、人材としては文句のつけようがない。がんばれ自由連合。それにしてもおまえはスポーツ平和党か。


6月11日(月)
 きのう飲み過ぎて終日昏睡。えっと、ビール2本、ワイン半分、テキーラをロックでタンブラー4杯は飲んだかな。なんだ、たいしたことないじゃん。
 そういえば土曜日は稲穂の帰りに、おがんさんがよく行くアイリッシュパブに行きました。サラリーマンや外人さんで混みあっていました。すみっこのツイタテみたいな席に案内されました。グラス以外置く余地がありません。ビールとウィスキーはおいしかったけど、そんなわけで料理は頼んでいません。フィッシュ&チップスはあったけど、パイのたぐいがまったくメニューにないのはどうしたことでしょう。

 津山の田舎ではいま蛍が大発生しているそうです。群れをなしているそうです。夕方散歩するとあちこちで光が散乱し、見当識を喪失して崖から転落するほどの勢いだそうです。蛍殺人事件。
 ああ、自然が回復してきたのだなあ、地道な努力が実を結んだのだ、と感動していたのですが。ニュースで「岡山から東京に蛍数万匹をプレゼントし、豊かな自然をアピール」と報道されていた。
 ……まさか、その蛍、もしや、タイから輸入とか、そんなことしてないでしょうね。
 「岡山の自然をアピールする蛍は、タイから持ち込んだものだった!」などと報道され、岡山がヤラセ県として脚光を浴び、県知事は、
「別にニュース番組じゃないからかまわないと思った」
 などと釈明する、なんてのはイヤです。


6月8日(金)
 びっくり。
 なにげなしにテレビをつけると、「大阪教育大学教育学部付属池田小学校にヤク中男が侵入、児童十数人に斬りつけ数人を殺害」と。
 おお、この長ったらしい学校名は、たしかに私の母校じゃないか。正確には母校じゃないけど。私は中学校から通っていたので。しかし敷地は、たしか同じ場所だった。
 学校名が長ったらしい(残念ながら、大阪教育大学教育学部付属天王寺小学校の方が長い)のと、手塚治虫の出身校という以外とりえのない母校が、こんなに有名になるとは。
 えんえんとヘリコプターで校庭や校舎を映しているので、ついつい見てしまう。「おお、あの校庭、変わってないなあ」とか、「そうそう、校門から校舎まで長いんだよなー」とか、「あそこでよくピンポン野球やってたよなあ」とか、想い出にふけりつつ、ほのぼのと見入ってしまった。
 こんな残虐事件でほのぼのすんなよ。


6月7日(木)
 「パールハーバー」という映画が公開されるそうで。
 まず見ません。劇場に行っちゃうと、きっと、「そんなバカ女助ける暇があったら、その間に部隊を動かせ!」とか、「そんなバカ女映すくらいなら、南雲中将を映せ!」とか、「淵田美津雄は牧師さん!」とか叫び出すだろうから。
 「パールハーバー」をはじめ、「スターリングラード」「タイタニック」などなど、この手の映画に共通するのは。
・歴史的事件をタイトルにしてはいるが、その大事件は舞台の書き割りに近い扱い。
・歴史的事件の真実性はどうでもよく、ひたすら派手でカッコいい場面のみ追求する。
・実際に描かれるのはバカ男とバカ女の恋愛ごっこ。
 というものですね。これからこの路線はどうなっていくのでしょう。今後制作されそうな映画を考えてみました。
・「エルベの誓い」ナポレオンにモスクワまで攻め込まれながらも敢然と反撃し、ついにナポレオンを敗走させパリに入城したロシア皇帝アレクサンドル一世……とは何の関係もなく、ロシア軍のバカ将校(大佐、農奴三千人を所有)とパリのバカ娘(食道楽、元グリモの情婦)との恋愛ごっこを描く。
・「コタンチヤシ」松前藩をはじめとする内地人の収奪に耐えかね、ついに反乱に立ち上がったアイヌの族長シャクシャイン。かれの苦悩と戦い、そして壮絶な最期……とは何の関係もなく、松前藩のバカ藩士(昆布奉行、百二十石)とアイヌのバカ娘(ユミ、劇中で「黒百合の歌」を歌う)との恋愛ごっこを描く。
・「サイゴンシティ」泥沼のベトナム戦争のさなか、民族解放にその生涯を捧げる偉大なるホーチ・ミン。彼のジャングルでの死去、遺志をついでサイゴンに侵攻する北ベトナム軍と民族解放戦線……とは何の関係もなく、サイゴンで現地人のバカ女(離婚経験あり、家族十数人)とねんごろになるバカ新聞記者(サンケイ新聞特派員)の恋愛ごっこを描く。
(注:近藤紘一さんのことではありません)


