アンジュー・ガメA.O.C.赤

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産地:フランス、アンジュー地方 年代:1998
購入:ベルーナサンキュー福袋 価格:6本3939円
購入日:2002年1月21日 飲用日:2002年2月7日
いっしょに食べたもの:トンカツ、カマンベールチーズ、ジェンセンズレッドチーズ、パンのフライ

 このワインが作られたアンジュー地方は、パリの南西を流れるロワール川の中流域の地方。アンジェという、私のような者にとってはたまらない名前の街を中心とする。上流にはジャンヌダルクのオルレアン、下流には勅令のナントがある。
 昔から栄えた地方で、ここに巣くっていたアンジュー家というのが、かつてはフランス王よりも広い領地を誇り、百年戦争のころはイギリスの手先、というよりも英仏両国を手玉にとってあわよくば天下を狙う勢いだった。英仏両国王の家柄の源泉でもあるし。
 たぶんあのアニメのアンジェ・アイリントン嬢も、この家から英国に移住した分家だったのでしょうな。
 そんな歴史のある土地だから川沿いに美しい城館が立ち並ぶ。ところがアンジュー地方のワインはずっと安物扱いされていて、「パリの着倒れ、ボルドーの飲み倒れ、アンジューの城倒れ」などと言われていたこともあったとか。最近は品質向上に努力して、ロゼ・ダンジューなどというまろやかなロゼが有名になってきたのですが。

 アンジュー・ガメというA.O.C.は、そんなアンジュー地方でガメ種のブドウを使用したワインに与えるレッテル。ガメ種、ボジョレでも登場しましたね。安かろう悪かろう、いやそんなこと言ってはいけない、病虫害や気候変化に強く、収穫量も多い優良種。惜しむらくは味が、いやいや、若いうちに飲む渋味の少ないすっきりした味のブドウ。
 コルクは粘っこく開けにくいが、もろくはない。色は濃く、ややくすんだ紫色。ほのかにブドウの、ちょっと腐ったような匂いがする。
 酸味主体で甘味がそれにちょっと絡む感じだが、なかなか濃い。ガメ種の名に恥じずこれも渋味はほとんどない。舌の先にわずかに残る程度だが、しかし酸味と甘味だけでフルボディと言えるだけの力がある。ガメのくせに、というのは失礼だが、なかなかの実力者でないかい?

また飲みたいかな度:3.5/5 勝手に値付け:1500円くらい?


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