トラハタ時事新報(2003年開幕前)


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1月1日(水)

恒例のアレ
 わが阪神タイガースは、2004年の新年を、日本一祝賀旅行のここバンコクで迎えた。
 「いつまでもメジャーメジャーと、欧米ばっかり目を向けとったらアカン。アジアの発展に力を貸せることがあったら貸そう、ともにアジアのスポーツをよくしていこう、という気持ちがなくてはな。やっぱり、わしらはアジアの一員なんやから」との星野監督の言葉で決まったこの旅行。「アメリカのことばっかりかんがえてアジア野球選手権にも協力してくれなかった、ナベツネ率いるトーキョージャイアンツとはえらい違いだ。故人の悪口は言いたくないけど、ナベツネはアジアを食い物にすることしか考えていなかった」と、地元の評判も上々である。
 マーブンクロンセンターを散歩し、目を丸くしているのは若き左腕エースの井川。「すごいね、海賊版のゲームがいっぱいだ。買いたいけど……ダメだよね」と、少し残念そう。「でも、20勝して年俸も2億になったんだもん。正規のゲームを買うさ」とさばさば。横で13勝し見事新人王に輝いた久保田が、「あ……あれ? ……なんか変だな、このワニがひっくり返ってオコシテってマーク、どっかで見たような……?」と首をかしげる。
 44本のホームランをかっとばし二冠王になったアリアスと、18勝4敗で勝率トップになったムーア、セットアッパーとして防御率0.88の大活躍のウィリアムスの外国人トリオは、ハードロックカフェでリズムに乗りながらビールを飲む。「ハードロックカフェは世界中どこにでもあるけど、やはりお国柄があるんだ。それにタイのビールはうまい」
 「タイの料理はなんでも美味いね。特にこのエビの炭火焼きがたまらない」と屋台料理に舌鼓を打つのは、石毛と佐久本のカムバック賞コンビ。石毛はリリーフエースとして38セーブ、佐久本は中継ぎで50試合に登板、防御率1.75と堂々の活躍。同一チームから二人のカムバック賞は史上初だけに、今年にかける意気込みも違う。「去年の成績がまぐれだったと言わせないためにも、来年もやるしかない」
 若き四番濱中と、彼を陰に陽に支え続けた三番今岡、五番の金本は、一緒にマッサージに出かけて疲れをいやす。「いたたたた……ここのマッサージは、けっこうハードっすね」と絶叫する濱中に、ふたりの先輩は容赦ない。「おばちゃん、もっと体重かけちゃってください。こいつ身体が硬いんです」「なんだったら一緒に足ツボも押しちゃってください」
 星野監督をはじめ首脳陣は、ワットポーに参拝。「神頼みってわけじゃないけれど、敬虔な気持ちを忘れたらいけないと思う。それを忘れたのが巨人」と語る星野監督。「ここの人たちはお坊さんに托鉢をしたり、生活と信仰が密着しているよね。われわれは野球人だけれど、このくらい人々の生活に密着した存在でありたいよ」と田淵コーチ。「ほだや。アメリカに行った松井も近鉄に残った中村も、去年はどん底だったじゃろが。金満巨人のペタジーニも上原も清原も桑田も工藤もボロボロだったじゃろが。一般人から見て夢のような金額をもらって夢だと思えない選手には、やっぱどこかでツケが回ってくるんね」と達川コーチ。地に足をつけてしっかりと将来を見据える阪神の今シーズンに、死角はない。


2月1日(土)

いよいよキャンプイン
 今年は一軍は沖縄、二軍は安芸でのキャンプインとなった。ルーキーで一軍に選ばれたのは、中継ぎ候補の中村泰のみ。

久保田いきなり罰金
 プロ入りに浮かれて公称の85キロから98.5キロと、太りすぎた久保田。石原コンディショニングコーチから「合同自主トレ初日の一月十三日までに95キロに減量すること」と厳命されていたが、なんと99キロと逆に太ってしまった。超過4キロを100グラム2万円の計算で80万円と高額の罰金を払わされた久保田、「好きな酒と焼き肉を控えてたらご飯を食べすぎた。別に痛くないです。契約金からキャッシュで払いますから」とあっけらかん。これには常磐大の同期生、小野寺(西武)も呆れて、「アイツはああいう奴。昔から練習嫌いで素質だけで投げてきた。もっとキツいことやらないと、アイツは応えませんから」と苦言。ううむさすが大物だ。こいつ、契約金ゼロの完全出来高制にしといた方がよかったんじゃないか?

