連覇と3連覇、どっちが難しい?
のっけからタイガースに無縁な話題ですみません。
東芝府中は、2月28日のラグビー日本選手権決勝戦で神戸製鋼に挑む。これに勝てば、神戸製鋼、トヨタに続いて3連覇を果たすことになる。ラグビー界では、「3連覇がもっとも難しい」といわれる。連覇したチーム6チームのうち、3連覇したのは新日鐵釜石と神戸製鋼。この2チームはどちらも7連覇している。3連覇できれば長期の黄金時代が築けるのだ。
さて、プロ野球の世界では連覇と3連覇、どちらが難しいか?過去のデータを収集してきた。
まずはセリーグ。
2リーグ分裂後、連覇に挑んだチームは30チーム。このうち連覇を果たしたのは7チーム。確率は2割3分3厘である。
そして、3連覇できたチームはそのうち3チーム。4割2分9厘である。これからみると、3連覇より連覇が若干難しいということになる。
パリーグでは連覇に挑んだチーム26のうち12チームが連覇している。確率は4割6分2厘。連覇したチームが3連覇したのはこのうち7チーム。西武が今年、8チーム目に挑む。率にして6割3分6厘の高率である。
こうしてみると両リーグとも、連覇するのがもっとも難しいようだ。特にパリーグは、いったん優勝すると黄金時代を作りやすい傾向がはっきり現れている。もっともセリーグでは読売の9連覇という、前人未到の記録があるのだが。
1980年以降のここ最近に限ると、セリーグでは連覇成功率は16チーム中2チームの1割2分5厘の低率である。3連覇したチームに至っては皆無である。
パリーグは9チーム中5チームが連覇に成功。4割5分6厘の高率。3連覇も2チーム。4割である。
やはり、プロ野球では連覇するのがもっとも難しいようである。
では、連覇の逆、連続最下位はどうだろうか?
セリーグでは連続最下位は33チーム中11チーム。3割3分3厘。3年連続の最下位は、1954年から59年まで6年連続の大洋、1972年から74年まで3年連続の広島、この2チーム。1割8分2厘である。ここで惜しいのは阪神。1987年、88年と連続最下位ののち、89年には5位。90年、91年とふたたび連続最下位である。惜しくも大洋に続く5年連続最下位を逃した。
パリーグでは最下位といえば近鉄である。1950年から53年まで4年連続、58年から62年まで5年連続、1年置いて64年から67年までまたも4年連続最下位と、素晴らしい記録である。このチームのおかげで、連続最下位は30チーム中11チームの3割6分7厘、3年連続は11チーム中4チームの3割6分4厘と、高率をおさめている。
パリーグは強いチームも弱いチームも固定化しやすい、という傾向がはっきりと現れている。強豪乱立のセリーグと独走傾向のパリーグ。このへんがゲームの面白さに影響し、ひいてはセとパの人気の差をも生んだのではないか。セの読売独走、パで西鉄と南海が鎬を削っていた時代には、人気差が今ほど大きくなかったことを考えると、ますますそう思われるのである。