6月5日(火)
 光芳書店ツアー。
 池袋で用事があったので、ついでに古本屋を漁ってみようと思ったのだ。新田次郎の「武田信玄」「武田勝頼」が読みたかったことだし。
 まず用事を済ませてから、西口にあるという「たかもくブックセンター」を探したのだが、どうしても見つからない。いくら探しても見つからない。また潰れてしまったのだろうか。
 やむなく東口に移り、パルコの脇にある光芳書店東口店へ。新田次郎「武田信玄(全四巻)」と南条範夫「元禄太平記(上下)」を購入。
 そこからサンシャイン方向に進み、東急ハンズの横にある光芳書店サンシャイン店へ。ここは特に収穫なし。
 さらにハンズから市役所方面に行き、光芳書店の本店へ。本店といっても、広いわけじゃない。柴田錬三郎「江戸群盗伝」、片岡みちる「夢のクレヨン王国第三巻」でお茶を濁す。
 そろそろ古本を切り上げて、ジュンク堂で新刊を覗いてみよう、その前にラーメンでも食おう、ということで南口に移動し、うまいと評判の「屯ちん」を探してみるが、これがまた見つからない。うろうろしていると、またもや光芳書店南口店を発見。
 これがめっけもんの店でした。軍記関係や岩波文庫の古いのがいろいろ。勝海舟「海舟語録」、クロポトキン「一革命家の思い出」、フェイト「スターリン以後の東欧」、大森実の人物現代史「ルーズベルト」「チャーチル」「ド・ゴール」を購入。これで人物現代史は、ネールとカストロを残すのみとなった。
 「屯ちん」が見つからないので、ジュンク堂向かいの「無敵家」へ。テレビで放送してたもんで。ミーハーだなあ。でも行列はしていなかった。
 本丸ラーメン(濃厚とんこつ味)を注文。スープは獣系の黄濁したスープ。その上3ミリの厚さで脂が浮いている。ちと濃厚すぎるな。チャーシューは私好みの豚バラとろり系だが、このスープと合わせるとギトギトしすぎ。麺は中太真っ直ぐで、やや固め。シナチクは普通。燻製卵は半熟で、味はしみていないが燻製の香りがして、これはこれでいいか。炒めチンゲンサイはあっさり味で、このラーメンの唯一のオアシスともいうべき。ううむ、ちょっとギトすぎるかな。ただ大盛りでも同じ値段なので、腹の減った学生さんなんかにはいいかも。
 そして締めはジュンク堂。トロツキー「ロシア革命史5」、渋澤龍彦「悪魔の中世」、小倉貞男「物語ヴェトナムの歴史」、杉浦さやか「ベトナムで見つけた」を購入。さすがにリュックが重い。


6月3日(日)
 逆略語というのもあるのかもしれない。
 略語じゃないんだけど、略語に見えてしまう言葉。むかし、吉行淳之介が左翼大学生に「造反有理ってなんの略語だ?」と聞いて困らせたことがあるそうだ。漢籍のなにかを略した故事成語だと思っていたらしい。たんに「造反には理あり」というだけのもんだが。
 たとえばゴキブリ。ゴキノザウルス・ブリエンシスという学名の略語かもしれない。そりゃ怪獣だってば。いや待て、ゴキブリは「御器かぶり」の略か。「か」だけ略。
 たとえばカクテル。やはりこれはカクテキの一味で、「角切りにしたテル」ではないだろうか。テルって何だ。中日の久慈か。テルテル坊主か。テレフォンか。いや待て、カクテルの語源にはいろいろ説があるが、「cocks tails drink」を省略したものらしい。これも略語だったか。
 たとえばカストロ。カストロノーツの略とか、カストロ球団の略とか、カリスマトロイカの略とか、そんなのかもしれない。いや待て、なんでもカストロ一族は、もともとスペイン系で「カストローニャ」が縮まってカストロになったとか。これも略語であったか。ホメイニというのも怪しいな。カストリも怪しい。カストリ将軍というのもいたな。
 たとえばシバセン。シバキセンターとか、柴田遷三郎とか、司馬遷太郎とか、「しばらく先生座ってください」とか、いろいろな説があるが、司馬遷という中国人だというのが真相らしい。いや待て、これも大史令司馬子長遷の略であるらしい。
 いかん、こうして考えると、世間の言葉すべてが略語に見えてきた。そういえばスターリンも、通説では「ヨシフ・ヴィサリオノヴォッチ・ジュガシヴィリ」の略語なのだが、異説もある。「ルーズベルト、ヒトラー、チャーチル、ダラディエのどれが勝つか?」という英語の単語のそれぞれ三文字目を並べて作った、と。このことから、「スターリンは当時欧州情勢を人格化した仮想の存在である」「スターリンは存在しなかった」という説を唱えている人もいるとか。世間皆虚仮。世間皆略語。