江草いきなりポンコツ
 24日から合同自主トレに参加した江草投手は、大学時代に痛めたヒジの具合が悪く、ブルペン入りはせずに福原と同じリハビリメニューで調整することになった。新人のキャンプイン前のリタイアは、源五郎丸(キャンプ序盤でリタイア)を抜くスピードリタイア新記録。

太陽ことしはスキンヘッド
 去年は丸刈りで話題となった藤田太陽、今年はバリカンで剃り上げて、ついにスキンヘッドに。「気合いも入るし、相手も怖がるでしょ?」とのこと。いっそのことバンバンビガロみたいに頭に太陽の紅蓮のイレズミを入れたら、もっと怖がるぞ。

ミラー来るは起こらず
 昨年も貧打に泣いた中日は、ゴメスの後がまとなる四番打者を物色、マーリンズのケビン・ミラー選手を獲得にこぎつけた。ミラー選手はマリーンズでクリンナップに定着、昨年、一昨年と三割をキープし、中日での年俸は300万ドル+出来高という文句無しの大物。中日の西川球団社長は、「阪神がミラーに興味を示していることは知ってたけど、ウチに勝てるわけがないから、取れるものなら取ってみろって、腹の中でハッハッハッて笑ってたよ」と豪語し、阪神ファンを怒らせていた。
 ところがレッドソックスがミラー獲得に色気を見せ、中日に譲渡を申し入れて断られたころから、雲行きがあやしくなってきた。やはり大リーグに未練があるミラーは、「就労ビザがまだ出ない」「妻が日本行きに反対している」「妻の親戚が死んだ」などとずるずる来日を引き延ばし、しまいには中日と連絡も取らずラスベガスでバクチに気を紛らせる毎日。苛立った中日が「2月10日までに来日しないと告訴も辞さない」と通告するも、まるで効き目がない。ボストン地元紙では「ミラーの行きたいところに行かせてやるのが筋。契約で縛る中日は汚い。だいたいジャパンのサードベースマンは、メッツと合意していたくせに勝手に話を蹴って日本に残ったではないか」と中村ノリまで持ち出してのミラー擁護。中村も罪作りな男だ。
 さらにミラーは「中日には行きたくない。自分は家族と暮らしたい。アメリカに残る。これから戦争が起ころうかというときに、米国市民としてアメリカを離れられない」と電波ゆんゆんなコメントを発表。これから戦争が起ころうかというときに野球して遊んでいるのは、米国市民としていいのか。
 さらに報道の食い違いもぼろぼろ。中日側が発表した「ミラーは中日でプレーすることに合意した。すでに契約もしている」という主張に対し、アメリカでは「ミラーは中日入団拒否を伝えた。契約は交わしておらず、まだ口頭で同意しただけ」と報道。どうやら中日も、不都合な情報は隠しているらしい。
 ううむ、さすがに中日が気の毒になってきた。


2月2日(日)

内野戦争はじまる
 一時は外野専念を宣言した桧山が一塁守備につき、場合によっては一塁桧山、サードアリアスのケースも発生すると岡田コーチは語る。また激戦区のショートには関本も練習に参加し、田中、藤本、久慈、沖原、的場、斉藤のショート定位置争いに参加した。こちらはまあ、サード守備もしんどそうな関本だけに、実現の可能性は薄い。

えらいこっちゃ日ハム
 ヒルマン新監督のもと札幌移転を優勝で記念しようと意気あがる日本ハムに、いきなり暗雲がたれこめた。自主トレの最中に正捕手の実松が左手を骨折し、全治6週間で開幕マスクも怪しくなったなか、第二捕手として阪神から移籍した山田がキャンプ初日に太ももを痛める。復帰まで6週間の見込み。
 ただでさえ捕手陣が手薄な日ハム。もう残っているのは、ばりばりの二軍選手とルーキーしか残っていない。野口を返せなどと言われないか心配だ。

