侮り難し、学習
前回はモスラ2を見た直後で、熱意がありすぎた。
「学者も新聞記者もニュース画面も出ない」東宝怪獣映画って、ありましたね。
ゴジラの息子とか。
さすがにあれを誉める気はしないが。
ちょっと私の評価が異端過ぎる気がして、弱気になったのです。
で,他の人の評価も見ようと思いました。
GOOで「モスラ2」で検索、300件。
ほとんどの人が、「最低!」派でした。
中で面白い人が、私と180度意見が違う人。
「特撮はすばらしいがストーリーが最低」
おいおい、あんなファミコン特撮で感激するなよ。
ま、北京原人よりはましかもしれないけど。
最近の若い人は透明人間とかのテレビ特撮が基準になっているのかもしれない。
「スケ番刑事」もすごかったからな。ぜんぜん最近じゃないが。
特撮の釣りの名人といわれるスタッフを呼んで(一応注:釣りといってもキスやアユではありません。ピアノ線など使って飛行機や円盤、空飛ぶ怪獣など飛行物体を撮影する技術)何をやらせたと思います?
南野陽子の腕立てシーン。腕力皆無の南野の背中をピアノ線で引っ張って、腕立て伏せやらせたというんですから、無駄使いというか馬鹿仕事というか・・・
すみません、どうでもいい昔話でした。
本題はこれと違うのです。
検索で偶然見つけた、「学研の学習」の広告についてです。
そう、小学校で販売していた、「科学と学習」の片割れです。
まだあったんですね。
学研のページでも、FAQで、「まだあったんですか」という質問を取り扱っています。
その正直な姿勢に好感が持てます。
昔から、科学のほうが圧倒的に人気が高かった。
付録の質が違いすぎた。
なんせ科学ですから。
ビーカーーの水溶液中で塩を金属に沈着させて白いクリスマスツリーをつくるとか、日光写真で撮る日光東照宮とか、単に虫をいじめるのに使ってた昆虫採集・標本セットとか、子供心をくすぐる、スリルとワンダーに溢れた付録でした。
いまだにファンが多く、「科学のふろく」(大田出版、1995)という本が出ているくらいです。
そういえば、いまでも、あさりよしとおの「まんがサイエンス」で脚光を浴びています。
それに比べ学習は地味でした。
ふろくといえば、赤いセロファンがついた「漢字暗記帳」とか、造幣局とか日本銀行とかを10円玉の駒が単調に行き来する「お金のしくみスゴロク」とか、もうひとつワンダーが足りなかった。
ファンも少なかった。
「学習」の売れ行きは、「科学」の半分以下だったのではないでしょうか。
と、いって今まで舐めていたのです。
「学習」のことを。
しかし今、学研の「5年の学習」98年1月号の紹介を見て、私の価値観は一変しました。
士は三日見ざれば刮目せよ、といわれます。
地味だ地味だと思っていたら、いつのまにか、進化していたのです。
ページの紹介をご覧ください。
「だいすきなうた」は今回、FOLDERの「Now and
Forever」をとりあげています。
モスラ2の主題歌です。これで検索に引っかかったのですね。
FOLDERを私は今まで知らなかった。
知らないことはインターネット検索で調べればいいのです。
ほほう、沖縄アクターズスクール出身か。
小学男女7人組ね。
で、中の一人、満島ひかりが、モスラ2の主演の、可愛いけど稚拙な演技を披露してくれた子。
特集は、「笑ってもらいまショー!」だそうです。
ううむ、いまだにこのセンスか。
爆笑問題が出てるし。
しかし、諦めてはいけません。
次は、何と、「広末涼子おねーさんの悩み相談のお部屋」です。
「おねーさん」ですよ、「おねーさん」。
お姉さんでもおねえさんでもないのです。
ああ、できることなら、もう一度小学5年生に戻って、広末涼子を「おねーさん」と呼んでみたい。悩みを打ち明けてみたい。優しく回答してもらいたい。
侮りがたし、広末。
しかも今回のテーマは「男子」だというのです。
たぶん、「エッチなことを考えると、なぜちんちんが伸びるのですか?」なんて質問が、出ているのでしょう。きっと出ています。絶対出ているに決まっている。
ああ、私も相談したい。あんなことやこんなことも。広末おねーさんに。
次は連載小説です。
なんと東野圭吾が連載しているらしい。
流れの小学教師が、学校の連続殺人を解決するという、ハードボイルドらしいです。
しかもタイトルが、「おれは非情勤」です。
もちろん、「非常勤」と「非情」をかけているのです。
なんと、小学5年生にですよ、この洒落を理解せよ、と東野は言うのです。
あんまりじゃないですか。
「常勤」の正規職員ではない、「非常勤」。
そこからくる悲哀、不安定な地位、生活への不安などといった、この語のもつニュアンスなど、私は社会人になるまでわからなかった。
要するに24まで知らなかった。
それを東野さんは、その半分の年齢の子供に、察せよ、というのです。
むちゃむちゃハードボイルドな話です。
それに「非情」って、日常用語としていま使用しているのでしょうか。
「非情のライセンス」って、今の5年坊主は、見てないよな。
ちなみにふろくはメモ帳。ふろくがしょぼいのは、変わっていないようです。
学研の2雑誌は、書店では売っていません。
昔やっていた、学校への一括配達も、やっていないそうです。
たぶん、「買えない貧乏人が可哀相」などというたわけた理由からでしょう。
注文による家庭への配達販売しか行っていないそうです。
34歳の男が、「5年の学習」を注文することが、果たして許されるのか。
私はメールで問い合わせてみたい気持ちで、今いっぱいです。
ハラ君、君も1年間、どうかね。
広末おねーさんのために。
そういえば、モスラ2の主演の子も、小学5年だよな。
おねーさんに相談したのだろうか。
演技力をつける方法を。