トラハタ時事新報(2003年7月〜お盆)
7月8日(火)
阪神タイガース マジック49点灯
夢をありがとう、ライバル五球団の強者たち。
7月9日(水)
凶悪キメンガニクボタ、呪いの死球!
かつて投手ハカイダーに破れ、腕を壊されて鳴尾浜に監禁されていたカブトガニフクハラが、檻を破って脱走した。それを追う兄弟ロボットのキメンガニクボタ。
カブトガニフクハラ「頼む、頼むキメンガニクボタ! 俺はもういちど甲子園で投げて、投手ハカイダーに復讐したいのだ!」
キメンガニクボタ「駄目だ、鳴尾浜に戻れ! お前はオレに勝てない! オレはお前の五倍の球速なのだ!」
そしてどういうわけか、センイチローに襲いかかるカブトガニフクハラとキメンガニクボタ。センイチローは得意の投手チェンジしようとするが、そこに、プロフェッサーノムの笛が鳴りひびく!
プロフェッサーノム「ふふふ、苦しめセンイチロー。なんでカツノリを代打でしか使わんのや。そんなにワシが憎いか。だいたい、フクハラを潰したのはワシやで。ウチの野間口をよう打てんかったくせに、よくも優勝だのマジックだのほざけるな……」
プロフェッサーノムのボヤキの笛が聞こえているかぎり、センイチローは投手チェンジできない。しかしそのとき、キメンガニクボタのスピードガンが炸裂する。カブトガニフクハラがその身を犠牲にして倒されるが、その音で耳がふさがれた。センイチローは、投手ハカイダーにチェンジする!
投手ハカイダー「キメンガニクボタ、くらえ連投地獄車!」
キメンガニクボタ「グヘヘへ。カブトガニフクハラはそれで倒せたかもしれんが、オレはその程度ではなんともない!」
投手ハカイダー「しかしこれならどうだ。連続満塁、走者返し!」
キメンガニクボタ「ぎゃあああああ」
こうして恐るべき新人投手、キメンガニクボタは投手ハカイダーに倒された。しかし、快速球を誇る新人投手は続々とやってくる。投手チェンジせよ、センイチロー。快速ルーキーを潰せ、投手ハカイダー!
次回「アカネマツザカが美人女子アナを狙う」にご期待ください。
7月21日(月)
虎玉朗詠集
気に入らぬ球もあらうに今岡を昇りつづけて降りる気もなし
夏空に走るはこれがあか星とさしもさされず惑ふ阿倍野に
かの人が来るや貯まりし勝ち星にかねもっちゃんと誰が呼ぶなり
なき人の思ひ届けよ濱風に乗せて伸びよととひ山までも
よなよなはまどろむ暇もありあすのつきせず点を取らむころかな
片岡に去年と見まごふもみぢばのうつりし姿しばしとどめむ
守るやの打つやの刺すやの求めけり折れぬ三本矢の強さなり
沖原を流れしどんぐり久慈育ち咲ける藤本いま盛りなり
かるがると塁を渡ると思ひきや越すに越されぬ大井川かな
ふく風を受けて流すや下柳くろ木に優りて倒れざりけり
投ぐる人が打ちたる球は夢めきて夢亜とよびて夜空を翔けり
短気やとかねて聞きしは嘘なりやいらいらぶたと誰か呼びける
ひむがしの鄙で醸せし山廃の久保田百五十いまが呑み頃