セリーグの連勝連敗の謎を探る

 今年のセリーグは連勝連敗が多い。連勝の筆頭は中日の開幕11連勝。連敗の筆頭は横浜の開幕6連敗。ヤクルトなどは開幕4連勝の後は5連敗と起伏が激しい。阪神も3連敗が2回続いた後6連勝で5割に戻す激しい展開。
 開幕から今までの連勝、連敗を去年の通算成績と比べてみよう。カッコの中が去年の成績。

横浜   2連勝(10連勝)   6連敗2回(5連敗3回)
中日   
11連勝(4連勝7回) 3連敗(3連敗6回)
読売   5連勝(7連勝)    
4連敗(4連敗)
ヤクルト 4連勝(7連勝)    5連敗(6連敗)
広島   3連勝2回(9連勝)  3連敗(9連敗)
阪神   
6連勝(6連勝)    3連敗2回(12連敗)

 中日の連勝と横浜の連敗は、去年の記録を早くも破るものだ。また読売と中日の連敗と阪神の連勝も、去年の記録に肩を並べている。

 また、同一カード3連勝、3連敗の記録は次のようになる。

横浜   3連勝無し 3連敗3回(3連勝6回 3連敗3回)
中日   3連勝3回 3連敗1回(3連勝4回 3連敗6回)
読売   3連勝1回 3連敗無し(3連勝4回 3連敗1回)
ヤクルト 3連勝1回 3連敗2回(3連勝3回 3連敗4回)
広島   3連勝1回 3連敗1回(3連勝3回 3連敗7回)
阪神   3連勝1回 3連敗無し(3連勝2回 3連敗8回)

 ここでも、横浜は去年の分をすでに負けている。中日も去年の連勝記録にあと1回である。
 そして極めつけは、4月23日から25日にかけての3連戦。阪神はヤクルトを3タテ、広島はヤクルトを3タテ、読売は横浜を3タテ。すべてのカードで3連勝3連敗が並んだことは、去年1回もない。

 なぜ今年はこんなに連勝連敗が激しいのであろうか。
 ひとつ明らかなのは中日の勃興と横浜の凋落である。中日は連勝を受け持ち、横浜は連敗を受け持っている。これはチーム力に比例する結果として、まあ当然な結果であろう。

 もうひとつは下位球団の頑張りであろうか。ヤクルト、広島、阪神。この3球団は広島の序盤を除き、上位の横浜、中日、読売に歯が立たず、一方的にやられるのみであった。3連戦でひとつ勝つのがやっとだった。それが、今年は上位とほぼ互角に戦っている。首位の中日といえど、広島戦3連敗のように、チーム状態が落ちてくるとやられる。横浜などは、一方的に昨年下位球団のカモとなり果てている。
 ただし、これら下位球団、まだ戦い方が安定していない。いわゆる調子野球で、調子に乗ったときは凄い力を発揮するが、調子を崩すとあっけなく連敗する。阪神の打撃陣、広島の投手陣、ヤクルトの選手層など、アキレス腱が多いのも連敗の要因となっている。

 これからの展開だが、やはり横浜がどこで調子を取り戻すのか、それともずっとこのままなのか。選手個々の力はあるチームだけに、やはりどこかで調子を取り戻すのではないか。結局連勝と連敗を交互に繰り返し、最終的に5割ちょうど、3位か4位になるのではないかと予想している。
 広島と阪神がどこまでもつか、も興味がある。去年、阪神は4月、広島は5月中旬で力尽きた。選手層が薄いところを無理して5割を維持している両チームだけに、どちらが先に陥落するか、その時期はいつか。
 横浜の復調が遅く、阪神と広島の陥落が早い場合、中日の独走、もしくは中日と読売のマッチレースの可能性がある。読売はどこで3番清水、4番松井、5番高橋の理想的なクリンアップに組み替えるか。興味はつきない。


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