鬼を見るか地獄を見るか
 ついに抵抗も空しく田村亮子と婚約させられてしまったオリックスの谷選手。うなだれる谷に追い打ちをかけるかのように、田村亮子はテレビ番組で「いっしょにお風呂に入りたい。全裸で」と恐怖体験を予告。さらに「谷選手が浮気したらどうするの?」との質問に、「絞め技か関節技か選んでもらいます」と宣言。これに対し、谷はうつむきながら、「もうすでに投げられたことがあります。回数は数え切れないほど投げられています」と涙ながらに告白。
 谷選手にはもはや、これからの一生を鬼を見て暮らすか、それとも柔術地獄にのたうつか、の選択肢しか与えられていない。


2月8日(土)

鏡の後の迷走
 ミラーがまったく日本でやる気がないということで、中日球団もミラー獲得を断念。今後はミラーとレッドソックス球団を相手に、違約金と補償をむしりとる民事闘争に入る。
 この問題について中日の山田監督は「フロントがしっかりしていないからこういう事件が起きる。中日は舐められている。ちゃんと戦力を揃えてほしい」とフロントに激怒。これに対し白井オーナーは「来ないものは仕方がない。いる戦力から四番を育てるのが監督の仕事。四番がいないから野球ができん、では監督失格だ」と応酬。ミラー騒動は中日球団の内輪もめにまで進展した。
 とにかく四番の新外人。レッドソックスはミラーの代替選手を用意すると言ってはいるが、アグバヤニのような役立たずのロートルを押しつけるのは確実なので、中日球団としても独自に四番候補を物色、「また他球団のお古かよ」と罵られながらも、とりあえず手軽なところで日本ハムをクビになったオバンドー選手に目をつけた。
 ところがオバンドー、「すでにマーリンズとマイナー契約している。メジャーのチャンスがあるのに、もう日本には行きたくない」と中日を拒否。中日はさらなる迷走を強いられることになった。次に目をつけるのはエバンスかボーリックかホワイトかバトルかハートキーか。

広島逆レイプ
 広島の沖縄キャンプ宿舎「京都観光ホテル」に6日深夜、二十代の女性ふたりが侵入。鍵をかけず寝ていた河野投手(24)の部屋に忍び込み、全裸となって襲いかかる事件が起きた。
 河野投手は「ぶちゅーっとディープキスされ目が覚めたら、全裸の女性がふたりで迫ってきた。酒臭かった。怖ろしかった」と恐怖体験を語り、翌日のフリー打撃に登板したが、ショックのためストライクが入らず早退した。
 それにしても河野投手、若くはあるが妻帯者で、しかも大豊を間のびさせたような風貌の選手。「なぜ河野」と広島ファンからも疑問が投げかけられる事態にふんだりけったり。


2月16日(日)

主力選手リタイア祭り
 キャンプも中盤にさしかかり、主力選手のリタイアが目立つ季節になってきた。
 まず伊良部。これまで優等生を演じてきたストレスのせいか、疲労性の風邪をこじらせ発熱リタイア。気管支炎へと発展し、二軍でリハビリとなった。
 そして金本と今岡。両者とも足を痛め、別メニューでの調整となった。
 しかし金本ほどタフで頑健な選手すら、阪神に来るとああなってしまうのか。早くもシーズン中の選手事情を先取りした主力リタイアに、阪神ファンは「いまからこうだと覚悟すれば、シーズンがどうなっても怖いものはない」と達観するが、いや下には下があるのが阪神の歴史。これに加え、井川とムーアとウィリアムスと赤星と濱中のリタイアくらいは覚悟しておかなければ。

ノムさん監督デビューお預け
 今年からシダックスの監督に就任した、阪神の前監督野村克也氏。二十日におこなわれる予定の帝京大との練習試合で初采配の予定だったが、大学側が難色を示し、この試合はベンチから外れることになった。野村氏は現在CMに出演しており、全日本大学野球連盟はこれを理由に野村氏をタレントと認定。「大学生は野球以外のプロスポーツ選手や芸能人と試合ができない」という規定をタテに拒否した。
 あまりにも脳天バカというか、現実から乖離した大学野球連盟の判断には各所から非難轟々だが、ここまでバカっぷりを発揮されると、それはそれで面白くてしょうがない。そんなら松井もイチローも芸能人ってわけか。プロ野球は芸能人集団ってわけか。もう滅びるしかないね、大学野球。