6月2日(土)
 今日のサッカー、日本対カメルーン、いい試合でした。日本も強くなったね。むかしなら抜かれまくっていたカメルーン選手の突進を、止められるようになったし。身体能力も技術も進歩したのでしょうね。
 ただ、日本が強くなったのが、サッカー界にとっていいことなのかどうか。
 日本サッカーの持ち味は、守りを固めて失点を最小にし、少ないチャンスを生かすことです。これは日本人のメンタリティでもあります。日本人は、どんなスポーツに対しても、まず守りから入ります。野球では、投手を中心とした守りと、バントなどの堅実なプレーを大事にします。相撲や柔道のような格闘技でさえ、まず腰を低くして相手の攻撃を防ぐ姿勢が基本です。
 で、そうなると、必然的に試合がつまらなくなります。防御が必勝法となってしまったとき、そのスポーツはショーとしては滅びます。防御が上達してしまったためKOが激減し、人気があっという間に冷えてしまったキックボクシングがいい例です。
 日本がワールドカップで優勝するとき、それがサッカーの滅亡のときかもしれません。せっかくワールドカップで優勝しても、それを放映するテレビ局が皆無だった、というような。


6月1日(金)
 えらいこっちゃ。
 大宮と浦和と与野の三市が合併して政令指定都市・さいたま市が誕生し、市長選挙で旧浦和市長がさいたま市長に選ばれたばかりだというのに。
 なんでも川口、蕨、戸田、鳩ヶ谷の四市を合同する計画があると、川口市長は言うのだ。
 もともと戸田は市というには施設が足りず、確定申告も職安も川口に行っている現状だから、合併はかまわないのだが、問題は名称だ。「さいたま市」の経緯から考えると、とんでもなく情けない名前になっちゃうことが予想できるのだ。「彩の国市」とか、「彩玉市」とか、ひどいことになりそうなのだ。現に、こういう名前が人気投票の上位だったのだから。
 「やーい、アルディージャ大宮は今年からアルディージャさいたまだぜー」とか、「浦和レッズもさいたまレッズだぜー」とか、「上尾市も合同する計画があるから、そうしたら上尾東高校はさいたま東高校だぜー」とか、「浦和学院はさいたま学院、大宮東はさいたま東。こんな名前じゃ、もう甲子園に恥ずかしくて出られないな」などと、好き勝手言ってきたのだ。まさか自分の市にも火の粉が降りかかってくるとは知らずに。
 それにしても西東京市といい、さいたま市といい、最近は市の統合が目立ちますね。何か狙っているのではないかしら。
 地方自治の構想としては、都道府県を北海道・東北・関東など八区画ぐらいに統合して自治する、いわゆる道州制というのが昔から唱えられてきました。ところが最近は逆に、都道府県をさらに分割して三百程度のブロックを作るという新構想も唱えられているとか。これの前段階なのでしょうか。この新構想、実現すると、ちょうど江戸幕府の藩と同じくらいになります。さいたま市は岩槻八万石、彩の国市(仮)は荒川北代官支配三万石、といったところでしょうか。
 とりあえずひどい名前にされないよう、今から候補を考えておかねば。かわとは市。頭文字並べただけやんけ。南さいたま市。卑屈すぎる。さいたま南市。同じやんけ。キューポラ市。イメージが悪い。スモン市。ますます悪い。いっそ人名からとって河鍋暁斎市とするか。

 きょうは運転免許の更新に行ってきました。これであと五年はペーパードライバー。
 それはいいのだが、警察署で写真撮影の時、
「すみませんが、眼鏡を外していただけますか?」と。
 そんなこと言われた経験がないので、
「いやでも、眼鏡かけて運転するし……」などともごもご言っていると、
「眼鏡で光が反射して、目が写らなくなる方がいらっしゃるんですよ。もしよろしければ、すいませんが、眼鏡をとっていただければ」とのこと。
 あまりよろしくないのだが、そこまで言われてしまったので素顔で撮影したのだが。
 できた免許証のできばえたるや。
 もともと免許証の写真は、醜悪に写りがちなのだが、この素顔の写真たるや。
 もし万が一車を運転することがあって、なにか違反で警官に免許証の提出を求められたとしても。
 この免許証を他人に見せるくらいなら、無免許運転で逮捕される方を選ぶかもしれないです。


最新日記へ戻る