トカイ・白

ラベル

産地:ハンガリー 年代:1994
購入:新宿マイシティ 価格:1500円
購入日:2000年8月18日 飲用日:2000年8月18日
いっしょに食べたもの:ロックフォールチーズ、シーゲンケーゼトルテチーズ
 トカイといえば「ワインの王様」「ワインの帝王」とまでいわれた存在。そんなものがこんな安い値段で?! という人もいるだろうが、実はこれにはカラクリがある。
 トカイワインといえば栽培がもっともむずかしい貴腐葡萄をつかってとても甘いワイン、というイメージがあるが、実はこのワイン、貴腐葡萄をまるで使用していない。Szamorodniというのは「自然のまま」というほどの意味で、貴腐葡萄を使用していない、という意味なのだ。つまりふつうのワイン。
 コルクはかなりきつく、柔らかいが抜けにくく厄介。香りは遙か昔飲んだことのあるトカイの香り。ちょっとブランデーに似た甘い香り。色もやや琥珀色がかって、トカイっぽい。やや酸味あり、渋味少なく、で、甘味の少ないことだけがいわゆる貴腐トカイではない。紹興酒からべたべた感を抜いたような感じ。はじめはトカイにあるべき甘味がないので不満だったが、これはこれとして飲みやすい。ロックフォールのような青カビチーズには負けるが、シーゲンケーゼトルテのようなスパイスチーズには合う。東欧はスパイス、特にパプリカを効かせた料理が多くて、そのため奇形児の誕生率が高いという話もあるのだが、酒もそれに合わせているのだろうか。
 ところで同時に貴腐トカイも買ってみたのだ。Tokaji aszu 3puttというやつ。こちらは2000円でした。3プットというのは全体に対する貴腐葡萄の配合率で、3は最低。要するにおまじない程度に混ぜたワインらしい。甘味はたしかに濃厚でトカイらしいのだが、そのかわり他の味わいと香りがまるで駄目。トータルでは貴腐でないトカイのほうがずっとよかった。ま、値段相応にというか、高望みはしないほうがいい、ということですね。貧乏人が無理して貴腐を買うことはない。


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