2月20日(木)

中日はオチョア獲得へ
 入団拒否のミラーはレッドソックスに入団、代わりに交渉した前日ハムのオバンドーにも拒否された中日だが、カージナルスのアレックス・オチョア選手が入団することが濃厚になった。オチョア選手は昨年ブリュワーズとエンゼルスで計122試合に出場し.261、8本塁打。今シーズンはカージナルスへFA移籍し、元オリックスの田口選手や元阪神のペレス選手と外野手の座を争っていた。今回の獲得劇は中日、田口の両者が満足できる結果となった。オチョアが満足しているかどうかは知らない。

ロッテのローズ退団
 かつて横浜で首位打者を獲得し、おおいなる期待とともにロッテに入団したローズ選手が、「野球に対する情熱を失った」として退団を球団に申し入れた。在籍二十八日間は日本プロ野球史上、最短記録。ローズ選手は三年ぶりにプロ野球復帰を果たしたものの、紅白戦で八打数ノーヒットと不振におちいり、外国人の多かった横浜と違って田舎の千葉という住環境に家族がなじめないこともあって、ノイローゼ状態になってキャンプを離脱していた。
 ブランクのあった選手に四番をまかせるなどロッテの過大な期待があだになったという見方もある反面、キャンプ前に球団が発表した「ローズかつ弁当」の呪いだと指摘する関係者もいる。これにより早急な四番補充が必要となったロッテは、中日入りを拒否した前日本ハムのオバンドー選手の獲得にいくと表明しているが、「オバンドーのオベントー」を売り出す意思をも表明しており、オバンドー側の反発は必至とみられている。
 しかしミラーといいローズといい、阪神が獲得を検討して他球団に入団した外国人選手はなんだか呪われているようだ。ひょっとして星野の呪い?<呪いというか実質的な圧力だったりして<バルデスとクルーズもむちゃ心配<ノリ中村もな

期待のルーキー続々リタイア
 新人王確定とまで言われた今年の目玉商品、ダイエーの和田投手は左肩を痛めてリタイア。開幕一軍は微妙どころか、痛みの個所が投手の生命だけに、選手生命も危惧されているほど。
 続いて高校生ながら開幕一軍は確定と言われていたヤクルトの高井投手、投球フォームを変えたのが影響したか、右の脇腹を痛めてリタイア。投球禁止令も出て、開幕一軍は絶望視されている。
 え、阪神の江草? リタイアが早すぎて、すっかり忘れていたよ。ま、どっちにしろ新人王とか開幕一軍とかはもともと縁がないし。

カツノリは四針縫うケガ
 カツノリ選手はシートバッティングで打順を待っているとき、打者藤原の折れたバットが太ももを直撃。右太腿裂傷で四針縫われ、抜歯まで一週間かかる見込み。しかし本人は「こんなのツバつけときゃ治りますよ」と元気。無駄に頑健だ。


3月8日(土)

開幕まであと三週間:各球団リタイア情報
 まずは阪神。肉離れの今岡と気管支炎の伊良部は順調に回復。伊良部は実戦登板を開始。そろそろオープン戦で投げ始めるか。ふくらはぎを痛めた金本はまだ別メニューで調整。このままずっと別メニューだったりして。そして片岡が脇腹を痛め、開幕は絶望。しかし別な理由で開幕スタメンはずっと前から絶望視されていたので、「ファースト桧山、サードアリアスに決まって、かえってチームがよくなった」とおほめの言葉をいただく。久慈も脇腹を痛めてリタイアしたが、久慈らしくひっそりと誰にも知られず別メニュー。
 ダイエーは、ルーキー和田がようやく投球練習を開始したと思ったら、小久保がオープン戦でスライディングした際に西武の椎木捕手に右ひざを踏まれ、半月板や靭帯などに損傷の重症で全治三カ月以上。開幕絶望どころか今季絶望とまで言われている。選手生命の危機。
 オリックスの160キロ男、大久保投手も怪我で今季絶望。ひょっとしたら久保とつく選手には悪霊がとりついているのではなかろうか。阪神の久保田、読売の久保、ヤクルトの久保田、近鉄の古久保、さあ次は誰だ。
 日本ハムの壊滅的な捕手事情は、高橋の踏ん張りと実松の復帰で、なんとかなりそうな状況。しかし山田は依然復帰の気配なし。
 ジャイアンツは清原がまた無理な筋肉増強のツケが回って開幕絶望。ファーストペタジーニ、ライト斎藤でむしろいい形になったと思われたが、今度はペタジーニが原因不明の筋肉痛でリタイア。球団が球団だけに、かつてのヒルマンのように試合にも出ず金だけふんだくるのではないかと推測されている。さらに斉藤も指を骨折。どうなることやら。

打線命名
 山下大輔新監督のもと張り切る横浜は、「大ちゃんス打線」と命名されたが、いまのところ大チャンスは、新外国人のコックスがリタイアでレギュラーが確定した若き長距離砲の古木選手だけか。
 中日は新外国人のミラーとクルーズで「ミラクル砲」を結成しようと意気込んでいたが、ミラーの入団拒否でオジャン。代わりにオチョア選手の獲得で「オチョクル砲」になるかと思われたが、選手登録がなにかの間違いで「アレックス選手」という平凡な名前になってしまい、「荒れ狂砲」と呼ばれることに。しかし個人的には、クルーズとリナレスで「クルリな砲」のほうがかわいくていいと思う。

新人王の権利は何処?
 ドラフトで入団したオリックスのマック鈴木投手は、メジャーリーグでの登板経験はあるが日本のプロ球団の経験がないということで、新人としてドラフトで入団し、新人王の権利も認められた。ところが当人は、「新人王ははじめてプロに入った選手がもらう賞。僕はメジャーリーガーだったし」と新人王資格の返上を宣言。
 いっぽう読売のランデル投手は新人王の資格が確認された。アメリカの大学を卒業後、1999年にダイエーに入団、わずか1アウトを取ったのみでクビ。その後独立リーグでプレーし、今年ジャイアンツに入団という経歴。日米ともにまともにプロで働いていない点が評価された。もっともオープン戦で2イニング登板、2安打1失点という成績では、まあ獲得の可能性はないか。


3月21日(金)

阪神やっぱりオープン戦終盤三連敗
 やはり相手がベストメンバーを出してくると勝てないのか……。
 やはり藪と川尻は期待してるとダメなのか……。
 やはりバルデスとクルーズを放出したことを悔やむことになるのか……。
 やはり今年も貧打とエラーに苦しむのか……。
 やはり金本も片岡みたいなもんなのか……。
 やはり今岡は一年限りの活躍なのか……。
 やはり伊良部はプライドと腹だけでかいのか……。
 やはりポートは洋物福原にすぎないのか……。
 やはり今年も広島にしか勝てないのか……。

まわるまわるよ因果はまわる
 メジャー挑戦をぶちあげ、ポスティングにかけられたが、どこからも声をかけてもらえなかった近鉄の大塚投手。それでもメジャーに行きたいと駄々をこね、キャンプにもオープン戦にも参加せず、店晒し状態となっていたが、このほどようやく中日への金銭トレードが決定した。
 近鉄のリリーフエースを勤めるほどの逸材であるから、河原にもひとつ頼れない読売、高津がそろそろ限界のヤクルト、ポートのコントロールが悪すぎる阪神などが興味を示したが、今年一年だけの腰掛けがミエミエなのでちょっと手が出せなかった。そこへ中日が、一年契約、今オフにメジャー移籍可という、とほうもない好条件でかっさらっていったのである。
 しかし考えてみると、この事件、
 近鉄の中村がメッツ移籍決定直前にわけのわからん駄々をこねて契約を白紙にして近鉄残留→中日と契約寸前のミラーがレッドソックスに行きたいと駄々をこねて「ナカムラがやったのと同じことをオレがして何がいけない」と強弁してレッドソックス入団→中村のせいで評判が悪くなった近鉄の大塚にメジャーが声をかけず、悔しくって駄々をこねた大塚を中日が強奪
 という因果関係で、まさに死の連鎖といえよう。ところでこの因果、レッドソックスが一方的に得をし、メッツが一方的に損をしている。ここはレッドソックスからメッツへガルシアパラでもくれてやるべきか。


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